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四章
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アネシーがタオルで髪を乾かしながらシャワー室を出るとオウラはスープの味見をしていた。
「ん、これでよし」
「いい匂いね」
するとオウラはアネシーの口元にスプーンを差し出した。 アネシーはスープを啜った。
「美味しいわ!」
「よかった」
それじゃ俺もシャワーを浴びてくる。 そういいオウラはそのままシャワー室へ行ってしまった。
アネシーがドライヤーで髪を乾かし終えるとオウラは上半身裸で下半身はタオルを腰に巻いてシャワー室から出てきた。
「ど、どうして何も来てないのよ!?」
「寝巻きの用意を忘れたんだ」
「もう……早く何かを着て!」
「そんな怒らなくてもいいだろう、お互いに」
「それは……」
昨日お互いに昼間から抱き合ったことを思い出してしまってアネシーは顔が赤くなった。
オウラは無言で寝室に入って行った。直ぐに寝室から出て来たオウラは小声で「髪、やってくれないか」とアネシーに伝えた。
アネシーは無言でドライヤーでオウラの髪を慣れた手つきで乾かし始めた。
オウラの髪は短くて細い髪質。数分で髪を乾かし終えるとオウラの髪はサラサラしている。
「終わったわよ」
「ありがとう」と言いながらオウラはアネシーのお腹を抱きしめた。
「ちょっと、どうしたのよ」
「なんでもない。 ただ、明日には王国に戻らないと行けないんだなっと思って」
「王国に戻っても休憩の時に会えるじゃない」
「アネシー」
ふと名前を呼ばれて下を向くとオウラの唇と重なるも直ぐに離れた。
「それもそうだな」
オウラはアネシーの顔を見ながらニヤリと笑った。
夕食はパンと野菜スープ。 パンは少しだけ表面を焼いて食べることにしてスープは明日の朝の分を残して休暇最後の夕食を過ごした。
あとは寝るだけで二人はベッドに入る。
「おやすみ、アネシー」
「おやすみ、オウラ」
オウラはアネシーを抱き寄せ、アネシーはピッタリとオウラにくっついて目を瞑った。
太陽の日差しが寝室を照らしてオウラは眩しくて目を覚ました。 まだ寝ているアネシーの頭を撫でてから寝室を出て下に降りて時計を見た。
すると時計の針が七時、八時ではなく十一時を指している。
「やばい、寝すぎた。 アネシーを起こさないと、あっ朝食兼昼食は寝室で食べよう」
オウラは素早く朝食の用意をして寝室まで持っていくことにする。 そしてアネシーの耳元で呼びかけた。
「アネシー、起きろ、もう昼になるぞ」
だがアネシーは返答がなくまだ夢の中にいる。
「アネシー侍女長起きてください」
するとアネシーは「侍女長」の言葉で目を開けて起きた。
「おはようございま、す……」
「おはよう、アネシー」
「二人きりの時は侍女長って言わないでほしいわ」
アネシーは侍女長と呼ばれてなんだかムスッとしていた。
オウラはアネシーに作ったサンドイッチとスープを手渡した。
「でもそう言わないと起きないだろ。 はい、サンドイッチとスープ」
「それはそうだけど…… ありがとう」
「ああ、食べて少ししてからここを出ないと」
「今、何時?」
「俺もさっき起きたばかりで時計を見たら十一時だった」
二人で朝食兼昼食を食べてベッドから降りた。
「ごちそうさま、それにしてもよく寝れたわ!」
「まぁ、明日から規則正しい生活が待ってるけどな」
「そうね」
アネシーは先に寝巻きから軽装に着替えて髪も侍女長の時にしている髪型にまとめてる時にオウラが戻ってきて手早く着替えた。
「オウラ、ここを何時頃出るの?」
「夕方前には出ようかなと思ってる」
「わかったわ」
ゆっくりしても時間は過ぎていきそろそろ家を出る時間になった。
「アネシー、忘れ物はないか?」
「大丈夫よ、きちんとカバンの中身を確認したわ」
二人で家を出てオウラが家に鍵をかけた。 アネシーはオウラにもう一つの鍵を返そうとした。
「オウラ、鍵を返すわ」
「いや、家の鍵はお互いの持っていよう。 次の休暇のとき先に家で待っててくれる嬉しいんだけど嫌か?」
「確かにそれもそうね、家の中で誰かが待っててくれると嬉しいわよね」
