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イツツクニ上陸
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三日後の、まだ太陽も上がってない朝方、エリオットたちの乗った客船はイツツクニの首都に近づきつつあった。
「見えてきました。どうやらあの明かりがイツツクニの首都カミナトらしいです」
「魔王の気配はするか?」
「いいえ、そのような感じではないです。魔物も少ないような気がします」
「どっちにしろ、人々が困っていたら助けるんだろ」
「ええ、それが僕の使命ですから」
客船は小型船舶によって曳航され、カミナトの港へと着いた。無線を開発した国らしく瀟洒な建物が立ち並ぶ。近代的な街並みを、エリオットたちは田舎から出てきたような瞳で見つめていた。
「ほら、二人とも行くわよ」
「ああ、すまない」
「ウィス、その手に持っているものは何?」
「ああ、これ? ちょっとね。船の売店で買ったの」
「そうか……」
四人揃ったところで、客船の一階に降り、係留していた馬車の手綱を握った。
「さあ、休暇は終わりだ、行こうか」
入国審査局でビルダーナの許可証を見せると、すぐに別室に通された。
「勇者一行殿、ようこそイツツクニへ。私はタニヤ・フジと申します。この国で議員を務めています」
華奢な体躯に半白の髪、黒ぶち眼鏡のタニヤ・フジが応接間にて応対した。
「早速ですが、今、北西の村アタラに魔物が発生してまして、周辺の村民が被害を受けています。そして北の二カルス海峡へと続く道中にも魔物が出没しているとの噂です。こちらも民兵を投入したいのですが、先日豪雨が発生しまして手が回らないのです」
その豪雨はエリオットのせいではないか、とベルハルドとカルナは思惟した。
「そこで勇者たち御一行に魔物の殲滅をお願いしたいのです」
「はい、直ちに向かいます。そのアタラの魔物の情報などは入っていますか?」
「いいえ、詳細は把握していません。ただ三十体ほどの群れだそうで」
「分かりました、私たちに任せて下さい」
「お力添え出来なくて申し訳ない。よろしくお願いします」
エルサントでのエリオットたちの戦いが思ったよりも長引いたため、早めに放ってしまった魔物に村は本当に襲撃を受けていた。
「よし、早速向かおう!」
『ちょ、ちょっと待ってください、まだ着いたばかりで魔物の補充が……』
エリオットの意気込みに待ったをかけるように、トラステリアは時間稼ぎを要求してきた。狭い応接間の為、皆の会話は彼女にも聞こえている。
「エリオット、旅の疲れもあるだろうから、少しゆっくりしていこう」
その言葉にタニヤが返す。
「いえ、今本当に実害が出ていますので、なるべく早く殲滅をお願いしたいのです!」
『飼育所で補給して戻ってくるまで半日かかります。それまでどうか……』
「住民のために一刻も早く!」
『五時間、いや三時間だけ伸ばしてください!』
「ああー、もうっ!」突然キレたベルハルドに室内は静寂に包まれた。「早速、倒しに行きましょう! ほら、行くぞ!!」
「ベルハルドさん、何怒っているんですか?」
「怒ってない!」
「そんなにサシミが食べたかったの?」
「違う!」
憤るベルハルドが引っ張る形で、一行はアタラへと馬車を進めた。
「ああっ、もうっ! 何で脚本通りにいかないわけ!? 私は何のためにいるのよ! もう降りる!」
「まあまあ、島国だから、そう上手くいきませんよ。どうです? ここはイツツクニに任せて今日は我々、温泉にでも。ここは温泉が多いらしいですから」
「温泉……、温泉ならば……」
荒れるトラステリアを何とか宥め、シノビたちは温泉を満喫することにした。
旅の初日は全く魔物が出なかったものの、翌日から少しずつ街道沿いに現れだした。だがそれらの数は少なく、飼育が上手くいってないのだろう、とベルハルドは戦いながら感じていた。
そして入国審査局を出て五日目で件のアタラへと辿り着いた。
アタラに辿り着いた頃は夕日が沈むころだった。
「とりあえず時間もあれだし、村の酒場で情報を集めよう。夜に三十体も相手にするとケイトの光では心許ない」
「ごめんなさいね、力に慣れなくて」
