ヴァンパイア陛下は森の中に住む女性に恋に落ちる。

藍田 のひか

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四章

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 オウラとアネシーの冬の休暇の順番が回って来たのは年が明けた二月。夏の休暇を終えたドルークとエリールからは冬の休暇は王国に残ると聞いていた。

 寒い季節に休暇を取るのは初めてで、しかも夏の休暇と違い五日間一緒に過ごせるのが何よりも嬉しかった。

 二人はバラバラに王国を出て家へと向かった。家に着いた二人はカバンを置いてから歩きながら手を繋いで城下市に向かった。

「今から五日分の食材を買うけどアネシー、何が食べたい?」

「寒いから温かいもの・・・・・・ビーフシチューはどうかしら」

「よし、ビーフシチューの材料は買うとして、あとはアレンジが出来る食材にワイン・・・・・・アネシーはワイン飲めるか?」

「一度は飲んでみたいわね」

「飲んだことないのか?」

「王国で働いたのは十六歳だからまだお酒を飲める年齢ではなかったのよ。 オウラはお酒飲めるの?」

「ああ、飲めるよ」

「そっか、じゃあ一緒にお酒が飲めるわね」

「そうだな」

 他にも必要なものを買って二人は家へと帰る。久しぶりに家でオウラとアネシーは掃除をすることにした。

「冬で寒いし水が冷たいけど今、掃除をすれば残りの休みの日に掃除はしなくて済むわ」

「そうだな」

 冬の掃除は水が冷たくて手が霜焼けにならないように水を火で沸かして適度な温度にした水を使いながら寒い冬も掃除がスムーズにできる。

「掃除はどこをやるんだ?」

「階段、床ふきぐらいね。 他は綺麗なままだったからやらなくて大丈夫よ」

 アネシーの言葉に従ってオウラは階段を水拭きをして、アネシーは床ふきをすることにした。

「オウラ、換気で寝室の扉を開けてもいいかしら?」

「ああ、俺が開けてくるよ」

 そう言いオウラは寝室に入って行ったが直ぐに寝室から出てきたオウラは「あー寒い」と呟いた。

「オウラ、倉庫から薪ストーブを持ってきたらどうかしら」

「薪ストーブか、持ってくるわ」

 ウッドハウスだからといって家の中を換気してる時でさえ凍えてしまい最悪の場合は……と考えてしまう。

「アネシー、薪ストーブはどこに置くんだ」

 オウラのどこかに薪ストーブの長い筒が突き出る場所があるはず。 二人して天井を見ながら探していると玄関の隣の天井の一部に蓋が付いている。

「オウラ、ここだけ天井に蓋が付いているけど」

 オウラは椅子を持ってきてその上に乗り天井の蓋を開けた。 すると蓋を取ると屋根を抜けて空がはっきりと見えた。

「この真下に薪ストーブを置けばいいんだわ」

「そうだな、早速準備をするよ」

 オウラと一緒に薪ストーブを置いて長い筒が屋根から突き出るのを外から確認をしてあとは薪を用意するだけ。

「城下市で薪を売っていた場所があったはずだよな」

「ええ、確かあったわね」

「今から薪を買ってくるからアネシーは待っててくれ」

「ええ、わかったわ」

 オウラは走って行ってしまった。
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