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酒の探究者
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「ウメシュは買ったか」
「はい、こっそりと」
「そうか、ウメシュは美味しかった。果実と糖を酒に漬け込むだけで、あれだけ美味い酒が作れるなんて目から鱗だった。他にもまだまだ美味い酒はいっぱいある。カリンシュ、ミカンシュ……。果実酒だけではない、チューハイ、カクテル、ショウチュウ、アワモリ、ジザケ。料理も感動を覚えるほど美味いし、また酒が進むのだ。俺は美味い料理と酒を探しにイツツクニ国中を回った。だがナットウという食べ物だけは無理だった。ねばねば糸を引いていて酒に合わんのだ。美味しいものに目が無い国民性かと思いきや、あんな腐った食べ物まで食べるのだ。しかも喜んで食べている。信じられない。酒で言いたい事があったのだが、なんと酒の中に毒蛇を生きたまま漬けて飲む酒もあるそうなのだ。だから俺はヨナクニという街に行った。どのような味がするか、この舌で確かめないと気が済まないのだ。作り方だけは聞いていたが何せ秘蔵酒らしくてな、店に置いてなかった。だから俺はその毒蛇を探す事にした。そのヨナクニの図書館でその蛇の生態を調べた。その蛇の毒は、体の血管や筋肉といった組織を破壊するらしいのだ。恐怖に震えたね。果たして、そのような猛毒を持つ蛇を漬けた酒が本当に飲めるのか。蛇というのは動物の体温に反応して動くそうだ。だから俺は万全の準備をして、その蛇の捕獲に向かった。森の中を一人で彷徨う事、三時間。俺は甘酸っぱい匂いのする黄色い果実を見つけた。図鑑にも乗ってなかったものだ。魔が差したと言うのだろうな。俺は足元を見ずに、ふらふらとその果実に引き寄せられた。もう少しで手が届くという時に、足に痛みが走ったのだ。そう、その毒蛇に噛まれてしまってな。俺は気が動転したよ。まだ食べていない美味しいものがあるかもしれないのに、ここで終わりかってね。だが俺は……」
「おーい、カルナー、甘いものが売ってるぞ!」
「だから大声で呼ばないで下さいって、恥ずかしい! それでは、私はこれで!」
「あ、ちょっと、これからが良い所!」
カルナは全力でエリオットのもとに駆け寄った。
「行って、しまったか……」
足を大きく腫らして包帯を巻いているアナバス・バーランドは、足を引きずりながら次の話し相手を探した。
「はい、こっそりと」
「そうか、ウメシュは美味しかった。果実と糖を酒に漬け込むだけで、あれだけ美味い酒が作れるなんて目から鱗だった。他にもまだまだ美味い酒はいっぱいある。カリンシュ、ミカンシュ……。果実酒だけではない、チューハイ、カクテル、ショウチュウ、アワモリ、ジザケ。料理も感動を覚えるほど美味いし、また酒が進むのだ。俺は美味い料理と酒を探しにイツツクニ国中を回った。だがナットウという食べ物だけは無理だった。ねばねば糸を引いていて酒に合わんのだ。美味しいものに目が無い国民性かと思いきや、あんな腐った食べ物まで食べるのだ。しかも喜んで食べている。信じられない。酒で言いたい事があったのだが、なんと酒の中に毒蛇を生きたまま漬けて飲む酒もあるそうなのだ。だから俺はヨナクニという街に行った。どのような味がするか、この舌で確かめないと気が済まないのだ。作り方だけは聞いていたが何せ秘蔵酒らしくてな、店に置いてなかった。だから俺はその毒蛇を探す事にした。そのヨナクニの図書館でその蛇の生態を調べた。その蛇の毒は、体の血管や筋肉といった組織を破壊するらしいのだ。恐怖に震えたね。果たして、そのような猛毒を持つ蛇を漬けた酒が本当に飲めるのか。蛇というのは動物の体温に反応して動くそうだ。だから俺は万全の準備をして、その蛇の捕獲に向かった。森の中を一人で彷徨う事、三時間。俺は甘酸っぱい匂いのする黄色い果実を見つけた。図鑑にも乗ってなかったものだ。魔が差したと言うのだろうな。俺は足元を見ずに、ふらふらとその果実に引き寄せられた。もう少しで手が届くという時に、足に痛みが走ったのだ。そう、その毒蛇に噛まれてしまってな。俺は気が動転したよ。まだ食べていない美味しいものがあるかもしれないのに、ここで終わりかってね。だが俺は……」
「おーい、カルナー、甘いものが売ってるぞ!」
「だから大声で呼ばないで下さいって、恥ずかしい! それでは、私はこれで!」
「あ、ちょっと、これからが良い所!」
カルナは全力でエリオットのもとに駆け寄った。
「行って、しまったか……」
足を大きく腫らして包帯を巻いているアナバス・バーランドは、足を引きずりながら次の話し相手を探した。
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