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仲間の死
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そんな重い空気に包まれる中、ウィスに纏わりついていたケイトがエリオットの前に浮かぶ。
「カルナは自分で自分を回復できないの?」
「出来る。出来るけど、カルナ自身に意識が無いから、魔法が使えないんだ」
宙に向かって話始めたエリオットを、ルリとトウジは不思議な表情で見ていた。
「……要するに、意識を取り戻せば良いんでしょう? 私なら出来るかも」
そう言ってケイトはカルナの顔に降り立った。
「何をする気だ? ケイト」
「私のマナももう残り少ないわ。だけど悲しむ皆の顔は見たくない。多分お別れね。エリオットやカルナのおかげで世界を回れて楽しかったわ、ありがとう」
「おい、ケイト」
ケイトは自分とカルナの額をくっつけた。そしてマナを注ぎ込む。その余剰なマナが光となって輝く。
「カルナが光っている……」
ウィスも驚きの目でケイトの最後の輝きを見ていた。
瞼を閉じたままカルナが、うっすらと意識を取り戻す。
あれ……、わたし……。
「――」
「――」
皆、何か言っている……。そうだ、私、魔王から攻撃されたんだ……。
再び闇に向かおうとしている意識があるうちに、カルナは自己分析を始めた。
肺が破れ、心臓の上の血管が切れている……。これなら元に戻せそう……。
マナを一か所に集中し、傷を癒していく。出血が多くて、時々意識が飛びそうになるものの、何とか切られた血管を修復した。
「み……」
「あっ、カルナの意識が戻ったぞ!」
「何か言っているわ、みんな黙って!」
「み……ず、を……。血を、流し……過ぎて……」
「水だな! すぐに持って来る!」
エリオットは馬車まで走って水を取りに戻った。
「彼女は大丈夫なのか?」
「あっ、ラルフさん、来てたんですか!?」
「出血が酷いようだが」
「危なかったのですが、傷口が塞がって……、何とか無事なようです」
「カルナ~~」
横たわっているカルナにウィスは覆いかぶさって泣き出した。
ゆっくりとカルナはその金髪を撫でる。
「水だ、カルナ!」
革袋に入った水を持ってエリオットが戻ってきた。蓋を開け、横になっているカルナの喉の負担にならないよう少しずつ流し込む。
半分ほど流し込んで、カルナは手を上げた。エリオットは給水を止める。
お腹に手を置いたカルナは、骨髄の造血幹細胞を全力で働かせ、取り込んだ水を体内で吸収していた。
「大丈夫か? もういらないのか?」
カルナは小さく頷いた。
喉元まで出てきた何かをようやく吐き出したエリオットは、両膝を付き天を見上げ、ようやく身体の力を抜くことが出来た。
ケイト、マナのすべてを使ってしまったんだな。……ありがとう。
「カルナは自分で自分を回復できないの?」
「出来る。出来るけど、カルナ自身に意識が無いから、魔法が使えないんだ」
宙に向かって話始めたエリオットを、ルリとトウジは不思議な表情で見ていた。
「……要するに、意識を取り戻せば良いんでしょう? 私なら出来るかも」
そう言ってケイトはカルナの顔に降り立った。
「何をする気だ? ケイト」
「私のマナももう残り少ないわ。だけど悲しむ皆の顔は見たくない。多分お別れね。エリオットやカルナのおかげで世界を回れて楽しかったわ、ありがとう」
「おい、ケイト」
ケイトは自分とカルナの額をくっつけた。そしてマナを注ぎ込む。その余剰なマナが光となって輝く。
「カルナが光っている……」
ウィスも驚きの目でケイトの最後の輝きを見ていた。
瞼を閉じたままカルナが、うっすらと意識を取り戻す。
あれ……、わたし……。
「――」
「――」
皆、何か言っている……。そうだ、私、魔王から攻撃されたんだ……。
再び闇に向かおうとしている意識があるうちに、カルナは自己分析を始めた。
肺が破れ、心臓の上の血管が切れている……。これなら元に戻せそう……。
マナを一か所に集中し、傷を癒していく。出血が多くて、時々意識が飛びそうになるものの、何とか切られた血管を修復した。
「み……」
「あっ、カルナの意識が戻ったぞ!」
「何か言っているわ、みんな黙って!」
「み……ず、を……。血を、流し……過ぎて……」
「水だな! すぐに持って来る!」
エリオットは馬車まで走って水を取りに戻った。
「彼女は大丈夫なのか?」
「あっ、ラルフさん、来てたんですか!?」
「出血が酷いようだが」
「危なかったのですが、傷口が塞がって……、何とか無事なようです」
「カルナ~~」
横たわっているカルナにウィスは覆いかぶさって泣き出した。
ゆっくりとカルナはその金髪を撫でる。
「水だ、カルナ!」
革袋に入った水を持ってエリオットが戻ってきた。蓋を開け、横になっているカルナの喉の負担にならないよう少しずつ流し込む。
半分ほど流し込んで、カルナは手を上げた。エリオットは給水を止める。
お腹に手を置いたカルナは、骨髄の造血幹細胞を全力で働かせ、取り込んだ水を体内で吸収していた。
「大丈夫か? もういらないのか?」
カルナは小さく頷いた。
喉元まで出てきた何かをようやく吐き出したエリオットは、両膝を付き天を見上げ、ようやく身体の力を抜くことが出来た。
ケイト、マナのすべてを使ってしまったんだな。……ありがとう。
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