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六章
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サグイスはドルークに問いかけた。
「俺の言い方が間違ってたのか?」
「陛下は業務や会談では物事をはっきりと言いますがサラーナ様の前になると言葉足らずの所がおありです」
「ただ俺はサラーナの血を毎日飲んで俺の隣にサラーナが居てくれるだけでも幸せなんだと言いたかったんだが」
サグイスは自分の言動に苦笑いをした。
「今話した事を直接サラーナ様に伝えたらいいのでは? そして今のこれからは何でもはっきりとサラーナ様に伝えるのがよろしいかと」
「ありがとうな、ドルーク」
「いえ、私は陛下の味方でありサラーナ様の味方でもありますのでお二人とも仲良くして頂かないといけませんからね」
「それもそうだな」
ドルークと話をしていると寝室の扉が開いた。 そしてエリールが入ってきた後ろにサラーナがいた。
「サラーナ……!」
「……サグイス」
サラーナはサグイスの前まで歩いて止まる。
「ごめんなさい、サグイス。 貴方の言葉を最後まで聞かずに私、枕を投げたりしてごめんなさい」
サラーナはサグイスに頭を下げた。
「いいんだ、サラーナは悪くない。 俺が上手くサラーナに伝えようとしなかったからだ。 だから顔を上げてくれ」
そう言うとサラーナはゆっくり顔を上げた。 そしてサグイスはもう一度自分の気持ちをサラーナに伝えることにした。
「俺はサラーナの血を毎日飲んで俺の隣にサラーナが笑って居てくれるだけで幸せなんだ」
「サグイス、私もサグイスが隣にいてくれるだけでも幸せなのよ」
するとサグイスはドルークとエリール、サラーナの前で宣言をした。
「これからは言いたいことをはっきりとサラーナに言うことにする。 いいか?」
「それじゃ、私もはっきりとサグイスに言うことにするわ」
ドルークとエリールは見ないようにと後ろを向いた。 そして私たちは微笑みながら抱きしめたのだった。
「ねぇ、サグイス。 私、王国で必要な学びや作法を覚えたいの」
「それなら俺が教えてやろうか」
「サグイスの業務の邪魔をしたくないわ」
「サラーナなら業務の邪魔では無いけどな」
二人で話していると、ドルークが話の途中に入ってきた。
「いいえ、陛下は業務に集中して下さい。学びや作法等はエリールの方がよろしいかと」
「エリーが学びや作法を教えてくださるかしら?」
「はい」
「よろしくな、エリール侍女長」
「はい、かしこまりーーえっ、今なんと……?」
「エリーが侍女長?」
サグイス、ドルークを除いてエリールとサラーナの頭の上には?がついていた。サグイスは落ち着いてわかるように説明をした。
「言ってなかったか、俺の妃に付く侍女はエリールと決まっていたんだ」
「それはどうして?」
「ラディウスが話していただろう、俺の仕えるのがドルークで未来の妃に仕えるのがエリールと。 それで俺の妃はサラーナだ。 だからこれからもエリールはサラーナを仕える侍女ではなく侍女長とする」
エリールは床に膝をついて頭を下げた。
「陛下、ありがたきお言葉をありがとうございます」
「エリー、おめでとう」
「はい、ありがとうございます。 サラーナ様」
この日からサラーナはエリールに王国で必要なことを学び日々頑張っている。 そしてお互いの気持ちがすれ違っていた二人は「言いたいことははっきりと言う」ことを約束してからは毎晩サグイスからサラーナの血を求めて毎晩身体を重ねては朝を迎えることが増えた。
少しずつサラーナは王国の学びも作法も完璧でサグイスの公務を少しだけやれることを手伝っている。そんな中サラーナは左腕の傷は治ったものの傷跡が薄らと残ってしまった。
秋の終わりを迎える時期から体調を崩してしまい長引いてる。
「サラーナ、大丈夫か?」
「少し疲れが溜まっちゃったのかもしれないわ。 横になれば大丈夫だと思うから心配はしないで」
