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第6章

第270話 番外編:クライスSIDE チョロいんオメガバース⑥※

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許しをもらい、丁寧に服を脱がせると、そこには白く艶かしい体があった。折れそうに細い腰がクネクネと動いている。

(触りたい。触りたい。触りたい!!!)

という浅ましい欲望を抑えつけながら、身体中をできる限り優しく触っていった。太もも、腹、首筋……。どこを触ってもピクピクと反応する彼を眺める。快楽に身を委ね、くったりとベッドに横たわる彼の体はどこもかしこもほんのりと赤く色づき美しい。

「綺麗な体だ。可愛い……」

いつだって彼に触りたかった。こんなふうに触れられる日が来るなんて、夢のようだ。せっかく初恋の人と同じクラスになれたのに、アルファを避けている彼とはなかなか話もできなかった。怖がらせてはいけないと近づくのを我慢し、変な奴が近づかないよう牽制しながらただただ見守る日々。

切ない日々を思い出していると、彼の口からふいにが投下された。


「あの、ここもさわって?」

恥ずかしそうに胸を突き出し乳首に触れてほしいと強請ねだられ、その可愛さに悶絶する。ころころと指先で柔らかなそこをこねると「もっとぉ……こっちも……」ともう一方を差し出してくる。

(もう我慢しなくていい……のか?) 

その美味しそうになピンクの乳首をちゅうっと吸い上げると、ピュッとキルナの欲望が弾けた。彼の出したものは、もちろん余さず舐めとる。全部、俺のものだ。


彼の殺人的おねだりはまだ終わらない。

「気持ちいぃ……よぉ。おねが……おしりとペニスもさわってほし……」

自分で両膝の裏を抱えておねだり……だと!? 待ってくれ……頭が、おかしくなりそうだ。いや、もうおかしいかもしれない。

「ああ、えらいな。触りやすくしてくれてるんだな。拡げるから、手はそのまま、足を持っておけ」

未知なる世界に指を一本侵入させた。ああ、この神聖な場所に俺の指が!?

傷つけないようにゆっくりゆっくり進ませる。そこは何もしなくともじゅくじゅくに濡れそぼっていた。いじったこともなさそうな慎ましいピンクのアナルは、何の抵抗もなく指を受け入れていく。
ここに、自分のを挿れたらどうなるのだろう。想像するだけでもう心臓が爆発しそうだ。

「あのね…クライス…はぁ……はぁ……」
「なんだ?」
「お尻の穴……なんだけど……ぼく……」
「痛いか?」

興奮のあまり優しくできなかったのかと自分を呪いかけた時、
天使のような彼が、頬を赤らめながら言った。

「ちがうの、あの、あ……もっ…指……大丈夫だから……クライスのを挿れて?」

え?

「はやくいれてせいえきちょーだい」

なんだって?

自分の中の何かが、外れた気がした。


キルナが欲しい。




室内は彼の嬌声に満ちていた。狂ったようによがる姿に興奮が抑えきれない。キルナの気持ちいい場所はどこなのか、どうしたら喜ぶのか、それだけを考える。

「今イッてるからぁ、手動かさないでぇえええええ!!!」
「早くしたいんだろう? ほら、イってる間に後ろが解れてきた。指が三本入るようになったぞ」
「ぐ…あ……あ゛……んふぅ………んんあああああああああ!!!」
「前立腺と前からの刺激どっちも好きそうだな」
「あ…ああ……アッ……あ……あ゛……ふああああぁああああ…イってぅ……いま、いってぅぁ…………いってうってばあ……!!!」

快感に泣き叫ぶ彼が可愛い。涙と飲み込み損ねた唾液で顔はびちょびちょになっている(もちろんそれも全部舐めとった)。よく見ると腹も尻もなにもかももうドロドロ。アナルは蕩け、ようやく準備が整った。

「トロトロになってる顔、好きだ。キルナ。挿れるぞ」

もうすっかり柔らかくなったソコは、俺のモノを嬉しそうに迎え入れてくれる。飲み込みながらクプクプと広がるその様子がエロ可愛いすぎて、それだけでもうイキそうになるのをなんとかこらえた。顔を真っ赤にしてプルプル震えながらも、健気に膝裏を持ち続けている彼が愛おしい。