不貞腐れるケイトを余所に、エリオットのその言葉に、三人も賛同する。
とりあえず宿屋を確保し、村に二軒ある酒場うちの一軒へと出かけた。
「村の端にミタミ神社という建物があるのだが、そこにいる大型の魔物が主だ。俺も遠くで見たのだが、五メートルはあった。他に何匹も子分を引き連れている。それが先月ぐらいから姿を現し、占拠しているのだ。もうすぐ四年に一回のミタミ祭があるってのに……」
「境内に巣くっていて、参拝者を襲うの。一人の狩人が討伐に向かったのだけど、返り討ちにあったみたい」
地元の民と酒をかわしながら、エリオットたちは情報を得ていた。
ベルハルドは刺し身ばかり食べている。
よっぽど気に入ったのだろうと、カルナは横目で見ていた。
「情報は集まりましたし、宿に戻りましょう」
「待った、エリオット。もうちょっと食べてから」
「はいはい。分かりました」
その夜、宿に戻ったエリオットとベルハルドは作戦会議をしていた。
「どのような魔物か分からないし、ここは色々な策を練って戦いに挑まねばな。前のようにいきなり目くらまし喰らったら俺も動けないし」
「そうですね。ウィスも呼んで策を練りましょうか」
(あははははは……)
その時、隣の部屋からカルナの笑い声が聞こえてきた。
「カルナ、酒が入っているな」
「あー、あの時ウィスが船で買った物って、お酒だったのか」
「ウィス、カルナの笑いを、かなり気に入っていたからな」
「寝酒とか言って、飲ませたのでしょう」
「とりあえず明日の朝だ。寝よう」
「そうですね」
薄い壁から漏れるカルナの笑い声を聞きながら、二人は布団にもぐりこんだ。
翌朝、早くにカルナとウィスはエリオットたちの部屋にやってきた。
「いつまで寝ているの? さあ、作戦会議しましょう」
「もうちょっと寝かせてくれよ。昨日遅かったんだ」
布団から顔を半分だけ出して、エリオットが呻くように言う。
「そうそう、カルナの笑い声がずっと頭の中に響いて眠れなかったんだ」
「なっ!」
その言葉にカルナは一瞬で真っ赤になり、たどたどしく弁明する。
「あっ、あれは、その、ウィスさんが、よく眠れるから、と、出してくれたウメシュを飲んだ、からで、まさか、隣の部屋まで……、聞こえていた、なんて……」
両手で顔を隠したカルナは座り込んでしまい、「もう飲みません……」と小さく言葉を漏らした。
「見えてきました。どうやらあの明かりがイツツクニの首都カミナトらしいです」
「魔王の気配はするか?」
「いいえ、そのような感じではないです。魔物も少ないような気がします」
「どっちにしろ、人々が困っていたら助けるんだろ」
「ええ、それが僕の使命ですから」
客船は小型船舶によって曳航され、カミナトの港へと着いた。無線を開発した国らしく瀟洒な建物が立ち並ぶ。近代的な街並みを、エリオットたちは田舎から出てきたような瞳で見つめていた。
「ほら、二人とも行くわよ」
「ああ、すまない」
「ウィス、その手に持っているものは何?」
「ああ、これ? ちょっとね。船の売店で買ったの」
「そうか……」
四人揃ったところで、客船の一階に降り、係留していた馬車の手綱を握った。
「さあ、休暇は終わりだ、行こうか」
入国審査局でビルダーナの許可証を見せると、すぐに別室に通された。
「勇者一行殿、ようこそイツツクニへ。私はタニヤ・フジと申します。この国で議員を務めています」
華奢な体躯に半白の髪、黒ぶち眼鏡のタニヤ・フジが応接間にて応対した。
「早速ですが、今、北西の村アタラに魔物が発生してまして、周辺の村民が被害を受けています。そして北の二カルス海峡へと続く道中にも魔物が出没しているとの噂です。こちらも民兵を投入したいのですが、先日豪雨が発生しまして手が回らないのです」
その豪雨はエリオットのせいではないか、とベルハルドとカルナは思惟した。
「そこで勇者たち御一行に魔物の殲滅をお願いしたいのです」
「はい、直ちに向かいます。そのアタラの魔物の情報などは入っていますか?」
「いいえ、詳細は把握していません。ただ三十体ほどの群れだそうで」
「分かりました、私たちに任せて下さい」
「お力添え出来なくて申し訳ない。よろしくお願いします」
エルサントでのエリオットたちの戦いが思ったよりも長引いたため、早めに放ってしまった魔物に村は本当に襲撃を受けていた。
「よし、早速向かおう!」
『ちょ、ちょっと待ってください、まだ着いたばかりで魔物の補充が……』
エリオットの意気込みに待ったをかけるように、トラステリアは時間稼ぎを要求してきた。狭い応接間の為、皆の会話は彼女にも聞こえている。
「エリオット、旅の疲れもあるだろうから、少しゆっくりしていこう」
その言葉にタニヤが返す。
「いえ、今本当に実害が出ていますので、なるべく早く殲滅をお願いしたいのです!」
『飼育所で補給して戻ってくるまで半日かかります。それまでどうか……』
「住民のために一刻も早く!」
『五時間、いや三時間だけ伸ばしてください!』
「ああー、もうっ!」突然キレたベルハルドに室内は静寂に包まれた。「早速、倒しに行きましょう! ほら、行くぞ!!」
「ベルハルドさん、何怒っているんですか?」
「怒ってない!」
「そんなにサシミが食べたかったの?」
「違う!」
憤るベルハルドが引っ張る形で、一行はアタラへと馬車を進めた。
「ああっ、もうっ! 何で脚本通りにいかないわけ!? 私は何のためにいるのよ! もう降りる!」
「まあまあ、島国だから、そう上手くいきませんよ。どうです? ここはイツツクニに任せて今日は我々、温泉にでも。ここは温泉が多いらしいですから」
「温泉……、温泉ならば……」
荒れるトラステリアを何とか宥め、シノビたちは温泉を満喫することにした。
旅の初日は全く魔物が出なかったものの、翌日から少しずつ街道沿いに現れだした。だがそれらの数は少なく、飼育が上手くいってないのだろう、とベルハルドは戦いながら感じていた。
そして入国審査局を出て五日目で件のアタラへと辿り着いた。
アタラに辿り着いた頃は夕日が沈むころだった。
「とりあえず時間もあれだし、村の酒場で情報を集めよう。夜に三十体も相手にするとケイトの光では心許ない」
「ごめんなさいね、力に慣れなくて」
不貞腐れるケイトを余所に、エリオットのその言葉に、三人も賛同する。
とりあえず宿屋を確保し、村に二軒ある酒場うちの一軒へと出かけた。
「村の端にミタミ神社という建物があるのだが、そこにいる大型の魔物が主だ。俺も遠くで見たのだが、五メートルはあった。他に何匹も子分を引き連れている。それが先月ぐらいから姿を現し、占拠しているのだ。もうすぐ四年に一回のミタミ祭があるってのに……」
「境内に巣くっていて、参拝者を襲うの。一人の狩人が討伐に向かったのだけど、返り討ちにあったみたい」
地元の民と酒をかわしながら、エリオットたちは情報を得ていた。
ベルハルドは刺し身ばかり食べている。
よっぽど気に入ったのだろうと、カルナは横目で見ていた。
「情報は集まりましたし、宿に戻りましょう」
「待った、エリオット。もうちょっと食べてから」
「はいはい。分かりました」
その夜、宿に戻ったエリオットとベルハルドは作戦会議をしていた。
「どのような魔物か分からないし、ここは色々な策を練って戦いに挑まねばな。前のようにいきなり目くらまし喰らったら俺も動けないし」
「そうですね。ウィスも呼んで策を練りましょうか」
(あははははは……)
その時、隣の部屋からカルナの笑い声が聞こえてきた。
「カルナ、酒が入っているな」
「あー、あの時ウィスが船で買った物って、お酒だったのか」
「ウィス、カルナの笑いを、かなり気に入っていたからな」
「寝酒とか言って、飲ませたのでしょう」
「とりあえず明日の朝だ。寝よう」
「そうですね」
薄い壁から漏れるカルナの笑い声を聞きながら、二人は布団にもぐりこんだ。
翌朝、早くにカルナとウィスはエリオットたちの部屋にやってきた。
「いつまで寝ているの? さあ、作戦会議しましょう」
「もうちょっと寝かせてくれよ。昨日遅かったんだ」
布団から顔を半分だけ出して、エリオットが呻くように言う。
「そうそう、カルナの笑い声がずっと頭の中に響いて眠れなかったんだ」
「なっ!」
その言葉にカルナは一瞬で真っ赤になり、たどたどしく弁明する。
「あっ、あれは、その、ウィスさんが、よく眠れるから、と、出してくれたウメシュを飲んだ、からで、まさか、隣の部屋まで……、聞こえていた、なんて……」
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