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三章

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 サグイスはサラーナに「俺もアルバムを見てもいいか?」と言いサラーナはアルバムを再度開いた。 

「やっぱりオウラとアネシーだ」

「サグイス、家でドルーク様も話していたけど、お父様とお母様のことを知ってるの?」

 サグイスはアルバムをめくるたびに頷きながら見ている。

「ああ、知ってるも何も。オウラは王国で料理長をしていて、アネシーは王国で侍女長をし俺の教育係をしていたんだ」

「それは本当なの!?  お父様もお母様王国で働いていたなんて知らなかったわ」

「サラーナ様は何も知らなかったということですか?」

「はい、お母さまからは最低限のマナーは厳しく教わり、お父さまからはある程度の料理を教えてくれました」

「なるほどな。ドルーク、エリールを呼んできてくれ」

「かしこまりました」

 サラーナは一番上の分厚いアルバムを手に取った。 サラーナはアルバムを捲るたびにお母さまの顔が見たことがない表情で凛としている。

「お母様はいつもこんな感じだったの?」

「ああ、アネシーはしっかり者で怒ると怖かったな。それと、笑った顔は見たことがない」

 サグイスと話してる時、寝室にドルーク様がエリールを連れてきた。

「陛下、どうかなさいましたか」

「サラーナ、アネシーが最後にドルークとエリールを教育指導をしたんだ」

「それで、ドルーク様はお母様のことを師匠と言って・・・・・・」

 するとエリールは話を止めて質問をしてきた。

「あの、アネシーさまがどうかしたのですか」

 エリールの質問にサグイスが答えた。

「実はサラーナの両親はオウラとアネシーだったんだ」

「あの、オウラ料理長とアネシー様のーー」

 驚きながらもエリールの目から涙が流れた。 サラーナは体が勝手に動いてエリールを優しく抱きしめた瞬間、扉にノック音がした。

「入れ」

 寝室に入って来たのは医師だった。 医師はすぐにアルバムに目をやった。

「これはこれは、懐かしいアルバムですな」

 サグイスは不思議そうに医師に聞いた。

「医師、懐かしいとは?」

「もしかして、オウラとアネシーが写ってるアルバムですかな?」

 医師は置いてある分厚いアルバムをみただけで言い当てた。

「医師、どうしてわかった」

 医師はサラッと言った。

「実は王国にある全アルバムを管理しているのは私だからです」

 すかさずドルークが話に入る。

「ですが、管理職はラディウスが一人でしています」

「だよな、ラディウスはメガネをしているし」

「私が医師であり管理職をしているラディウスです。 これならわかりますかな?」

 そう言いながら医師は白衣のポケットからメガネを出してかけた。 するとサラーナ以外の三人は「ラディウス管理官」と声を揃えた。

「えっと・・・・・・」

 サラーナは医師が管理職もしているってことを今知った。

「では、サラーナ様の手当てを終えてから話の続きをしましょう」

 医師に言われてサラーナはベッドに腰を下ろした。

「力を抜いていてくださいね、力を入れると傷口がもっと痛く感じますのでね」

「わ、わかりました」

 医師は手際よく手当て始める。

 サラーナは頭の中でお父様とお母様がどのように王国で過ごしていたのか。  

 そして、どうして王国を去ったのか。が知りたかった。

「サラーナ様、手当ては終わりました」

「ありがとうございます」

 サグイスは医師にイス渡した。

「医師、いや、ラディウス。 座りながら話を聞かせてくれ」

「サラーナ様が聞きたいことはなんでしょうかな」

「私は・・・・・・どうしてお父様とお母様は王国を去ったのかを」

「ではここからは私が知ってるところまでとオウラとアネシーの過去のお話をしますね」

 そして、ラディウスはサラーナたちにわかるよう話しを始めた。
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