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初日
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丸一日、買い物や食事を街で楽しんだエリオットは、その日初めて街の宿屋に宿泊した。
「はあぁ~、食べた食べた」
鎧を脱ぎ、胃を膨らませて動けないエリオットは宿屋のベッドで横になった。ベルハルドは二人部屋、カルナは女性ということもあり隣の個室を使った。
「旅は、いつ頃始めるのかい?」
ベルハルドは少し呆れ顔で聞いた。
「この街はある程度回りましたし、明日にでも始めますよ。補助、回復役のカルナもいるし、せっかくだから色々なところを見て回りたいですし」
そう言って世界地図を広げる。
「そうか、じゃあ今日は早く寝なくちゃな」
「はい。お酒も初めて飲んだし、今日は早く寝ます」
エリオットはベッドで世界地図を見ているうちに寝息をかき始めた。
まだ、あどけなさが残る顔を見たベルハルドは、宿屋の一階に降り、そこのバーでもう数杯飲んで、また自室に戻った。
旅支度をしながらエリオットは呻く。
「ううっ……、なんか気分が悪い」
「昨日が初めての酒だったんだろ? 結構飲んでいたしね」
先に準備が終わったベルハルドは、隣の部屋にいるカルナを呼びに行った。
準備が終わったエリオットは、ベッドに無造作に置かれている世界地図を見ていた。ベルハルドがカルナを連れて戻ってきた頃、エリオットは地図を巻いて袋に入れる。
「よし、行こう」
まだ吐き気が残るエリオットは、小さなザックを背負って早速出発を促した。
三人はエリオットを先頭にビルダーナ王国の城下街を進み、西門までやってきた。
「西門? 東に行かないのかい?」
ベルハルドは問う。
「西の方に魔王の力を感じるんですよ」
その言葉にトラステリアは焦った。ビルダーナ王国の西には潮流の速いザルト海峡があるので、その線はないと思っていたからだ。トラステリアは、すでに魔物を入れた檻を東門に待機させていた。イツツクニ民主国から派遣されたシノビ二人も一緒だ。
「何とか東に向かわせられないのですか?」
『もうだめだ、歩き出している』
ベルハルドは小声で答える。
トラステリアは付き添うシノビたちに言った。
「急いで西に回りましょう!」
だが、魔物を十数体乗せた檻付きの馬車は機動力がなく、エリオットたちから徐々に離れていった。
「それにしても父さんが言っていたように、魔物が現れないですねー」
エリオットは、つまらなそうにぼやく。
「そうですね、どうしたのでしょう」
カルナが着る白い法衣にも無線機はつけられていた。
「こっちの方から邪悪な感じがするんだけどなー」
エリオットたちは徒歩で平原を越え、森林地帯へと入っていった。もうしばらく歩くとスワリ村に戻ってしまう。
「昨日、別れの挨拶したばかりだから父さんたちに会うのもなー」
そう言ってエリオットたちはスワリ村の入り口を通り過ぎた。
「そうだ、一つやってみたいことがあったんですよ!」
「やってみたいこと?」
「ザルト海峡を渡りましょう! 一回ザルト海峡の向こうにある大陸に行ってみたかったんです」
「ええっ!? ザルト海峡は流れが速く定期船もないぞ!」
「大丈夫、いい案があります!」
その気軽な言葉に、ベルハルドは嫌な予感しかしなかった。
徒歩で進んだため、ザルト海峡の海岸に辿り着いたのは、西日の輝度が落ち始めた頃だった。
「よし、今日はここで一泊しよう。そして朝一でザルト海峡、攻略だ!」
「女の子がいるのに、こんなところで野宿するのかい?」
「大丈夫です、テントを一つ家から持ってきましたから、カルナはそれで寝るといいよ」
「それで大丈夫かい、カルナ?」
「ええ、全然構いません。野宿も想定してましたので、テントがある分だけましです」
カルナは無表情で答えた。
それを確認したエリオットは、鼻歌まじりで白く朽ちた流木を集め始めた。
ベルハルドとカルナは薪を集めていると思い、手伝い始める。海岸にはかなりの流木が打ち上げられ、数には困らなかった。
エリオットは大きい流木を騎士剣で枝打ちしていく。夜を越すのに十分な枝が集まったが、エリオットはさらに作業を進める。
