いらない子の悪役令息はラスボスになる前に消えます

日色

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第7章

第367話 帰ってきた王子様①※

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魔道具たちに翻弄され、動けないこの状況から助けて欲しい。切実に願いながら悶えていると、遠くから声が聞こえてきた。

「キルナ!」

勢いよく扉を開け誰かが入ってくる。

「はぁ…はぁ…はぁん……」
「キルナ!!!」
「ぁ…っ?」

クライスだった。汗とか涎とかでぐちゃぐちゃの僕の体を抱きしめ耳元で名を呼ぶ。いつも通りのイケボに安心し、その温かさを少しでも感じようと、僕は必死で彼に体を擦り付ける。

「そんなに寂しかったのか?」
「う…あ……」
「えらかった。ちゃんと待っていたんだな。もう帰ってきたから泣くな」

“泣いてなんかない”

って言おうとしたのに、言葉にならず、涙がぼろぼろ流れた。

“クライスが帰ってきてくれてうれしいの。これは嬉し涙だよ。”

そう伝えたいのに、どうやったって今は喘ぐことしかできない。とにかくローターをとってもらわないと話もできない。ジェスチャーで下半身を指差して、なんとかして、と伝える。

「そうか。触って欲しいのか」

(え、違う。今はそこ触っちゃまずいよ。先にこの凶悪なローターをとって……)

「んあああああああああ!!」


クライスはその美しい手で僕のをきゅっと柔らかく掴んだ。張り詰めたそこは、それだけで死ぬほど気持ちがいい。動かして欲しいのに、クライスの手は宝物でも扱うように、そっと握ってむにむにしているだけで物足りない。僕は自分で腰を上下に動かしてその手を使って快楽をむさぼった。

気持ちい気持ちいい!!

「ん…んん……んんん」
「こんなに蕩けて……。待たせて悪かった。約束通り死ぬほど気持ち良くしてやるからな」
「んん゛っ!!」

握っていただけだった手が動き出した。ローションをペニスにたっぷりかけられ、そのまましごかれる。欲しかった刺激が与えられて、僕はひぃひぃ泣きながら悦んでいた。いっぱいいじられしまいにはローションをたっぷりつけたガーゼで先っぽをくるくる擦られて鳴かされる。

「……っ…んがぁ…ああ゛っ……は……あぅ……」

何これ。ずっとイってるみたいに体が痙攣してる。気持ち良すぎて頭がおかしくなりそう。


リングがまっているから、いくら気持ち良くされても出せはしない。出せないのは辛いけど、クライスがそれを与えてくれているのだと思うと、なんだかうれしいような気さえして……。

『キルナサマってエムっ気あるのかな』

というテアの言葉が思い出される。そうかも。我慢させられて気持ちがいいなんて、普通とは言えない。でもだからこそ、この王子様の相手には僕じゃないとダメだと再確認した。(ユジンがクライスにこんなことされるところなんて想像もできないもんね)

だけど、ユジンがもしクライスを好きになったりしたら? 最近一緒に医務室に行くことが多いし、二人が共に過ごす時間は僕より長いと思う。そうしたらお互い好きになるかもしれない。だってクライスもユジンもとても魅力的だから。


って、あ、僕の爆発しそうなペニスが、なんかぬめぬめしたものに包まれた!?

「あ゛ああああああああああああああっ」
「また余計なことを考えているのか?」

ああ、クライスの熱い口内に僕のが入ってる。

「あぅ……」

(気持ちいい!!!!!!!!!!!!)

「ふっ。今リングを外せば甘い蜜が沢山出てきそうだな」

そんなことを言われ、想像してしまう。彼の口の中に出したところを。

フェラされながら溜め込んだものを吐き出したら、めちゃくちゃ気持ちがいいに違いない。でも現実にはリングが付いてて無理で。でもとっくに何度も射精してるくらい気持ち良くなってて。僕の脳みそは混乱する。

「もぅ……らしたぃいい」

ぐっちゅぐっちゅぐっちゅ

「せーーえきらしたぃいいいいい」

ぐっちゅぐっちゅぐっちゅ

「やあああああ……」
「いい顔だ。気持ちよさそうだな」

ああ、酷い。この王子様、本当にドSというやつだ。僕が叫べば叫ぶほど舌を絡め吸引を強め奥まで咥えて刺激を強めてくる。僕がそれを内心喜んでるってわかってやってるからタチが悪い。僕より僕のことを知ってる相手に勝てるはずがない。

クライスのことしか考えられない。クライスクライスクライス……。

「く…くらいしゅ……」
「やっと俺の名を呼んだか」

名前を呼べば、彼はようやく動きを止めて顔を上げた。
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