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赤い煙
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ホラー書きとして残念なことに、作者は霊感がありません。
ひとつ、霊感を持つ方のエピソードをご紹介します。
ーーーーーーーー
5階建てのビルから飛び降りようとしている男がいた。
Nさんは付近で道路工事をする作業員だった。
思い詰めたような顔をしたスーツ姿の男が大庇の縁に立って、下を見下ろしていた。
周りの皆んなは盛んに
「考え直せ」「降りてこい」
と口々に説得していた。
男は始め無言だったが、次第に涙し始め、屋上から説得にかかっている人間の言葉に耳を傾けていた。
男は説得されたのだろう。
踵を返し、屋上の中心へ戻ろうとしていた。
その時だった。
赤色の煙のようなものが漂ってきた。
煙は人間の形をしていて、何となく人間のような顔も持っていた。
男にスッと同化した。
男は、その瞬間振り返り、今度は猛然と走り出すと、大庇から飛び降りた。
やじうまからおぞましい悲鳴が上がり、まもなく男は地面と激突した。
無惨な死に方だった。
悲鳴が止まない中、Nさんは好奇心から見続けたらしい。
すると、倒れた男から赤い煙のような人影が出てきて、風に拭き散らかされように消え去った。
消える間際、その赤い煙の顔は笑っているように見えたという。
警察や消防車が来て、大騒ぎになった。
野次馬たちは
「説得に成功したと思ったんだけどなぁ…やめると思ったのに。」
と口にしていた。
その後、Nさんは周囲の人に「赤い人型の煙」が見えたか聞いて回った。
Nさんの他に見たものはいなかった。
【おわり】
ひとつ、霊感を持つ方のエピソードをご紹介します。
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5階建てのビルから飛び降りようとしている男がいた。
Nさんは付近で道路工事をする作業員だった。
思い詰めたような顔をしたスーツ姿の男が大庇の縁に立って、下を見下ろしていた。
周りの皆んなは盛んに
「考え直せ」「降りてこい」
と口々に説得していた。
男は始め無言だったが、次第に涙し始め、屋上から説得にかかっている人間の言葉に耳を傾けていた。
男は説得されたのだろう。
踵を返し、屋上の中心へ戻ろうとしていた。
その時だった。
赤色の煙のようなものが漂ってきた。
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男にスッと同化した。
男は、その瞬間振り返り、今度は猛然と走り出すと、大庇から飛び降りた。
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すると、倒れた男から赤い煙のような人影が出てきて、風に拭き散らかされように消え去った。
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「説得に成功したと思ったんだけどなぁ…やめると思ったのに。」
と口にしていた。
その後、Nさんは周囲の人に「赤い人型の煙」が見えたか聞いて回った。
Nさんの他に見たものはいなかった。
【おわり】
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