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第8章

第400話 主人公(弟)に謝りたい悪役令息②※

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(ダメ、イく!!!)

大きな波が来ることを予想してぎゅっと目をつぶると、極める寸前に彼の指が引き抜かれた。代わりに硬いモノが押し当てられる。

「ふぇ。も……ぅ、挿れるの?」

(早すぎない!?)

いつもは「もういいから入れて」というまで焦らされるのに、今日はなんだか様子が違う。

ピンクと白のもこもこしましまソックスを穿いたままの足が彼の肩にかけられ、このまま抱かれるのだとわかった。ズボンとパンツだけ脱がされた状態で挿れられるってなんか、いつもより恥ずかしいような……。

彼の指によって高められた身体はもう引き返せそうにはない。抵抗するのは諦めてとりあえず気になる服問題だけはなんとかしようと声を上げた。

「まってクライス、せめて服を脱がせて」
「はぁ…っ…そう……だな。もっと時間をかけて解さないと……いけないのに。はぁ…くそっ! 今の俺はどうかしてるな。頭を冷やしてくる」

自分の服を整えベッドを降りようとした彼を、僕は急いで引き留めた。

「どこ……いくの?」
「外へ。このままじゃ酷くしてしまうかもしれないから……」

アイスブルーの瞳はぎらついて、朱色に染まった目元がやけにセクシーだ。熱を冷ますために着崩したシャツ。そこから少し汗ばんだ肌がちらりと見えて、彼の色気を倍増させている。どう見てもモージューモードのままのくせに獲物を前に引き下がるなんて。

こんな欲情した顔をクライスのファンが見たら大騒ぎになってしまう。

(彼のことを好きな人はいっぱいいるのに。もし何かあったりしたら……)

最悪の状況が脳裏を横切り、お腹がちくんと痛んだ。どうにかしなきゃ。僕は彼のそでを強く自分に引き寄せながら言った。

「いいよ。たまには痛くても」
「何を言っている?」

理解不能、という目で見られても僕はくじけずに言葉を続ける。

「えっと……ほら、ちょっと痛いのもたまにはスパイスになるってテアが言ってた」
「お前はあいつらの話を鵜呑みにしすぎだ。キルナを傷つけるなんて俺は嫌だ」
「いいってば。もし切れて血が出ても、綺麗に治してくれるでしょ?」
「そういう問題じゃ……」
「んもう、わかった、じゃあいい方法があるからやってあげる。クライスはベッドに寝てて」
「おい!」

無理やり彼をベッドに寝かせズボンの前をくつろげると、彼のをパンツから引っ張り出して舐めていく。びっくりするほど硬く熱くなったそこは、ほんのり甘い魔力の水の味がする。

「あ、ほんとら、あまぁ」
「くぁっ……はぁ、はぁ」

先端から出てきた白濁を飲み込まないように気をつけながらハンカチに出し、またしゃぶって、ハンカチに出し、を繰り返すと、彼の体から少しずつ熱が引いていくのがわかった。
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