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四章
09
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〈アネシーside〉
私はオウラと別れてから少し歩くと道端で休んでる馬車が止まっていて木の木陰で休んでる馭者の人に声をかけた。
「休んでいるところすみません。 クオーレ家まで乗せてってくれませんか」
「クオーレ家って証明できる物はありますか」
やっぱりクオーレの名は王都の外でも知ってる人はいるんだ。 アネシーは馭者にブローチを見せた。
「これです・・・・・・願いできますか」
「確かにクオーレ家の方ですね」
「ありがとうございます」
「では乗ってください、出発いたします」
馬車の振動に揺られて家に着いたのは日が落ち始めた頃だった。
「さあ、着きましたよ、クオーレ家で間違いなないですよね」
馬車を降りたアネシーは家を確認をした。
「はい、間違いはありません、ありがとうございました」
馭者にお礼を伝えたあとアネシーは家に入る前に門の横のベルを鳴らした。
「どちら様でしょうか」
声の主はアネシーの知らない人だった。
「アネシーです。 門を開けてください」
「少々お待ちくださいませ」
少し待っているといきなり男性が駆け寄り門を開けてくれた。
「ア、アネシーお嬢様!」
男性はお父様とお母様に仕える執事のアルべだった。
「爺、いやアルべ。お久しぶりですね」
「アネシーお嬢様に名前で呼んでもらえる日が来ると爺は嬉しいです。 さあ中ヘお入りくださいませ」
「爺、お父様とお母様はどこにいますか」
「お二人とも食堂にいらっしゃいます」
「ありがとう」
家の中に入るとそのまま食堂へと向かった。
「アネシーお嬢様、夕食はどうなさいますか?」
「お父様とお母様との話が終わったら私の部屋に運んでください」
「かしこまりました」
爺が食堂の扉を開けると食事をしている両親は扉の方を振り向いた。 アネシーは荷物を持ったまま両親の近くまで歩み寄った。
「お父様、お母様、お食事中に申し訳ございません。 ただいま帰省いたしました」
「アネシー、やっと帰ってきたか」
「おかえりなさい、随分と綺麗な女性になりましたね。 アネシー、一緒に夕食を食べましょう」
「お母様、私は部屋で夕食をいただきます」
「あら、そうなの残念だわ」
アネシーは立ったまま両親に思ってることを話した。
「お父様とお母様にお話があります」
するとお父様は手に持っているナイフとフォークを置いた。
「もしかして家庭を持つ話か?」
「はい」
「それなら、相手はーー」
アネシーはお父さまの言葉をかき消すように話した。
「実はお慕いをしている人がいます」
「どこの皇子だ」
「いえ、その方は王国で料理長をしています」
「どこの皇子でない奴と一緒は認めんぞ!」
「お母様はアネシーに気持ちを確認するかのように聞いてきた。
「アネシー、お慕いしている人がいるのは本当なのですか?」
「本当です、お母様」
そしてアネシーは今までの気持ちを両親に打ち明けた。
「もう私は自分の心に嘘をついて生きていたくはありません!」
アネシーの言葉に両親は驚いた顔をした。
「今、なんていったんだ」
「アネシー、あなた・・・・・・」
「王国に行くまで私はお父様、お母様の言葉に従っていました。 ですが今、王国で私は侍女長として指導をしたりサグイス様のお世話と教育係をしています」
「そのことは手紙で知っている」
「それでもまだお父様、お母様の言葉に従わないといけませんか。 家庭を持つなら私は心から愛する人とがいいです」
「そこまで言うならばいいだろう、自分の好きにしなさい」
「ありがとうございます、お父様」
アネシーは深く頭を下げた。 頭をあげるとお父様は険しい顔で言い放った。
「ただし、クオーレ家の証のブローチは置いて家を出て行きなさい」
「あなた、言い過ぎですよ」
すかさずお母様はお父様の言葉に注意を入れた。
「アネシー、この言葉の意味はわかるか」
ブローチを置いて家を出ることはクオーレ家の人間ではないことを告げる。
「わかっています」
「それなら今日はもう外が暗いから泊まりなさい。 それで明日この家を出て行きなさい」
「わかりました、お父様」
アネシーは両親に頭を下げ食堂を出て自分の部屋に向買った。部屋の中はアネシーが家をでて行った時と変わってい。
アネシーがベッドに座ると扉の外からコンコンと音がした。
「どうぞ」
爺が夕食を持って来たのかと思いアネシーは部屋の扉を開けた。 すると廊下に立っていたのは夕食を持ったお母様だった。
「お母様」
「アネシー、夕食を持ってきたわ」
「ありがとうございます」
お母様はサイドテーブルの上に夕食を置いて心配そうに聞いてきた。
「本当にブローチを置い家を出ていくの?」
「そのつもりです」
「あなたは自分で決めたことを信じて幸せになりなさい。 たとえ何があってもあなたは私の娘ですよ、そのことを忘れないで」
「はい、ありがとうございます。 お母様」
「夕食を食べてしっかりお風呂に入りゆっくり寝なさいね」
そう言い、お母様はアネシーの部屋から出ていった。アネシーは家で最後の食事を味わった。 そしてひとりで大きな大浴場で疲れを取りベッドに横になる。
「明日は朝早くにこの家を出よう」
アネシーは手紙を書いてから目を閉じ眠りについた。
朝、起きたアネシーは部屋の中を綺麗にして身支度を整えて部屋を出ると侍女がいた。
「おはようございます、アネシーお嬢様」
「おはようございます」
アネシーは侍女にブローチと手紙を渡した。
「すみませんがこの二つをお母様に渡しといてもらえますか」
「はい、かしこまりました」
「では、お願いします」
家を出て門を閉じてからアネシーは深く頭を下げた。
「長い間、お世話になりました。 どうかお父様、お母様もお元気で」
アネシーは家に別れを告げ、そのままオウラが待つ家に向かった。
私はオウラと別れてから少し歩くと道端で休んでる馬車が止まっていて木の木陰で休んでる馭者の人に声をかけた。
「休んでいるところすみません。 クオーレ家まで乗せてってくれませんか」
「クオーレ家って証明できる物はありますか」
やっぱりクオーレの名は王都の外でも知ってる人はいるんだ。 アネシーは馭者にブローチを見せた。
「これです・・・・・・願いできますか」
「確かにクオーレ家の方ですね」
「ありがとうございます」
「では乗ってください、出発いたします」
馬車の振動に揺られて家に着いたのは日が落ち始めた頃だった。
「さあ、着きましたよ、クオーレ家で間違いなないですよね」
馬車を降りたアネシーは家を確認をした。
「はい、間違いはありません、ありがとうございました」
馭者にお礼を伝えたあとアネシーは家に入る前に門の横のベルを鳴らした。
「どちら様でしょうか」
声の主はアネシーの知らない人だった。
「アネシーです。 門を開けてください」
「少々お待ちくださいませ」
少し待っているといきなり男性が駆け寄り門を開けてくれた。
「ア、アネシーお嬢様!」
男性はお父様とお母様に仕える執事のアルべだった。
「爺、いやアルべ。お久しぶりですね」
「アネシーお嬢様に名前で呼んでもらえる日が来ると爺は嬉しいです。 さあ中ヘお入りくださいませ」
「爺、お父様とお母様はどこにいますか」
「お二人とも食堂にいらっしゃいます」
「ありがとう」
家の中に入るとそのまま食堂へと向かった。
「アネシーお嬢様、夕食はどうなさいますか?」
「お父様とお母様との話が終わったら私の部屋に運んでください」
「かしこまりました」
爺が食堂の扉を開けると食事をしている両親は扉の方を振り向いた。 アネシーは荷物を持ったまま両親の近くまで歩み寄った。
「お父様、お母様、お食事中に申し訳ございません。 ただいま帰省いたしました」
「アネシー、やっと帰ってきたか」
「おかえりなさい、随分と綺麗な女性になりましたね。 アネシー、一緒に夕食を食べましょう」
「お母様、私は部屋で夕食をいただきます」
「あら、そうなの残念だわ」
アネシーは立ったまま両親に思ってることを話した。
「お父様とお母様にお話があります」
するとお父様は手に持っているナイフとフォークを置いた。
「もしかして家庭を持つ話か?」
「はい」
「それなら、相手はーー」
アネシーはお父さまの言葉をかき消すように話した。
「実はお慕いをしている人がいます」
「どこの皇子だ」
「いえ、その方は王国で料理長をしています」
「どこの皇子でない奴と一緒は認めんぞ!」
「お母様はアネシーに気持ちを確認するかのように聞いてきた。
「アネシー、お慕いしている人がいるのは本当なのですか?」
「本当です、お母様」
そしてアネシーは今までの気持ちを両親に打ち明けた。
「もう私は自分の心に嘘をついて生きていたくはありません!」
アネシーの言葉に両親は驚いた顔をした。
「今、なんていったんだ」
「アネシー、あなた・・・・・・」
「王国に行くまで私はお父様、お母様の言葉に従っていました。 ですが今、王国で私は侍女長として指導をしたりサグイス様のお世話と教育係をしています」
「そのことは手紙で知っている」
「それでもまだお父様、お母様の言葉に従わないといけませんか。 家庭を持つなら私は心から愛する人とがいいです」
「そこまで言うならばいいだろう、自分の好きにしなさい」
「ありがとうございます、お父様」
アネシーは深く頭を下げた。 頭をあげるとお父様は険しい顔で言い放った。
「ただし、クオーレ家の証のブローチは置いて家を出て行きなさい」
「あなた、言い過ぎですよ」
すかさずお母様はお父様の言葉に注意を入れた。
「アネシー、この言葉の意味はわかるか」
ブローチを置いて家を出ることはクオーレ家の人間ではないことを告げる。
「わかっています」
「それなら今日はもう外が暗いから泊まりなさい。 それで明日この家を出て行きなさい」
「わかりました、お父様」
アネシーは両親に頭を下げ食堂を出て自分の部屋に向買った。部屋の中はアネシーが家をでて行った時と変わってい。
アネシーがベッドに座ると扉の外からコンコンと音がした。
「どうぞ」
爺が夕食を持って来たのかと思いアネシーは部屋の扉を開けた。 すると廊下に立っていたのは夕食を持ったお母様だった。
「お母様」
「アネシー、夕食を持ってきたわ」
「ありがとうございます」
お母様はサイドテーブルの上に夕食を置いて心配そうに聞いてきた。
「本当にブローチを置い家を出ていくの?」
「そのつもりです」
「あなたは自分で決めたことを信じて幸せになりなさい。 たとえ何があってもあなたは私の娘ですよ、そのことを忘れないで」
「はい、ありがとうございます。 お母様」
「夕食を食べてしっかりお風呂に入りゆっくり寝なさいね」
そう言い、お母様はアネシーの部屋から出ていった。アネシーは家で最後の食事を味わった。 そしてひとりで大きな大浴場で疲れを取りベッドに横になる。
「明日は朝早くにこの家を出よう」
アネシーは手紙を書いてから目を閉じ眠りについた。
朝、起きたアネシーは部屋の中を綺麗にして身支度を整えて部屋を出ると侍女がいた。
「おはようございます、アネシーお嬢様」
「おはようございます」
アネシーは侍女にブローチと手紙を渡した。
「すみませんがこの二つをお母様に渡しといてもらえますか」
「はい、かしこまりました」
「では、お願いします」
家を出て門を閉じてからアネシーは深く頭を下げた。
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