二人はカバンを持って少し離れた位置で歩いて夕方になる前にオウラとアネシーは王国に戻っていった。
「ん、これでよし」
「いい匂いね」
するとオウラはアネシーの口元にスプーンを差し出した。 アネシーはスープを啜った。
「美味しいわ!」
「よかった」
それじゃ俺もシャワーを浴びてくる。 そういいオウラはそのままシャワー室へ行ってしまった。
アネシーがドライヤーで髪を乾かし終えるとオウラは上半身裸で下半身はタオルを腰に巻いてシャワー室から出てきた。
「ど、どうして何も来てないのよ!?」
「寝巻きの用意を忘れたんだ」
「もう……早く何かを着て!」
「そんな怒らなくてもいいだろう、お互いに」
「それは……」
昨日お互いに昼間から抱き合ったことを思い出してしまってアネシーは顔が赤くなった。
オウラは無言で寝室に入って行った。直ぐに寝室から出て来たオウラは小声で「髪、やってくれないか」とアネシーに伝えた。
アネシーは無言でドライヤーでオウラの髪を慣れた手つきで乾かし始めた。
オウラの髪は短くて細い髪質。数分で髪を乾かし終えるとオウラの髪はサラサラしている。
「終わったわよ」
「ありがとう」と言いながらオウラはアネシーのお腹を抱きしめた。
「ちょっと、どうしたのよ」
「なんでもない。 ただ、明日には王国に戻らないと行けないんだなっと思って」
「王国に戻っても休憩の時に会えるじゃない」
「アネシー」
ふと名前を呼ばれて下を向くとオウラの唇と重なるも直ぐに離れた。
「それもそうだな」
オウラはアネシーの顔を見ながらニヤリと笑った。
夕食はパンと野菜スープ。 パンは少しだけ表面を焼いて食べることにしてスープは明日の朝の分を残して休暇最後の夕食を過ごした。
あとは寝るだけで二人はベッドに入る。
「おやすみ、アネシー」
「おやすみ、オウラ」
オウラはアネシーを抱き寄せ、アネシーはピッタリとオウラにくっついて目を瞑った。
太陽の日差しが寝室を照らしてオウラは眩しくて目を覚ました。 まだ寝ているアネシーの頭を撫でてから寝室を出て下に降りて時計を見た。
すると時計の針が七時、八時ではなく十一時を指している。
「やばい、寝すぎた。 アネシーを起こさないと、あっ朝食兼昼食は寝室で食べよう」
オウラは素早く朝食の用意をして寝室まで持っていくことにする。 そしてアネシーの耳元で呼びかけた。
「アネシー、起きろ、もう昼になるぞ」
だがアネシーは返答がなくまだ夢の中にいる。
「アネシー侍女長起きてください」
するとアネシーは「侍女長」の言葉で目を開けて起きた。
「おはようございま、す……」
「おはよう、アネシー」
「二人きりの時は侍女長って言わないでほしいわ」
アネシーは侍女長と呼ばれてなんだかムスッとしていた。
オウラはアネシーに作ったサンドイッチとスープを手渡した。
「でもそう言わないと起きないだろ。 はい、サンドイッチとスープ」
「それはそうだけど…… ありがとう」
「ああ、食べて少ししてからここを出ないと」
「今、何時?」
「俺もさっき起きたばかりで時計を見たら十一時だった」
二人で朝食兼昼食を食べてベッドから降りた。
「ごちそうさま、それにしてもよく寝れたわ!」
「まぁ、明日から規則正しい生活が待ってるけどな」
「そうね」
アネシーは先に寝巻きから軽装に着替えて髪も侍女長の時にしている髪型にまとめてる時にオウラが戻ってきて手早く着替えた。
「オウラ、ここを何時頃出るの?」
「夕方前には出ようかなと思ってる」
「わかったわ」
ゆっくりしても時間は過ぎていきそろそろ家を出る時間になった。
「アネシー、忘れ物はないか?」
「大丈夫よ、きちんとカバンの中身を確認したわ」
二人で家を出てオウラが家に鍵をかけた。 アネシーはオウラにもう一つの鍵を返そうとした。
「オウラ、鍵を返すわ」
「いや、家の鍵はお互いの持っていよう。 次の休暇のとき先に家で待っててくれる嬉しいんだけど嫌か?」
「確かにそれもそうね、家の中で誰かが待っててくれると嬉しいわよね」
二人はカバンを持って少し離れた位置で歩いて夕方になる前にオウラとアネシーは王国に戻っていった。
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