「もう、薪は良いんじゃないかい?」
「いや、もうちょっと」
「じゃあ、火を起こしてくれないか? 魔法ってやつが使えるんだろ」
一旦枝打ちを止めたエリオットは、ベルハルドとカルナがすでに組んでいる流木に向って、手から小さい炎を放ち、そして何事もなかったかのように再び作業を始めた。
「魔法って、実際に見るとすごいな!」
ベルハルドが驚く近くで、カルナは相変わらず無表情だった。
「よし、こんなものでいいか」
エリオットは作業を止め、騎士剣を納刀しながら焚火に近づく。黄昏時の世界の終末のような雰囲気がすでに周囲に漂っていた。ザルト海峡は既に暗い塊になって、波の音しか聞こえなかった。
カルナは背負っている、やや大きめのザックから小さなまな板を取り出し、今朝、市場で仕入れてきた食材で調理を始める。
「カルナが料理出来て良かったよ。エリオットも役に立ちそうにないしな」
「いえ、これぐらい……」
黒いアガスを包丁で切りながら答える。アガスをメインに色々な物を煮込み、簡素なスープを作り上げた。
ベルハルドは酒瓶を取り出し、一口飲んで次にスープを口に入れた。
「美味い! エリオットと一緒に世界を回ると聞かされたときは、干し肉の生活が続くと思っていたからな。本当に助かる」
「干し肉も入れています。いい出汁が出るんですよ」
少しずつカルナは心を開きはじめていた。
「そういえぱ、クラーレ先生も料理が上手だったな」
何気なく発したエリオットの言葉に、カルナは表情を固めてしまった。
「そう、ですか。義姉も料理を……」
その様子からベルハルドは禁句だと思惟したが、エリオットは美味しそうに料理を口に運んでいた。
カルナのスプーンが止まっていたが、ベルハルドは何事もなかったかのように彼女に話しかける。
「まあ、旅は始まったばかりだ。飲みながら楽しくいこう。カルナは飲めないのかい?」
「いいえ、私は飲みません。というか飲んだことがありません」
拒否はされたが、再びスープを飲み始めたカルナに、ベルハルドは少し安堵した。
旅は始まったばかりだが、この妙な空気にベルハルドは酔う事が出来なかった。思わず空を見上げる。焚火に対抗して姿を見せ始めた星々を眺めながら、ベルハルドは今日何度目か分からない溜息を小さく漏らした。
「はあぁ~、食べた食べた」
鎧を脱ぎ、胃を膨らませて動けないエリオットは宿屋のベッドで横になった。ベルハルドは二人部屋、カルナは女性ということもあり隣の個室を使った。
「旅は、いつ頃始めるのかい?」
ベルハルドは少し呆れ顔で聞いた。
「この街はある程度回りましたし、明日にでも始めますよ。補助、回復役のカルナもいるし、せっかくだから色々なところを見て回りたいですし」
そう言って世界地図を広げる。
「そうか、じゃあ今日は早く寝なくちゃな」
「はい。お酒も初めて飲んだし、今日は早く寝ます」
エリオットはベッドで世界地図を見ているうちに寝息をかき始めた。
まだ、あどけなさが残る顔を見たベルハルドは、宿屋の一階に降り、そこのバーでもう数杯飲んで、また自室に戻った。
旅支度をしながらエリオットは呻く。
「ううっ……、なんか気分が悪い」
「昨日が初めての酒だったんだろ? 結構飲んでいたしね」
先に準備が終わったベルハルドは、隣の部屋にいるカルナを呼びに行った。
準備が終わったエリオットは、ベッドに無造作に置かれている世界地図を見ていた。ベルハルドがカルナを連れて戻ってきた頃、エリオットは地図を巻いて袋に入れる。
「よし、行こう」
まだ吐き気が残るエリオットは、小さなザックを背負って早速出発を促した。
三人はエリオットを先頭にビルダーナ王国の城下街を進み、西門までやってきた。
「西門? 東に行かないのかい?」
ベルハルドは問う。
「西の方に魔王の力を感じるんですよ」
その言葉にトラステリアは焦った。ビルダーナ王国の西には潮流の速いザルト海峡があるので、その線はないと思っていたからだ。トラステリアは、すでに魔物を入れた檻を東門に待機させていた。イツツクニ民主国から派遣されたシノビ二人も一緒だ。
「何とか東に向かわせられないのですか?」
『もうだめだ、歩き出している』
ベルハルドは小声で答える。
トラステリアは付き添うシノビたちに言った。
「急いで西に回りましょう!」
