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第7章
第321話 クライスSIDE 魔力風邪②※
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看病から一週間が経ち、キルナの熱は下がり、頭痛と嘔吐感も治まってきた。魔力は相変わらず不安定だが、食事もできるようになって一安心だ。
ただ、彼が元気になり動けるようになったことで、混沌の度合いは増した気がする。一週間色々あった。詳しくは割愛するが、魔力枯渇と魔力酔いを繰り返す中で俺の精神はかなり鍛えられていった。
(もう慣れた……)
だから浅い眠りから覚めた自分の隣に、セクシーな下着姿の婚約者がいることにもそれほど驚かない。ただ、病人なのに肌の露出が多すぎることが少し気になるだけだ。
「あ、クライス、起きたの?」
「ぐはっ」
慣れたというのは気のせいだった。
くるりと振り向いた彼の服から透けて見えるピンクの乳首に、細い紐が食い込んだ尻に、目が釘付けになる。
(なんだ!? この破廉恥な服装は!!)
「キルナ……なんて格好をしているんだ」
「んぇ? 汗かいたから着替えたの……変?」
「いや、よく…似合っているが、それはどうした?」
実際似合いすぎて、まるで白い雪の妖精のようだ。真っ白なTバックを履いて、その上にこれまた真っ白い膝上丈のワンピースのようなものを着ていた。それは上から下まで透けるレースで出来ており、隠しているようで何も隠せていない。
こんなものをどこで手に入れたのか……その答えはキルナがくれた。
「んとね、今朝クライスが渡してくれたテアとリリーからの箱。さっき開けてみたら、この下着が入ってたから着てみたの」
ああ、あれか、と早朝から部屋に訪れた2人のことを思い出す。
『キルナサマ…大丈夫ですかぁ?』
『これ僕らから…その…お見舞いです。早く元気になってくださいとお伝えください』
心の底から心配していて今にも泣きそう、という表情で渡してきた箱の中身がまさか下着だとは……。
「あとフェルライト公爵家から届いたお見舞いがこのワンピースで、なんか見た目の割にすごく暖かいの。保温魔法がかかってるらしいよ。クライスが看病しやすいようにこの形なのだって。ルゥの手紙に書いてた」
公爵家から……絶対にルーファスが選んだに違いない。もしかしたら手作りの可能性もある。銀色の髪が縫い込まれていないかと目を走らせるが、それはわからなかった。
「暖かい服と下着か。よかったな。みんなお前のことを心配している。早く治せ」
「ん、わかった……」
本来恥ずかしがり屋の彼がこれを機嫌良く身につけるなんて、まだまだ本調子ではないらしい。
「ふぁ……着替えたからもっかい寝るね。クライスも一緒に寝てくれる?」
「ああ」
「おやすみのちゅうして、甘いやつ」
「おやすみ、キルナ」
ちゅっと優しくキスをすると彼は目を瞑り、俺もその横に寝転んだ。
ナデナデナデ……
キルナの手がまた俺の腹筋をさすっている。くすぐったい……。
俺を抱き枕のように抱くキルナ。細い脚が俺の脚の上に乗っている。軽いそれはとくに気にならないが、脚の間にある(繊細なレースの下の)柔らかな膨らみが俺の太ももにあたって……誘惑し続けてくる。これでは身じろぎすらできない。(そこを触りたい……やわやわと揉みたいという欲を必死で押さえつけた)
(はぁ。一体……どうしろというんだ)
思わず絶望のため息を吐いてしまった。
耐えるしかない。
あと一週間もしたら治るはずだ。
とりあえず、これからは見舞いの品は受け取らないようにしよう。そんなことを考えながら、俺は気絶するように眠った。
ただ、彼が元気になり動けるようになったことで、混沌の度合いは増した気がする。一週間色々あった。詳しくは割愛するが、魔力枯渇と魔力酔いを繰り返す中で俺の精神はかなり鍛えられていった。
(もう慣れた……)
だから浅い眠りから覚めた自分の隣に、セクシーな下着姿の婚約者がいることにもそれほど驚かない。ただ、病人なのに肌の露出が多すぎることが少し気になるだけだ。
「あ、クライス、起きたの?」
「ぐはっ」
慣れたというのは気のせいだった。
くるりと振り向いた彼の服から透けて見えるピンクの乳首に、細い紐が食い込んだ尻に、目が釘付けになる。
(なんだ!? この破廉恥な服装は!!)
「キルナ……なんて格好をしているんだ」
「んぇ? 汗かいたから着替えたの……変?」
「いや、よく…似合っているが、それはどうした?」
実際似合いすぎて、まるで白い雪の妖精のようだ。真っ白なTバックを履いて、その上にこれまた真っ白い膝上丈のワンピースのようなものを着ていた。それは上から下まで透けるレースで出来ており、隠しているようで何も隠せていない。
こんなものをどこで手に入れたのか……その答えはキルナがくれた。
「んとね、今朝クライスが渡してくれたテアとリリーからの箱。さっき開けてみたら、この下着が入ってたから着てみたの」
ああ、あれか、と早朝から部屋に訪れた2人のことを思い出す。
『キルナサマ…大丈夫ですかぁ?』
『これ僕らから…その…お見舞いです。早く元気になってくださいとお伝えください』
心の底から心配していて今にも泣きそう、という表情で渡してきた箱の中身がまさか下着だとは……。
「あとフェルライト公爵家から届いたお見舞いがこのワンピースで、なんか見た目の割にすごく暖かいの。保温魔法がかかってるらしいよ。クライスが看病しやすいようにこの形なのだって。ルゥの手紙に書いてた」
公爵家から……絶対にルーファスが選んだに違いない。もしかしたら手作りの可能性もある。銀色の髪が縫い込まれていないかと目を走らせるが、それはわからなかった。
「暖かい服と下着か。よかったな。みんなお前のことを心配している。早く治せ」
「ん、わかった……」
本来恥ずかしがり屋の彼がこれを機嫌良く身につけるなんて、まだまだ本調子ではないらしい。
「ふぁ……着替えたからもっかい寝るね。クライスも一緒に寝てくれる?」
「ああ」
「おやすみのちゅうして、甘いやつ」
「おやすみ、キルナ」
ちゅっと優しくキスをすると彼は目を瞑り、俺もその横に寝転んだ。
ナデナデナデ……
キルナの手がまた俺の腹筋をさすっている。くすぐったい……。
俺を抱き枕のように抱くキルナ。細い脚が俺の脚の上に乗っている。軽いそれはとくに気にならないが、脚の間にある(繊細なレースの下の)柔らかな膨らみが俺の太ももにあたって……誘惑し続けてくる。これでは身じろぎすらできない。(そこを触りたい……やわやわと揉みたいという欲を必死で押さえつけた)
(はぁ。一体……どうしろというんだ)
思わず絶望のため息を吐いてしまった。
耐えるしかない。
あと一週間もしたら治るはずだ。
とりあえず、これからは見舞いの品は受け取らないようにしよう。そんなことを考えながら、俺は気絶するように眠った。
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