6 / 18
第2話「ユメの中の君との時間。」
君のこと。
しおりを挟む
そんな勢野との他愛のない夢の中の日常を繰り返す。
一緒に、ボール遊びやかくれんぼなど、子供がしそうな遊びをしても勢野とならとても楽しかった。
遊ぶ以外にも勢野と時たまゆったりと空を眺めながら他愛のない話しをした。
勢野が話してくれることはどれも面白かった。
やりたいこと、目指していること、好きな食べ物、好きなこと。
大体は俺と真逆のものばかりだった。
俺にはやりたいことはないけれど、勢野はあれもしたい、これもしたいと楽しそうに語ってくれて。
その時にピアノを弾くことが好きなことも教えてくれた。
夢もない俺とは違って、勢野はいつか演奏会などを開いて見たいんだと教えてくれた。
俺には生きたいという希望なんかない。
退屈な毎日に疲れてしまって、いっそもう夢の中で勢野と一緒にいる方が幸せに感じていた。
けれど、勢野はどこまでも現実に目を向けていた。
そんな勢野を見ていると自分の幼稚な考え方が少し恥ずかしかった。
俺もいつか、勢野のように思える日がくるのだろうか。
「生きていたい」とそう、言える日がくるのだろうか。
そんなぼんやりとした考えが浮かんでは俺の心の中で揺蕩うようにゆらゆらと揺れ動いていた。
一緒に、ボール遊びやかくれんぼなど、子供がしそうな遊びをしても勢野とならとても楽しかった。
遊ぶ以外にも勢野と時たまゆったりと空を眺めながら他愛のない話しをした。
勢野が話してくれることはどれも面白かった。
やりたいこと、目指していること、好きな食べ物、好きなこと。
大体は俺と真逆のものばかりだった。
俺にはやりたいことはないけれど、勢野はあれもしたい、これもしたいと楽しそうに語ってくれて。
その時にピアノを弾くことが好きなことも教えてくれた。
夢もない俺とは違って、勢野はいつか演奏会などを開いて見たいんだと教えてくれた。
俺には生きたいという希望なんかない。
退屈な毎日に疲れてしまって、いっそもう夢の中で勢野と一緒にいる方が幸せに感じていた。
けれど、勢野はどこまでも現実に目を向けていた。
そんな勢野を見ていると自分の幼稚な考え方が少し恥ずかしかった。
俺もいつか、勢野のように思える日がくるのだろうか。
「生きていたい」とそう、言える日がくるのだろうか。
そんなぼんやりとした考えが浮かんでは俺の心の中で揺蕩うようにゆらゆらと揺れ動いていた。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
林檎を並べても、
ロウバイ
BL
―――彼は思い出さない。
二人で過ごした日々を忘れてしまった攻めと、そんな彼の行く先を見守る受けです。
ソウが目を覚ますと、そこは消毒の香りが充満した病室だった。自分の記憶を辿ろうとして、はたり。その手がかりとなる記憶がまったくないことに気付く。そんな時、林檎を片手にカーテンを引いてとある人物が入ってきた。
彼―――トキと名乗るその黒髪の男は、ソウが事故で記憶喪失になったことと、自身がソウの親友であると告げるが…。
初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
告白ゲームの攻略対象にされたので面倒くさい奴になって嫌われることにした
雨宮里玖
BL
《あらすじ》
昼休みに乃木は、イケメン三人の話に聞き耳を立てていた。そこで「それぞれが最初にぶつかった奴を口説いて告白する。それで一番早く告白オッケーもらえた奴が勝ち」という告白ゲームをする話を聞いた。
その直後、乃木は三人のうちで一番のモテ男・早坂とぶつかってしまった。
その日の放課後から早坂は乃木にぐいぐい近づいてきて——。
早坂(18)モッテモテのイケメン帰国子女。勉強運動なんでもできる。物静か。
乃木(18)普通の高校三年生。
波田野(17)早坂の友人。
蓑島(17)早坂の友人。
石井(18)乃木の友人。
キミと2回目の恋をしよう
なの
BL
ある日、誤解から恋人とすれ違ってしまった。
彼は俺がいない間に荷物をまとめて出てってしまっていたが、俺はそれに気づかずにいつも通り家に帰ると彼はもうすでにいなかった。どこに行ったのか連絡をしたが連絡が取れなかった。
彼のお母さんから彼が病院に運ばれたと連絡があった。
「どこかに旅行だったの?」
傷だらけのスーツケースが彼の寝ている病室の隅に置いてあって俺はお母さんにその場しのぎの嘘をついた。
彼との誤解を解こうと思っていたのに目が覚めたら彼は今までの全ての記憶を失っていた。これは神さまがくれたチャンスだと思った。
彼の荷物を元通りにして共同生活を再開させたが…
彼の記憶は戻るのか?2人の共同生活の行方は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる