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午後は防御魔法を教わった。
「ナオ、もう少し魔力を薄く広くするように意識して!」
「うん!」
イメージとしては、ゲームや漫画であるようなシールドを張るような感覚だ。
目の前に魔力の膜を作るように意識を集中させる。
「そうそう!いい感じだよ!」
エリクが言い終わるか否かの瞬間、小さなボールが目の前から飛んでくる。
そのボールは俺のシールドを通過し、額に当たった。
「痛っ~~」
俺は痛さに涙を滲ませながら額を抑えた。
「すまねぇ!思ったりよ勢いをつけちまった!」
慌てたように、ワニの獣人が駆け寄ってくる。
「ちょっと構ってやろうと思って玉を飛ばしたんだが、本当にすまねぇ!」
「ちょっと!ロジャー危ないじゃないか!ナオは初心者なんだぞ!」
ロジャーとやらが俺の額に手を当てる。
「今、治癒魔法をかけるからな」
ほわほわと魔力を感じると、次第に痛みが引いていった。すごっ。
「……えっと、ロジャー?さん?ありがとう。もう痛くないよ」
「ロジャーで良いぜ、ナオ。本当にごめんな。」
ロジャーは長い口の前で手を合わせる仕草をした。
「それにしても痛みが引いてよかったぜ。バレたら団長にしばかれる」
下まぶたを持ち上げるようにして渋い顔をする。
「ロジャー、誰にしばかれるって?」
声の方に振り向くと、怖い顔をしたレイがこちらへ歩いて来ていた。
「レイ!」
「団長!」
「ひいっ」
俺とエリクが同時に声を上げ、ロジャーは小さく悲鳴を上げた。
こんなに怯えるって、レイは怒らせたら怖いのかもしれない。
ちらっとエリクの方を見るが、自業自得だねと言うように肩をすくめる。
レイが俺に近づいてくる。
「ナオ、大丈夫か?」
「うん、ロジャーが治癒魔法をかけてくれたから何ともないよ」
「そうか、よかった」
ギロリとレイがロジャーの方を見る。
「ロジャー、お前分かっているな?」
「はっはい!すみません!」
ロジャーがピーンと背筋を伸ばす。
ボールを飛ばしたことは悪いとは言え、悪気があった訳じゃないし…。
このまま怒られるのは少しかわいそうな気がする、治癒魔法もかけて貰ったしね。
「あの、レイ、俺本当に全然大丈夫だから!それにロジャーも悪気があった訳じゃないし」
「悪気が無いとしても、反省は必要だ。それに、後で話を聞いてから処分を考える。心配しなくても大丈夫だ」
そう言ってレイは俺の頭を撫でてくる。
「ロジャー、あれは団長の私情が挟まれちゃうかもね」
「俺、本当にやっちまったな」
エリクとロジャーが小声でそんな会話をしている。
レイのことだからそんなことはないと思うんだけど…。
「そういえばレイは何で来たの?」
「あぁ、そろそろ終わりの時間だから声をかけに来たんだ」
魔術師と騎士は別れて訓練しているが、終業の時間になるとレイが見回りに来るらしい。
「皆、今日はここまでにしよう。片付けが済んだ者から各自終わりにしてくれ」
「はい!」
レイが声をかけると、魔術師の皆が一斉に返事をした。
「ロジャーは明日の朝、執務室へ来るように」
「はい!」
ロジャーが再び背筋を伸ばした。
「ナオ、私は残りの仕事を片付けてくる。片付けが終わったら執務室へ来てくれ」
「うん、わかった」
俺はエリクと一緒に片付けをし、それが終わると案内してもらいながら執務室へと向かった。
「ナオ、また明日な!」
「うん、またな!」
エリクと執務室の前で別れると、俺はドアをノックした。
「ナオ、もう少し魔力を薄く広くするように意識して!」
「うん!」
イメージとしては、ゲームや漫画であるようなシールドを張るような感覚だ。
目の前に魔力の膜を作るように意識を集中させる。
「そうそう!いい感じだよ!」
エリクが言い終わるか否かの瞬間、小さなボールが目の前から飛んでくる。
そのボールは俺のシールドを通過し、額に当たった。
「痛っ~~」
俺は痛さに涙を滲ませながら額を抑えた。
「すまねぇ!思ったりよ勢いをつけちまった!」
慌てたように、ワニの獣人が駆け寄ってくる。
「ちょっと構ってやろうと思って玉を飛ばしたんだが、本当にすまねぇ!」
「ちょっと!ロジャー危ないじゃないか!ナオは初心者なんだぞ!」
ロジャーとやらが俺の額に手を当てる。
「今、治癒魔法をかけるからな」
ほわほわと魔力を感じると、次第に痛みが引いていった。すごっ。
「……えっと、ロジャー?さん?ありがとう。もう痛くないよ」
「ロジャーで良いぜ、ナオ。本当にごめんな。」
ロジャーは長い口の前で手を合わせる仕草をした。
「それにしても痛みが引いてよかったぜ。バレたら団長にしばかれる」
下まぶたを持ち上げるようにして渋い顔をする。
「ロジャー、誰にしばかれるって?」
声の方に振り向くと、怖い顔をしたレイがこちらへ歩いて来ていた。
「レイ!」
「団長!」
「ひいっ」
俺とエリクが同時に声を上げ、ロジャーは小さく悲鳴を上げた。
こんなに怯えるって、レイは怒らせたら怖いのかもしれない。
ちらっとエリクの方を見るが、自業自得だねと言うように肩をすくめる。
レイが俺に近づいてくる。
「ナオ、大丈夫か?」
「うん、ロジャーが治癒魔法をかけてくれたから何ともないよ」
「そうか、よかった」
ギロリとレイがロジャーの方を見る。
「ロジャー、お前分かっているな?」
「はっはい!すみません!」
ロジャーがピーンと背筋を伸ばす。
ボールを飛ばしたことは悪いとは言え、悪気があった訳じゃないし…。
このまま怒られるのは少しかわいそうな気がする、治癒魔法もかけて貰ったしね。
「あの、レイ、俺本当に全然大丈夫だから!それにロジャーも悪気があった訳じゃないし」
「悪気が無いとしても、反省は必要だ。それに、後で話を聞いてから処分を考える。心配しなくても大丈夫だ」
そう言ってレイは俺の頭を撫でてくる。
「ロジャー、あれは団長の私情が挟まれちゃうかもね」
「俺、本当にやっちまったな」
エリクとロジャーが小声でそんな会話をしている。
レイのことだからそんなことはないと思うんだけど…。
「そういえばレイは何で来たの?」
「あぁ、そろそろ終わりの時間だから声をかけに来たんだ」
魔術師と騎士は別れて訓練しているが、終業の時間になるとレイが見回りに来るらしい。
「皆、今日はここまでにしよう。片付けが済んだ者から各自終わりにしてくれ」
「はい!」
レイが声をかけると、魔術師の皆が一斉に返事をした。
「ロジャーは明日の朝、執務室へ来るように」
「はい!」
ロジャーが再び背筋を伸ばした。
「ナオ、私は残りの仕事を片付けてくる。片付けが終わったら執務室へ来てくれ」
「うん、わかった」
俺はエリクと一緒に片付けをし、それが終わると案内してもらいながら執務室へと向かった。
「ナオ、また明日な!」
「うん、またな!」
エリクと執務室の前で別れると、俺はドアをノックした。
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