最近は食べても飲んでも吐いてしまい、サラーナは思いがけないことが一つだけあった。
「俺の言い方が間違ってたのか?」
「陛下は業務や会談では物事をはっきりと言いますがサラーナ様の前になると言葉足らずの所がおありです」
「ただ俺はサラーナの血を毎日飲んで俺の隣にサラーナが居てくれるだけでも幸せなんだと言いたかったんだが」
サグイスは自分の言動に苦笑いをした。
「今話した事を直接サラーナ様に伝えたらいいのでは? そして今のこれからは何でもはっきりとサラーナ様に伝えるのがよろしいかと」
「ありがとうな、ドルーク」
「いえ、私は陛下の味方でありサラーナ様の味方でもありますのでお二人とも仲良くして頂かないといけませんからね」
「それもそうだな」
ドルークと話をしていると寝室の扉が開いた。 そしてエリールが入ってきた後ろにサラーナがいた。
「サラーナ……!」
「……サグイス」
サラーナはサグイスの前まで歩いて止まる。
「ごめんなさい、サグイス。 貴方の言葉を最後まで聞かずに私、枕を投げたりしてごめんなさい」
サラーナはサグイスに頭を下げた。
「いいんだ、サラーナは悪くない。 俺が上手くサラーナに伝えようとしなかったからだ。 だから顔を上げてくれ」
そう言うとサラーナはゆっくり顔を上げた。 そしてサグイスはもう一度自分の気持ちをサラーナに伝えることにした。
「俺はサラーナの血を毎日飲んで俺の隣にサラーナが笑って居てくれるだけで幸せなんだ」
「サグイス、私もサグイスが隣にいてくれるだけでも幸せなのよ」
するとサグイスはドルークとエリール、サラーナの前で宣言をした。
「これからは言いたいことをはっきりとサラーナに言うことにする。 いいか?」
「それじゃ、私もはっきりとサグイスに言うことにするわ」
ドルークとエリールは見ないようにと後ろを向いた。 そして私たちは微笑みながら抱きしめたのだった。
「ねぇ、サグイス。 私、王国で必要な学びや作法を覚えたいの」
「それなら俺が教えてやろうか」
「サグイスの業務の邪魔をしたくないわ」
「サラーナなら業務の邪魔では無いけどな」
二人で話していると、ドルークが話の途中に入ってきた。
「いいえ、陛下は業務に集中して下さい。学びや作法等はエリールの方がよろしいかと」
「エリーが学びや作法を教えてくださるかしら?」
「はい」
「よろしくな、エリール侍女長」
「はい、かしこまりーーえっ、今なんと……?」
「エリーが侍女長?」
サグイス、ドルークを除いてエリールとサラーナの頭の上には?がついていた。サグイスは落ち着いてわかるように説明をした。
「言ってなかったか、俺の妃に付く侍女はエリールと決まっていたんだ」
「それはどうして?」
「ラディウスが話していただろう、俺の仕えるのがドルークで未来の妃に仕えるのがエリールと。 それで俺の妃はサラーナだ。 だからこれからもエリールはサラーナを仕える侍女ではなく侍女長とする」
エリールは床に膝をついて頭を下げた。
「陛下、ありがたきお言葉をありがとうございます」
「エリー、おめでとう」
「はい、ありがとうございます。 サラーナ様」
この日からサラーナはエリールに王国で必要なことを学び日々頑張っている。 そしてお互いの気持ちがすれ違っていた二人は「言いたいことははっきりと言う」ことを約束してからは毎晩サグイスからサラーナの血を求めて毎晩身体を重ねては朝を迎えることが増えた。
少しずつサラーナは王国の学びも作法も完璧でサグイスの公務を少しだけやれることを手伝っている。そんな中サラーナは左腕の傷は治ったものの傷跡が薄らと残ってしまった。
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「サラーナ、大丈夫か?」
「少し疲れが溜まっちゃったのかもしれないわ。 横になれば大丈夫だと思うから心配はしないで」
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