「あぁっ全部入った」

感涙。幸せすぎてみっともなく泣いてしまった。

「うぁ……、はぁ……、これ…気持ちイイよおぉ。クライスも……きもちいぃ?」
「ああ、気持ちがいい。お前の中は温かくて柔らかくて、ずっとこうしていたいくらいだ」
「いいよ、ずっといれてて……いっぱいちょうだい、ずうっとちょうだい。ね、おねがい」
「…………」

キルナは俺を殺す気かもしれない。でも構わない。彼になら殺されてもいい。



それから一週間、彼と共に幸せな時間を過ごした。

「好きだ。キルナ。好きなんだ。愛してる」

今言っても忘れてしまうだろうということはわかっていたが、言わずにはおれなかった。

「はぁ、はぁ……好…き? クライスは…僕のこと…すきなの? あ…んぁ…」
「そうだ、ずっとずっと好きだった」
「そ……なの? んう、ふぅ……わかんなかっ……た。あ、そこ…ふああぁああん、きもちいいぃい!!!」


ずっと繋がっていたかったが、食事だけは気をつけた。キルナの体調が第一だ。きちんと食べさせたい。
しかし、これが大変だった。もともと少食な上、今は性欲が先立って食事に注意が向かない。何度勧めても首を横に振るばかりだった。

「ほら、口を開けろ、少しでも食べておかないと身がもたないぞ」
「ん、いらない……あ、もっとして、ね、もっとぉ……ぬかないでぇ」
「一旦休憩して、食事にしよう。昨日からほとんど何も食べてないだろ?」

無理やりゼリーを口移しで含ませる。

「んぅ~ああ……、むぐ。食べてる時間なんてないのにぃ~もぐもぐもぐ、ん、おいし……」

昨日は友人が持ってきてくれたゼリーを与えたが食べなかった。味にはかなりうるさいようだ。今日は超偏食の彼のために彼の家の料理人にゼリーを用意してもらった。栄養も満点らしい。なんとかゼリーを完食し、胸を撫で下ろす。

水もなかなか飲まないから口移しで飲ませ、トイレに連れていき、あとはずっとぴったりとくっついていた。少しでも離れるとふえええんと泣き出す姿が愛おしくて、また欲望が膨らみ……一段と激しくしてしまう。

愛して、抱きしめて、キスをして、何度も何度も気持ちを伝えた。

「キルナ、愛してる。ずっとずっと好きだった」

出会った時からずっと好きだったんだ。



ヒートも終わり、ようやく普通の食事ができる状態になった頃、彼は実はオメガだ、ということを自分から告白してきた。今まで家族や周囲に嫌われたくなくて、ずっとベータだと偽ってきたという。一番身近にいる人に嘘をつき続けるのは苦しかったに違いない。

こんなにも彼が悩み苦しんでいたことを知り、自分がアルファとしてのうのうと生きていたことを恥じた。
これから先、キルナがベータとして生きたいというならもちろんそれは応援しようと思った。今まで通り少し離れたところから見守っていくことだって……できるだろうか、いや、する! 彼が望むように。

でも……。

アルファとオメガだけが、特別な絆をつなげることができる。できることなら……。

「大変だったんだな。でもキルナ、お前がオメガであることが俺は嬉しい」
「なん…で?」
「お前と番になりたいからだ。ずっとずっと好きだった。俺と番になってくれ」

正直な気持ちを告げた。彼は俺の言葉を聞き、うん? と首を捻っている。どう断ろうと考えているのかもしれない。冷静に考えて自分がオメガであることを嫌悪している彼が俺を受け入れることはなさそうだ。

『ごめん、僕はベータとして生きていくから。それは、無理だよ』

きっとそんなかんじの答えが返ってくるのだろう。フラれて絶望する自分が容易に想像できた。虚しく影から彼を見つめ続ける自分も。この間が……苦しい。

彼は一頻ひとしきり考えた後、口を開いた。

「えと、番ってどうやってなるのだっけ?」

(えっ…? 悩んでいたのはそれなのか!? まさか、番になってくれるのか? ここに印をつけていいのか?)

ドキドキしながら彼を抱きしめると彼も同じようにドキドキしていることがわかる。シフォンケーキのような甘い香りのうなじに唇を寄せると、彼はくすぐったそうに身を捩った。

「俺に任せてくれればいい。次の発情期がきたら」

ーー番になって結婚しよう。

ふわりと微笑みながら頷く彼に、想いを込めてもう一度うなじにキスをした。


                      🐰オメガバース(おしまい)


***

これにてチョロいんオメガバース完結です! 本当は巣作りするキルナも書きたかったけど、無理でした😭 読んでくださりありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))♡
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