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第六章

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 珠美ちゃんたちはあの後、家へ帰されたそうだ。
 丸一日も拉致していたわけだけど、問題には成らなかったのだろうか?
 しかし、その時はそんなことまで考える余裕もなく、「女の子ってこんな風に感じてるのかな?」などと、蜂須賀さんにされた前立腺責めの事で頭がいっぱいだった。
 そうこうするうちに日付が替わり、ランキングが更新された。
 
「おっ?」
――いろいろと動きがあったようだな。

――1位プレイヤーA、830ポイント――(学園長と推定)
――2位プレイヤーC、660ポイント――(西都と推定)
――3位プレイヤーF、660ポイント――(二階堂汐里と推定)
――4位プレイヤーG、575ポイント――(食堂のイケメン檜川)
――5位プレイヤーK、475ポイント――(猪狩雄介)
――6位プレイヤーL、0ポイント――

――これ以下は退場――

――7位プレイヤーH、-30ポイント――(実習生御手洗と推定)
――8位プレイヤーI、ポイント-285――(蛭田と推定)

 順調に点数を伸ばす学園長がトップに返り咲き、逃げ切りを図った西都が大きく減点。
 3位には僕に寝取られて200ポイント失ったはずの二階堂が大きく順位を伸ばし入ってきた。
 御手洗かどうか確認を忘れてたプレイヤーHと蛭田が脱落したことで、月曜を待たずに来週を戦う生き残り6人が決定したことになる。

――ポイント推移から考えて、二階堂汐里が実習生の二人と西都から寝取ったのだろう。
――どうやったのか定かではないが、西都の女たちを見つけ出すだけのリサーチ力は侮れん。

「僕に身元が割れた所為で、大きく動いたということか?」

――西都に己の存在がバレる前に行動に移ったと考えられる。

「一体どうやって見つけ出したんだ奴は?」

――一番考えやすい方法だと、西都がポイントを大きく伸ばした後から休んでる生徒を探ったのかもしれない。

「そっか、だから学園長の女は真尋ちゃんみたいに登校してる可能性が高く絞り込むのが難しかったから、寝取られてないのかもしれないな」

――ここからが勝負どころだぞ雄介、本当に無理やり寝取らないつもりなら、誰かと共闘して上位陣を破滅させないと三位以内に残るのは難しい。

「檜川とは一応協力関係だけど、あいつが寝取るとは思えないし、あいつの女も寝取られないだろうしなぁ」

その他の三人も絶対許せない奴らばかりだし……。

「はぁ、何故か生き残ってる0点野郎が寝取ってくれたらなぁ」

――それは無理な話だ! Lが有能な奴だったとして、三位以下を寝取ってマイナスポイントで脱落させる方法を選択する可能性が高い。

「まぁ、あれだ! 西都はたぶん点を稼ぎにくくなったし、檜川もそんなに伸びてない。僕が今日以上にみんなからポイントを稼いでいけば何とか二人は追い越せるかもしれない」

 だって、西都は一位になった後に身を隠したってことはこれ以上、手元に女のストックが無いということだ。
 例え、絶頂だけさせた風紀委員クラブやバレー部員を脅してセックスしたところで、他の奴らに寝取られる危険が出てくるし。
 檜川にしても、そんなに学園にブサ……と言うかそういう子がまだまだ残っているとも思えないし。
 多分一日80ポイントは稼げるから、三日すれば二人を上回るかもしれないな。

 翌朝、モーニングルーティーンと化した妹との寝起きセックスをこなしつつ、学園へ。
 正門の前でリムジンを降りたところで、見覚えのある男子生徒が詰め寄ってきた。

「おいテメェ! 俺の女を寝取りやがったなこの野郎!」

 久々に登校してきたショタっ子西都にネクタイを締めあげられる僕。

「何で、僕なんだよ?」
「はぁ? だって、お前しか俺様と直接接触して生き残ってないだろがっ!」

 ブチ切れ状態の西都だったが、流石に身長150弱しかないショタっ子に負けるほど僕も弱くはない。
 掴みかかってきた奴の手を振り払うと、西都は地面に尻餅をついてしまった。

「テメェ! 大人が子どもに暴力振るって良いと思ってんのかっ!」
「いやいや、お前から掴みかかって来たんだろ? それに、ポイント推移を考えれば僕じゃないくらい判るだろ?」
「え? お前3位の奴じゃないの?」

 何だ、思ったよりこいつザコなんじゃ?

「違うよ。それより、僕が寝取った奴だったとしても直接寝取り返すことは出来ないんだから、こんなところで油売ってても意味無いんじゃないか?」
「じゃあ、お前違うというならお前の女を寝取れば!」
「それは無理だと思うよ」
「何なんだよこいつらは?!」

 いつの間にか西都を取り囲んでいたジャージ姿の蜂須賀さんたち。

「雄介様、こいつをボコってもよろしいですか?」
「ヒーッ?!」

 蜂須賀さんにコンバットナイフをチラつかされ、西都はションベンちびりそうなほど震えあがっていた。

 結局、僕はこれまでの経緯――僕が有栖川家に守られていること、寝取り野郎は二階堂だということ等――を西都に教えてやった。

「じゃあ、その二階堂とかいう男女は雲隠れしてて見つけられないって言うのか。そいつから寝取り返せないとなると、残るは食堂の檜川と学園長か」
「え? お前、檜川の存在知ってたの?!」

 なのになんで奴の女を寝取らないんだ?

「俺だって、何にでもチンポコ突っ込めるほどメンタル強くねぇよ。奴のクリーチャー共とヤルくらいなら犬とヤッタほうがマシだ!」
「お前、ほんと最低だな」
「じゃあ、テメェは出来るのかよ?」
「いや無理」

 そう考えると、やっぱあのいけ好かないナルシスト野郎は僕らと比べれば聖人みたいな?
 いやいや! ペドフィリアの近親相姦野郎が聖人なんておかしな話だ!

「よし! もう残された手は学園長を襲うしかねぇ。一緒にヤルぞ猪狩」
「え? なんで僕まで」
「猪狩様、ここは協力なさる方が猪狩様にも有利になるかと」
――そうだぞ雄介、いけ好かない相手だとしても、ライバルをひとり潰すチャンスだ!

 宇津井はまだしも、なんで蜂須賀さんまで口出ししてくるんだ?!
 昨夜のことで、完全に僕の事を支配してるつもりなのだろうか?
 まぁ確かに蜂須賀さんの鋭い眼差しで見つめられると、自然とお尻の穴がキュッと絞まって心穏やかならざる気分にさせられるようになってしもうたんだけどね……。

「でも、作戦はどうすんのさ西都?」
「そんなん、バレー部の時みたいに学園長室を襲撃すれば良いじゃん!」

 本当にそんな単純な作戦で良いのだろうか?
 相手はあの狡猾な学園長だぞ?

――失敗しても、西都が痛手を負うようにすればどちらに転んだとしても我々は得をするよう注意して取り掛かればよい。
「おま! 悪知恵だけはすごいな」
「何か言ったか猪狩?」
「いや、あの……協力するけど、お前が学園長と直接やりあえよな?」

 こうして昼に作戦決行することになったんだけど、僕らの予想とは違った展開となったのは言うまでもない。
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