だが、魔物を十数体乗せた檻付きの馬車は機動力がなく、エリオットたちから徐々に離れていった。
「それにしても父さんが言っていたように、魔物が現れないですねー」
エリオットは、つまらなそうにぼやく。
「そうですね、どうしたのでしょう」
カルナが着る白い法衣にも無線機はつけられていた。
「こっちの方から邪悪な感じがするんだけどなー」
エリオットたちは徒歩で平原を越え、森林地帯へと入っていった。もうしばらく歩くとスワリ村に戻ってしまう。
「昨日、別れの挨拶したばかりだから父さんたちに会うのもなー」
そう言ってエリオットたちはスワリ村の入り口を通り過ぎた。
「そうだ、一つやってみたいことがあったんですよ!」
「やってみたいこと?」
「ザルト海峡を渡りましょう! 一回ザルト海峡の向こうにある大陸に行ってみたかったんです」
「ええっ!? ザルト海峡は流れが速く定期船もないぞ!」
「大丈夫、いい案があります!」
その気軽な言葉に、ベルハルドは嫌な予感しかしなかった。
徒歩で進んだため、ザルト海峡の海岸に辿り着いたのは、西日の輝度が落ち始めた頃だった。
「よし、今日はここで一泊しよう。そして朝一でザルト海峡、攻略だ!」
「女の子がいるのに、こんなところで野宿するのかい?」
「大丈夫です、テントを一つ家から持ってきましたから、カルナはそれで寝るといいよ」
「それで大丈夫かい、カルナ?」
「ええ、全然構いません。野宿も想定してましたので、テントがある分だけましです」
カルナは無表情で答えた。
それを確認したエリオットは、鼻歌まじりで白く朽ちた流木を集め始めた。
ベルハルドとカルナは薪を集めていると思い、手伝い始める。海岸にはかなりの流木が打ち上げられ、数には困らなかった。
エリオットは大きい流木を騎士剣で枝打ちしていく。夜を越すのに十分な枝が集まったが、エリオットはさらに作業を進める。
「もう、薪は良いんじゃないかい?」
「いや、もうちょっと」
「じゃあ、火を起こしてくれないか? 魔法ってやつが使えるんだろ」
一旦枝打ちを止めたエリオットは、ベルハルドとカルナがすでに組んでいる流木に向って、手から小さい炎を放ち、そして何事もなかったかのように再び作業を始めた。
「魔法って、実際に見るとすごいな!」
ベルハルドが驚く近くで、カルナは相変わらず無表情だった。
「よし、こんなものでいいか」
エリオットは作業を止め、騎士剣を納刀しながら焚火に近づく。黄昏時の世界の終末のような雰囲気がすでに周囲に漂っていた。ザルト海峡は既に暗い塊になって、波の音しか聞こえなかった。
カルナは背負っている、やや大きめのザックから小さなまな板を取り出し、今朝、市場で仕入れてきた食材で調理を始める。
「カルナが料理出来て良かったよ。エリオットも役に立ちそうにないしな」
「いえ、これぐらい……」
黒いアガスを包丁で切りながら答える。アガスをメインに色々な物を煮込み、簡素なスープを作り上げた。
ベルハルドは酒瓶を取り出し、一口飲んで次にスープを口に入れた。
「美味い! エリオットと一緒に世界を回ると聞かされたときは、干し肉の生活が続くと思っていたからな。本当に助かる」
「干し肉も入れています。いい出汁が出るんですよ」
少しずつカルナは心を開きはじめていた。
「そういえぱ、クラーレ先生も料理が上手だったな」
何気なく発したエリオットの言葉に、カルナは表情を固めてしまった。
「そう、ですか。義姉も料理を……」
その様子からベルハルドは禁句だと思惟したが、エリオットは美味しそうに料理を口に運んでいた。
カルナのスプーンが止まっていたが、ベルハルドは何事もなかったかのように彼女に話しかける。
「まあ、旅は始まったばかりだ。飲みながら楽しくいこう。カルナは飲めないのかい?」
「いいえ、私は飲みません。というか飲んだことがありません」
拒否はされたが、再びスープを飲み始めたカルナに、ベルハルドは少し安堵した。
旅は始まったばかりだが、この妙な空気にベルハルドは酔う事が出来なかった。思わず空を見上げる。焚火に対抗して姿を見せ始めた星々を眺めながら、ベルハルドは今日何度目か分からない溜息を小さく漏らした。
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