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呪われし僧侶と淫語勇者(全八話)

5 現の人と現なき人 ※《衆人環視、無理矢理、人格入れ替わり、前立腺》

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魔王が出現したとされるのは、王国の端、未開の土地が広がる辺境の地である。

私はそこに辿り着くまでも、たびたび勇者に操られて尻をいじられ犯されていた。
それは大抵野外で騎士たちの目の前だったりしたのだが、もうそんなことにも慣れつつあった。

いっそのこと神が天罰を与えてくださればいいのに。

「主よ…私はもう…許されることはないのですか…?」

指を組んで月明かりに向かってそう尋ねていると、頬にまた涙が伝った。

「エミリオさん…」

私が神に届きもしない祈りを捧げるたびに、勇者が呆然とそれを眺めに来ていたことも、私は知らない振りをした。




そんなある日、とうとう魔物が出現した。

「出たな、魔物め…」
「勇者殿、どうする」
「まずはこの聖剣の威力を見せてもらおう…」

そう言って勇者は光輝く聖剣を抜き払い、魔物に向かって走っていく。
私はさすがに他の騎士たちに守られながら、離れたところで様子を見ていたのだが。

「ヘアッ!」

サクッ

「グギャアアアア!」

勇者が奇声を上げて剣を振るうと、魔物は断末魔の声を上げて煙となって消えていった。

「すごい…」

これが聖剣の本来の力なのだ。

「うわあーい!エミリオたーん!俺tueeeeしてきたよ即ハボ!」
「えっ?や…っ!なんでですか!?」

「戦うボクがカッコよくて、エミリオたんはポッ、抱いてっ!ってなったから!」
「なってな…いやああん…っ!こんにゃ…っ、ひゃめれすぅぅ…っ!」

「青姦でも~あんあん言っちゃうエミリオたん~」
「うたはやめてぇぇ…!!」

勇者はご機嫌な様子で私のローブを捲り上げ、あっという間に下着もずり下ろして片足を上げさせ、私の中に入り込む。
そして卑猥な言葉に節をつけ、歌いながらグチュグチュといつも通りに私を犯した。

しかし。

「可愛い~ぃ、か~わぃ…うガアアアアーーッ!!?」

「ひやああっ…にゃに…っ!?こんどはなに…っ!?」

突如として奇声を上げて仰け反った勇者を、私は涙ながらに振り返る。
騎士たちも周りを囲んで自分のモノを扱きながらも、いつもよりも様子のおかしい勇者に首を傾げた。

勇者は眉間に皺を刻んで憎しみの表情を浮かべ、顔を半分手で覆っている。

「はあ…っ、はあ…っ、おのれ…!この、腐れド外道めェ…ッ!!」
「な…っ、なん…」

「すみませんエミリオさん!…すぐ…抜いて…っ」
「え?…あ…っ、んんぅ…っ」

「はあっ…はあっ…くそっ!抜けない!」

勇者はそう言うと、あろうことか私の中に埋め込んだ陰茎を、まだ中出しもしていないのに抜こうとしたのだ。
その理性的な黒い瞳を見て、生ハメの途中で勇者の人格が入れ替わったのだと知る。

「ああ…、ゆーしゃ、さま…?はあっ、もと、の…?」

「はあ…っ、…そうです。すみません。いつもアイツに意識を乗っ取られて…あなたに…こんなに、酷いことを…!」

「あ…っ、そこは…っ!ああんっ!!」

いつもは奥まで突き上げるのに、中途半端に抜かれた陰茎は私の弱い部分に留まり、グリグリとしつこい刺激を与えてきた。
周りを取り囲み自分の陰茎を扱いていたダルエスも驚きの声を上げる。

「ど、どういうことだ!?お前は…ソーマ殿か?途中で意識が戻ったのか?」

「はい…。エミリオさん、大丈夫ですか?本当にすみません…俺が、いつももっとしっかりしていれば…ぐ…っ!はあっ…!くそ…っ!この、黙れド外道!貴様にこれ以上エミリオさんを好きにさせるわけにはいかないッ!!」

何やら勇者は頭の中で先代の奇人の勇者と戦っているようだった。

しかし私はそんなことよりも、浅いところで留まってジワジワと押しつけられるだけの鈍い刺激に、気が狂いそうで腰を振った。

「はああ…っ!ああ…っ!も…っ、うごいてぇ…っ!」

「動いちゃ駄目だッ!!」
「へぁ…っ?」

「今動けば…またアイツがこの身体を乗っ取ってしまう…う…っ、すみません、でも俺は…っ、どうしてもあなたが…っ!く、くそ…っ!」

そう言うと勇者は私の腰をガッツリと強く掴み、私の身動きを封じた。そして尻の中のしこりを一層ギュウギュウと押し込んでくる。

「しょんな…っ、あっ、あぁんっ!?あっ、らめ、しょこらめれすぅ…っ!」

「こいつさえいなければ…俺は…あなたと…えええエミエミエミリオたぁぁんっ!!助けて!また封印される!!せっかく生エミリオたんとイチャイチャできたのに!!全然いちゃラブセックスしたりないのに!!」

そんな奇声と共に、唐突に肉棒を奥まで突き上げられ、再び激しく擦り上げられる。

「きゃはああんっ!?ひゃあぁああっ!ひはあぁぁ…っ!!」

「グアァッ!!大人しくシロォッ!!エミリオさんはオマンコなんかジャナイッ!!アんな風に泣かせるヤツに…ッ、渡シテ、たまるカァアアッ!!」

そう怒鳴られて、また唐突に引き抜かれ、手前のしこりをゴリッと押し込まれる。

「ああぁっ!!?ま…っ!らめぇ、しょこでとまらにゃいれ…っ!んひぃいんっ!」

「はあ…っ、はあ…っ、ぐぅゥッ」
「聖剣が…!」
「ダルエスさん!!その魔物の羽根の皮を!早く!!」

「ひあ…っ!あぁ…っ!あはひぁ…」

勇者や騎士たちは何事かを叫んでいたが、私は堪らずピュウピュウと透明な汁を噴き出した。

「な、何だって!?」
「いいから早く!!魔物の羽根でアイツを封印します!!…ぅうわあああーんっ!!ひどいよ!!エミリオたぁんっ!!まだチューもしてないのにぃっ!!」
「ひあああんっ!!ああっ、まっ、ゆ、ゆーひゃしゃまぁ…っ!!」

私は激しい突き上げに射精しながらも、あの変人勇者が泣いているのが可哀想で、ガクガクと震える手を伸ばした。

しかしその手はパシリと強く掴まれて、快感に霞む目を見開けば、あの狂気の赤い光は消え去っていた。

「させル…モノカァァー…ッ!!」

叫び声と共に固く脈打ったままの陰茎がグチャリと抜き取られた。
私の肛門はそれにクパクパと口を開いて、呆然と別れを告げる。

「はあ…、あ…、ああ…」
「く…っ!やったぞ…!ダルエスさん!聖剣を!!」
「あ、ああ…」

その後勇者は聖剣に魔物の羽根の皮膜を巻いて、何かの魔法を使ったようだった。





「聖魔法は闇属性の魔物でしか封印できません。この皮を取らない限り、もう二度とアイツが現れることはないでしょう…」

騒ぎが収まった後、奇人でない方の勇者に身体を拭かれた私は、二人きりで話がしたいと言う勇者に連れ出された。
少し森を歩き、騎士たちとは離れた場所で、勇者が皮に包んだまま腰に差した聖剣に触れる。

私は薄褐色の皮に包まれたその塊を見て、奇妙な喪失感で胸が潰されそうになった。
そんな訳の分からない気分を必死に押し隠して、まともな方の勇者を見上げる。

「で、でも…それではあなたは…?聖剣がなくて、どうやって戦うのです?」

「…心配してくれるんですか?…ふふっ、嬉しいなぁ…でも大丈夫です。多分ここなら…聖剣がなくても戦える」
「本当に…?」

「ええ。魔物も思ったよりは弱かったので。この身体の聖魔法だけで、魔王も…何とかしてみせます」
「…そう、ですか…」

人好きしそうな笑みではにかんだ後、理性的で凛々しい表情を浮かべた勇者に、なぜだが私の喪失感は一層深くなった。

「だから…」
「…え?」

「だからどうか…このまま側にいてもらえませんか…?あなたが近くにいてくれるだけで…俺は強くなれる」

その力強い眼差しに射抜かれて、やんわりと解こうとしていた手を握りしめられる。

「な、ぜ…」
「あなたを、愛してしまったからです」

そんな直情的な言葉に、抜け落ちていきそうだった心臓が貫かれた気がした。

「え…」
「エミリオさん。俺はあなたを泣かせたりしない。あなたを…幸せにしたいんです」

「何を…わ、私は…同性と、どうにかなることなど…」

狼狽えて震える手を取り返そうと身をよじるが、逆に手を引かれて、そっと抱き合うような距離で身体が寄り添った。

「わかってます。それでもいいんです。それでも…あなたから一方的に身体を…神を奪おうとするアイツを、俺は許せなかった」

「勇者様…」
「ソーマと、呼んでくださいエミリオさん。…紛らわしいですから」

「ソーマ様。あの、では彼は…」
「どうかアイツのことは忘れてください。お願いです…どうか…その瞳に俺を映してください…」

「…」

そんな優しげで情熱的な勇者…ソーマの言葉に、私は何も答えることはできなかった。




それから彼は、本当に封印されてしまったようだった。

ソーマは言った通り魔法や他の騎士から借りた剣だけで魔物と戦い、危なげなく勝利を続けていた。
魔物は人よりも手強いらしいが、あまり数が多いわけではなく、何日か辺境の地を歩き回ると出くわす回数も少なくなった。

私は…。

私はソーマが荷馬車に置き去りにした魔物の皮を被せた聖剣を、片時も手放せずにいた。

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