29 / 60
四章
13
しおりを挟む
アネシーがタオルで髪を乾かしながらシャワー室を出るとオウラはスープの味見をしていた。
「ん、これでよし」
「いい匂いね」
するとオウラはアネシーの口元にスプーンを差し出した。 アネシーはスープを啜った。
「美味しいわ!」
「よかった」
それじゃ俺もシャワーを浴びてくる。 そういいオウラはそのままシャワー室へ行ってしまった。
アネシーがドライヤーで髪を乾かし終えるとオウラは上半身裸で下半身はタオルを腰に巻いてシャワー室から出てきた。
「ど、どうして何も来てないのよ!?」
「寝巻きの用意を忘れたんだ」
「もう……早く何かを着て!」
「そんな怒らなくてもいいだろう、お互いに」
「それは……」
昨日お互いに昼間から抱き合ったことを思い出してしまってアネシーは顔が赤くなった。
オウラは無言で寝室に入って行った。直ぐに寝室から出て来たオウラは小声で「髪、やってくれないか」とアネシーに伝えた。
アネシーは無言でドライヤーでオウラの髪を慣れた手つきで乾かし始めた。
オウラの髪は短くて細い髪質。数分で髪を乾かし終えるとオウラの髪はサラサラしている。
「終わったわよ」
「ありがとう」と言いながらオウラはアネシーのお腹を抱きしめた。
「ちょっと、どうしたのよ」
「なんでもない。 ただ、明日には王国に戻らないと行けないんだなっと思って」
「王国に戻っても休憩の時に会えるじゃない」
「アネシー」
ふと名前を呼ばれて下を向くとオウラの唇と重なるも直ぐに離れた。
「それもそうだな」
オウラはアネシーの顔を見ながらニヤリと笑った。
夕食はパンと野菜スープ。 パンは少しだけ表面を焼いて食べることにしてスープは明日の朝の分を残して休暇最後の夕食を過ごした。
あとは寝るだけで二人はベッドに入る。
「おやすみ、アネシー」
「おやすみ、オウラ」
オウラはアネシーを抱き寄せ、アネシーはピッタリとオウラにくっついて目を瞑った。
太陽の日差しが寝室を照らしてオウラは眩しくて目を覚ました。 まだ寝ているアネシーの頭を撫でてから寝室を出て下に降りて時計を見た。
すると時計の針が七時、八時ではなく十一時を指している。
「やばい、寝すぎた。 アネシーを起こさないと、あっ朝食兼昼食は寝室で食べよう」
オウラは素早く朝食の用意をして寝室まで持っていくことにする。 そしてアネシーの耳元で呼びかけた。
「アネシー、起きろ、もう昼になるぞ」
だがアネシーは返答がなくまだ夢の中にいる。
「アネシー侍女長起きてください」
するとアネシーは「侍女長」の言葉で目を開けて起きた。
「おはようございま、す……」
「おはよう、アネシー」
「二人きりの時は侍女長って言わないでほしいわ」
アネシーは侍女長と呼ばれてなんだかムスッとしていた。
オウラはアネシーに作ったサンドイッチとスープを手渡した。
「でもそう言わないと起きないだろ。 はい、サンドイッチとスープ」
「それはそうだけど…… ありがとう」
「ああ、食べて少ししてからここを出ないと」
「今、何時?」
「俺もさっき起きたばかりで時計を見たら十一時だった」
二人で朝食兼昼食を食べてベッドから降りた。
「ごちそうさま、それにしてもよく寝れたわ!」
「まぁ、明日から規則正しい生活が待ってるけどな」
「そうね」
アネシーは先に寝巻きから軽装に着替えて髪も侍女長の時にしている髪型にまとめてる時にオウラが戻ってきて手早く着替えた。
「オウラ、ここを何時頃出るの?」
「夕方前には出ようかなと思ってる」
「わかったわ」
ゆっくりしても時間は過ぎていきそろそろ家を出る時間になった。
「アネシー、忘れ物はないか?」
「大丈夫よ、きちんとカバンの中身を確認したわ」
二人で家を出てオウラが家に鍵をかけた。 アネシーはオウラにもう一つの鍵を返そうとした。
「オウラ、鍵を返すわ」
「いや、家の鍵はお互いの持っていよう。 次の休暇のとき先に家で待っててくれる嬉しいんだけど嫌か?」
「確かにそれもそうね、家の中で誰かが待っててくれると嬉しいわよね」
二人はカバンを持って少し離れた位置で歩いて夕方になる前にオウラとアネシーは王国に戻っていった。
「ん、これでよし」
「いい匂いね」
するとオウラはアネシーの口元にスプーンを差し出した。 アネシーはスープを啜った。
「美味しいわ!」
「よかった」
それじゃ俺もシャワーを浴びてくる。 そういいオウラはそのままシャワー室へ行ってしまった。
アネシーがドライヤーで髪を乾かし終えるとオウラは上半身裸で下半身はタオルを腰に巻いてシャワー室から出てきた。
「ど、どうして何も来てないのよ!?」
「寝巻きの用意を忘れたんだ」
「もう……早く何かを着て!」
「そんな怒らなくてもいいだろう、お互いに」
「それは……」
昨日お互いに昼間から抱き合ったことを思い出してしまってアネシーは顔が赤くなった。
オウラは無言で寝室に入って行った。直ぐに寝室から出て来たオウラは小声で「髪、やってくれないか」とアネシーに伝えた。
アネシーは無言でドライヤーでオウラの髪を慣れた手つきで乾かし始めた。
オウラの髪は短くて細い髪質。数分で髪を乾かし終えるとオウラの髪はサラサラしている。
「終わったわよ」
「ありがとう」と言いながらオウラはアネシーのお腹を抱きしめた。
「ちょっと、どうしたのよ」
「なんでもない。 ただ、明日には王国に戻らないと行けないんだなっと思って」
「王国に戻っても休憩の時に会えるじゃない」
「アネシー」
ふと名前を呼ばれて下を向くとオウラの唇と重なるも直ぐに離れた。
「それもそうだな」
オウラはアネシーの顔を見ながらニヤリと笑った。
夕食はパンと野菜スープ。 パンは少しだけ表面を焼いて食べることにしてスープは明日の朝の分を残して休暇最後の夕食を過ごした。
あとは寝るだけで二人はベッドに入る。
「おやすみ、アネシー」
「おやすみ、オウラ」
オウラはアネシーを抱き寄せ、アネシーはピッタリとオウラにくっついて目を瞑った。
太陽の日差しが寝室を照らしてオウラは眩しくて目を覚ました。 まだ寝ているアネシーの頭を撫でてから寝室を出て下に降りて時計を見た。
すると時計の針が七時、八時ではなく十一時を指している。
「やばい、寝すぎた。 アネシーを起こさないと、あっ朝食兼昼食は寝室で食べよう」
オウラは素早く朝食の用意をして寝室まで持っていくことにする。 そしてアネシーの耳元で呼びかけた。
「アネシー、起きろ、もう昼になるぞ」
だがアネシーは返答がなくまだ夢の中にいる。
「アネシー侍女長起きてください」
するとアネシーは「侍女長」の言葉で目を開けて起きた。
「おはようございま、す……」
「おはよう、アネシー」
「二人きりの時は侍女長って言わないでほしいわ」
アネシーは侍女長と呼ばれてなんだかムスッとしていた。
オウラはアネシーに作ったサンドイッチとスープを手渡した。
「でもそう言わないと起きないだろ。 はい、サンドイッチとスープ」
「それはそうだけど…… ありがとう」
「ああ、食べて少ししてからここを出ないと」
「今、何時?」
「俺もさっき起きたばかりで時計を見たら十一時だった」
二人で朝食兼昼食を食べてベッドから降りた。
「ごちそうさま、それにしてもよく寝れたわ!」
「まぁ、明日から規則正しい生活が待ってるけどな」
「そうね」
アネシーは先に寝巻きから軽装に着替えて髪も侍女長の時にしている髪型にまとめてる時にオウラが戻ってきて手早く着替えた。
「オウラ、ここを何時頃出るの?」
「夕方前には出ようかなと思ってる」
「わかったわ」
ゆっくりしても時間は過ぎていきそろそろ家を出る時間になった。
「アネシー、忘れ物はないか?」
「大丈夫よ、きちんとカバンの中身を確認したわ」
二人で家を出てオウラが家に鍵をかけた。 アネシーはオウラにもう一つの鍵を返そうとした。
「オウラ、鍵を返すわ」
「いや、家の鍵はお互いの持っていよう。 次の休暇のとき先に家で待っててくれる嬉しいんだけど嫌か?」
「確かにそれもそうね、家の中で誰かが待っててくれると嬉しいわよね」
二人はカバンを持って少し離れた位置で歩いて夕方になる前にオウラとアネシーは王国に戻っていった。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる