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三章
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サラーナが全て話した後にサグイスは怒りを抑えているのがわかった。
「今回のことはサラーナは全く悪くはない、全て俺が悪い。 俺が城を抜け出したからだ」
「違うわサグイス、私も悪いわ」
ふたりして言い合いをしていると扉が二回ノックする音が聞こえた。サグイスは「ドルークか、入れ」と言った。
そして部屋に入ってきドルークはワゴンを運んできた。
「陛下、軽食をお持ちいたしました」
「ああ、医師を呼んでくれ。 それと一時間後にエリールを寄越してくれ」
「かしこまりました。何かありましたら廊下にいますのでお呼びください」
そう言いドルークは去っていった。ワゴンで運ばれてきたお皿の上にはカットフルーツが彩りに盛られていた。
「軽食でサラーナが食べやすいものがフルーツかと思って用意をさせた」
「高価なフルーツばかりを私が食べてもいいの?」
「良いんだ、フルーツは嫌いだったか?」
私は首を横に振った。
「ううん、好きよ」
サラーナはサグイスからお皿とフォークを受け取ろうとしたが、サグイスはフォークにイチゴを刺してサラーナの口の前に運んだ。
「サグイス、私、ひとりで食べれるわよ?」
「いや、俺が食べさせてやる。 さあ、口を開けて」
サラーナはサグイスに言われるまま口を開けてイチゴを食べる。 私のペースで順番にオレンジ、リンゴ、ブドウに次々と食べさせてもらって全て食べ終わった。
「ごちそうさまでした」
サグイスはティーカップに温かい紅茶を淹れてくれてふたりでまったりと過ごしてる時に扉のノック音が二回鳴った。
「入れ」
寝室に入ってきた白い白衣を着た男性はサラーナにニッコリと微笑んだ。
「お目覚めになりましたか。 それと、医務室のベッドの下に落ちておりました」
医師の手には羽根は羽根軸が折れていた。
「それ、私の宝物なんです!」
「さようですか」
医師から受け取るとサグイスは「新しい羽根をやろう」と言ったがサラーナは首を横に振った。
「初めて好きな人からもらったものがこの羽根は宝物なんだから」
「サラーナ、その羽根はどこかに飾ろう。これ以上ボロボロにならないようにな」
「ぜひ、そうしたいわ」
すると医師は「コホン」と咳払いをした。
「早速ですが軽く診察をさせていただきます。 よろしいでしょうか陛下」
医師がサグイスの方を向いて話をするとサグイスは「ああ」といった。まず医師はサラーナを診察を始めた。
「顔色もなんともないようですね。そして手首の傷の処置をしますので、顔を逸らした方がよろしいかと・・・・・・」
サラーナは医師に聞いた。
「顔を逸らした方がいいぐらいの酷い傷なのでしょうか?」
「さようでございます」
「私なら大丈夫なので手当てをお願いします」
それでもサラーナは自分の傷がどんなに酷いものなのかを知っておきたかった。医師は手際良く白い布を解いてガーゼを取ったとき、サラーナは目を逸らした。
「あっーー」
サラーナは自分の傷が想像していたよりも酷く、サグイスが目を覚ましてくれると思いながら必死に血をサグイスに飲ませた。
だから思っていたよりも傷が酷くなったんだろう。
「消毒をしますので染みます」
医師の言葉で傷口に消毒が触れた。その瞬間サラーナは瞬時にサグイスの手を握りしめた。
サグイスはサラーナの手を握りながら肩にそっと片手をおいた。
「手当ては終わりました」
「あ、ありがとうございます」
「入浴の際は傷口にを濡らさぬようお願いをいたします」
「わかーー」
サラーナが「わかりました」と言おうとしたがサグイスに「わかった」と先に言われてしまった。
「では、失礼致します。 また、夕食後に手当てをさせていただきます」
そう言い医師は寝室から去って行った。数分後、扉のノックの音が二回音が鳴った。
「エリールか、入ってくれ」
サグイスの声に寝室にいた女性がサグイスの前に立ち止まり頭を下げた。
「陛下、お呼びでしょうか」
「早速だが、俺とサラーナは大浴場に行く」
エリールは「かしこまりました。ドルークさまにもお伝えしておきます」と言いすぐに準備に取り掛かった。
「サグイス、だ、大浴場って⁉︎」
「一緒に入るぞ。嫌か?」
「嫌じゃないけど」
だから医師から入浴の話ですぐに「わかった」と言ったのはこのことだったんだと今、サラーナは理解をした。
ベッドから立ちあがろうとしたらフワッと身体が浮いた。
「わあっ」
サグイスはサラーナを抱き上げてそのまま大浴場へと向かった。
「今回のことはサラーナは全く悪くはない、全て俺が悪い。 俺が城を抜け出したからだ」
「違うわサグイス、私も悪いわ」
ふたりして言い合いをしていると扉が二回ノックする音が聞こえた。サグイスは「ドルークか、入れ」と言った。
そして部屋に入ってきドルークはワゴンを運んできた。
「陛下、軽食をお持ちいたしました」
「ああ、医師を呼んでくれ。 それと一時間後にエリールを寄越してくれ」
「かしこまりました。何かありましたら廊下にいますのでお呼びください」
そう言いドルークは去っていった。ワゴンで運ばれてきたお皿の上にはカットフルーツが彩りに盛られていた。
「軽食でサラーナが食べやすいものがフルーツかと思って用意をさせた」
「高価なフルーツばかりを私が食べてもいいの?」
「良いんだ、フルーツは嫌いだったか?」
私は首を横に振った。
「ううん、好きよ」
サラーナはサグイスからお皿とフォークを受け取ろうとしたが、サグイスはフォークにイチゴを刺してサラーナの口の前に運んだ。
「サグイス、私、ひとりで食べれるわよ?」
「いや、俺が食べさせてやる。 さあ、口を開けて」
サラーナはサグイスに言われるまま口を開けてイチゴを食べる。 私のペースで順番にオレンジ、リンゴ、ブドウに次々と食べさせてもらって全て食べ終わった。
「ごちそうさまでした」
サグイスはティーカップに温かい紅茶を淹れてくれてふたりでまったりと過ごしてる時に扉のノック音が二回鳴った。
「入れ」
寝室に入ってきた白い白衣を着た男性はサラーナにニッコリと微笑んだ。
「お目覚めになりましたか。 それと、医務室のベッドの下に落ちておりました」
医師の手には羽根は羽根軸が折れていた。
「それ、私の宝物なんです!」
「さようですか」
医師から受け取るとサグイスは「新しい羽根をやろう」と言ったがサラーナは首を横に振った。
「初めて好きな人からもらったものがこの羽根は宝物なんだから」
「サラーナ、その羽根はどこかに飾ろう。これ以上ボロボロにならないようにな」
「ぜひ、そうしたいわ」
すると医師は「コホン」と咳払いをした。
「早速ですが軽く診察をさせていただきます。 よろしいでしょうか陛下」
医師がサグイスの方を向いて話をするとサグイスは「ああ」といった。まず医師はサラーナを診察を始めた。
「顔色もなんともないようですね。そして手首の傷の処置をしますので、顔を逸らした方がよろしいかと・・・・・・」
サラーナは医師に聞いた。
「顔を逸らした方がいいぐらいの酷い傷なのでしょうか?」
「さようでございます」
「私なら大丈夫なので手当てをお願いします」
それでもサラーナは自分の傷がどんなに酷いものなのかを知っておきたかった。医師は手際良く白い布を解いてガーゼを取ったとき、サラーナは目を逸らした。
「あっーー」
サラーナは自分の傷が想像していたよりも酷く、サグイスが目を覚ましてくれると思いながら必死に血をサグイスに飲ませた。
だから思っていたよりも傷が酷くなったんだろう。
「消毒をしますので染みます」
医師の言葉で傷口に消毒が触れた。その瞬間サラーナは瞬時にサグイスの手を握りしめた。
サグイスはサラーナの手を握りながら肩にそっと片手をおいた。
「手当ては終わりました」
「あ、ありがとうございます」
「入浴の際は傷口にを濡らさぬようお願いをいたします」
「わかーー」
サラーナが「わかりました」と言おうとしたがサグイスに「わかった」と先に言われてしまった。
「では、失礼致します。 また、夕食後に手当てをさせていただきます」
そう言い医師は寝室から去って行った。数分後、扉のノックの音が二回音が鳴った。
「エリールか、入ってくれ」
サグイスの声に寝室にいた女性がサグイスの前に立ち止まり頭を下げた。
「陛下、お呼びでしょうか」
「早速だが、俺とサラーナは大浴場に行く」
エリールは「かしこまりました。ドルークさまにもお伝えしておきます」と言いすぐに準備に取り掛かった。
「サグイス、だ、大浴場って⁉︎」
「一緒に入るぞ。嫌か?」
「嫌じゃないけど」
だから医師から入浴の話ですぐに「わかった」と言ったのはこのことだったんだと今、サラーナは理解をした。
ベッドから立ちあがろうとしたらフワッと身体が浮いた。
「わあっ」
サグイスはサラーナを抱き上げてそのまま大浴場へと向かった。
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