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六章
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サラーナは痛さに立っていられなくて咄嗟に床に手を付いてその場に蹲った。
「ううっ……はぁ、はぁ、はぁ、うっ、ううっ……」
サグイスはすぐにサラーナの元へ駆け寄った。
「サラーナ!」
エリールは他の侍女に声をかけた。
「ラディウス医師に寝室来くるように伝えて! サラーナ様の破水が始まったと、急いで」
「かしこまりました」
エリールはサグイスに申し出た。
「陛下サラーナ様を寝室までお願いできますでしょうか?」
「ああ、わかった」
サグイスはサラーナを抱き上げた。そのまま寝室に入るとラディウスが急いでお産の準備を終えて待っていた。
サラーナはサグイスの寝巻きの上着を握って「んんっーー」「ふぅーーっ」と呼吸を何回も繰り返している。準備ができたベッドの上でサグイスはゆっくりとサラーナを横に寝かせるとサラーナの顔からは汗が滲み出ていた。
「陛下は外でお待ちください」
「ラディウス、サラーナと双子を頼む」
そう言いサグイスはサラーナの苦しい顔を見てたら寝室の扉が閉められた。
扉越しからはサラーナの苦しい痛々しい声が聞こえてくる。
(サラーナ、頑張ってくれ)
「陛下、私たちは書斎室で待ちましょう」
ドルークに言われて書斎室で待つことにした。
寝室の中でラディウスはサラーナの足を広げて足元からサラーナを見ながら声をかけた。
「よし、サラーナ様、痛みがきたら息んでください!」
サラーナは痛みに耐えながらも頷くと痛みが来て力いっぱいに息んだ。
「うっ、んんっーーーー!」
何度も強く息を吐くと男の子が産まれ、そしてまた少ししてから痛みが押し寄せて数回息を吐くと女の子が産まれた。
ラディウスは笑顔でサラーナに声をかけた。
「サラーナ様、おめでとうございます。 元気な男の子と女の子ですよ」
ラディウスに言われてサラーナは双子の産声を聞き、少ししてからサラーナの胸の上に双子を抱いた。
「生まれて来てくれて、ありがとう」
サラーナは双子を抱きしめながらそっと涙を流した。処置が終わり、サラーナの横で双子が寝ている隣でサラーナは強い睡魔が押し寄せてきた。
「サラーナ様、私は陛下にご報告をして参りますのでサラーナ様は少しはお休みになってください。また、様子を見にきます」
ラディウスが出ていくのを見てサラーナは双子の赤ちゃんの手を握り強い眠気に吸い込まれるように眠りについた。
書斎室で待つこと数時間後、書斎室にラディウスがやって来た。
「ラディウス、サラーナと双子はどうだ!?」
「陛下、おめでとうございます。 無事に男の子と女の子の双子が産まれました」
「ほんとか、ああ、良かった」
「それと、寝室でサラーナ様と双子の赤ちゃんが寝ていらっしゃいますので起こさないでやってくださいませ」
「分かった、ラディウス、良くやってくれた。 礼を言う」
「陛下、ありがとうございます」
サグイスがそっと寝室に入ると、サラーナは産まれたばかりの双子と寝ていた。サラーナの頭をそっと撫でるとサラーナは目を覚ましてしまった。
「悪いサラーナ、起こしてしまったな」
「大丈夫よ」
「よく頑張ったな、サラーナ」
「サグイス」
双子が寝ている横目で二人は触れるだけのキスを交わした。
サラーナが付けた第一皇子の名はレジェン、サグイスが付けた第一皇女の名はクロシェと名付けられた。
「ううっ……はぁ、はぁ、はぁ、うっ、ううっ……」
サグイスはすぐにサラーナの元へ駆け寄った。
「サラーナ!」
エリールは他の侍女に声をかけた。
「ラディウス医師に寝室来くるように伝えて! サラーナ様の破水が始まったと、急いで」
「かしこまりました」
エリールはサグイスに申し出た。
「陛下サラーナ様を寝室までお願いできますでしょうか?」
「ああ、わかった」
サグイスはサラーナを抱き上げた。そのまま寝室に入るとラディウスが急いでお産の準備を終えて待っていた。
サラーナはサグイスの寝巻きの上着を握って「んんっーー」「ふぅーーっ」と呼吸を何回も繰り返している。準備ができたベッドの上でサグイスはゆっくりとサラーナを横に寝かせるとサラーナの顔からは汗が滲み出ていた。
「陛下は外でお待ちください」
「ラディウス、サラーナと双子を頼む」
そう言いサグイスはサラーナの苦しい顔を見てたら寝室の扉が閉められた。
扉越しからはサラーナの苦しい痛々しい声が聞こえてくる。
(サラーナ、頑張ってくれ)
「陛下、私たちは書斎室で待ちましょう」
ドルークに言われて書斎室で待つことにした。
寝室の中でラディウスはサラーナの足を広げて足元からサラーナを見ながら声をかけた。
「よし、サラーナ様、痛みがきたら息んでください!」
サラーナは痛みに耐えながらも頷くと痛みが来て力いっぱいに息んだ。
「うっ、んんっーーーー!」
何度も強く息を吐くと男の子が産まれ、そしてまた少ししてから痛みが押し寄せて数回息を吐くと女の子が産まれた。
ラディウスは笑顔でサラーナに声をかけた。
「サラーナ様、おめでとうございます。 元気な男の子と女の子ですよ」
ラディウスに言われてサラーナは双子の産声を聞き、少ししてからサラーナの胸の上に双子を抱いた。
「生まれて来てくれて、ありがとう」
サラーナは双子を抱きしめながらそっと涙を流した。処置が終わり、サラーナの横で双子が寝ている隣でサラーナは強い睡魔が押し寄せてきた。
「サラーナ様、私は陛下にご報告をして参りますのでサラーナ様は少しはお休みになってください。また、様子を見にきます」
ラディウスが出ていくのを見てサラーナは双子の赤ちゃんの手を握り強い眠気に吸い込まれるように眠りについた。
書斎室で待つこと数時間後、書斎室にラディウスがやって来た。
「ラディウス、サラーナと双子はどうだ!?」
「陛下、おめでとうございます。 無事に男の子と女の子の双子が産まれました」
「ほんとか、ああ、良かった」
「それと、寝室でサラーナ様と双子の赤ちゃんが寝ていらっしゃいますので起こさないでやってくださいませ」
「分かった、ラディウス、良くやってくれた。 礼を言う」
「陛下、ありがとうございます」
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「悪いサラーナ、起こしてしまったな」
「大丈夫よ」
「よく頑張ったな、サラーナ」
「サグイス」
双子が寝ている横目で二人は触れるだけのキスを交わした。
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