いらない子の悪役令息はラスボスになる前に消えます

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第6章

第267話 番外編:チョロいんオメガバース③※

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※挿入しちゃってます。本編までそれは待ちたい、と思われる方は読まないようお願いしますm(_ _)m



前もだけど、お尻の穴がじゅわりと濡れる感じがする。
とにかく普通ではない状態の体にどうしようと不安が募り、こんなの一人だったら発狂していたんじゃないかと思った。

だけど、クライスが濡れてしまった服をテキパキと脱がせてじっくり肌を触ってくれると、体はピクンピクンって反応しまくって喜び、心は幸せで満ちていく。

「綺麗な体だ。可愛い……」

アルファは怖いと思って近づかないようにしていたのに、クライスのことはなぜか怖くない。
彼の安心する香りと、優しい手つきのせいかな? 

「あの、ここもさわって?」

おずおずと疼いて堪らない乳首を差し出すと、ころころと指先でこねられる。クルクルと触れるか触れないかくらいのタッチで触られているだけなのに、電気が走るくらいのビリビリした感覚が襲った。

「もっとぉ……こっちも……っんあぁ!」

右の次は左、コロコロ転がされ、ちゅうっと強く吸われると、それと同時に何かが出た。胸からじゃなくってペニスから。ブワーっと達した快感に浸りつつ、辿り着いてはいけない境地に到達した自分に唖然とする。

(なんてこと……。もしかして僕。胸だけでイっちゃった?)

信じられない思いで自分のお腹に散ったものを見た。彼はというと、気にした様子はなく、なんと、僕が出したものを舐めとりはじめる。ねろっと白濁を舐めとる舌の感触がお腹を伝い、それも気持ちが良くてヒクヒク震えながら腰を上げた。

「気持ちいぃ……よぉ。おねが……おしりとペニスもさわってほし……」

直接の刺激が欲しくてもう我慢できない。
どんな変態的なことも彼なら許してくれるような気がして、自分でぐっと両膝の裏を抱えておねだりする。

「ああ、えらいな。触りやすくしてくれてるんだな。拡げるから、手はそのまま、足を持っておけ」

願った通り、長い指が一本、くちゅっと中に入ってきた。最初っから濡れ濡れで、ヌクッと奥まで何の抵抗もなく指を受け入れているのが恥ずかしい。こいつまさかお尻の穴に毎日自分で指入れてるんじゃなかろうか、と思われた可能性もある。そんなことしてないよって言わなきゃ……。

「あのね…クライス…はぁ……はぁ……」
「なんだ?」
「お尻の穴……なんだけど……ぼく……」
「痛いか?」
「ちがうの、あの、あ……(クライスの大きい!?)もっ…指……大丈夫だから……クライスのを挿れて?」

お尻の穴の言い訳をしようとしてたら、大きく勃起した彼のモノがズボンを押し上げているのが見えた。彼のが欲しい!早く挿れて欲しぃ!奥まで入れて、注いで! 想像するだけで内腿がブルリと震える。

「んぅうう、もういいからぁ。はやくいれてせいえきちょーだい」
「我慢できないのか? ここはゆっくり解したいんだが……。ほら、前でもう一回イッとけ」

ぐちゅぐちゅと前を擦られると、というか、触れられた瞬間にびゅうっと出て、少し動かされるとまたピュピュッと出て、次から次へと出てくるそれを面白いと思ったのか、イッてるのに上下に擦る動きを止めない鬼畜な彼に僕は泣き喚いた。

「今イッてるからぁ、手動かさないでぇえええええ!!!」
「早くしたいんだろう? ほら、イってる間に後ろが解れてきた。指が三本入るようになったぞ」
「ぐ…あ……あ゛……んふぅ………んんあああああああああ!!!」
「前立腺と前からの刺激どっちも好きそうだな」
「あ…ああ……アッ……あ……あ゛……」

両方からの刺激がキツすぎて、もう何も考えられない。お尻の穴の準備ができた、それだけわかった。もうずっとイってる。ずうっと前からも後ろからも何か出てて、彼の手も僕のお腹もシーツもびしょびしょ。指を三本入れられかき混ぜられている穴からぐじゅぐじゅって派手な水音がしてる。気づくと彼も服を脱いでいた。穴に怒張したペニスをあてがっている。まさか、今!?

「ふああああぁああああ…イってぅ……いま、いってぅぁ…………いってうってばあ……!!!」
「トロトロになってる顔、好きだ。キルナ。挿れるぞ」

ちゅっちゅ、と唇にキスしながら、彼が挿入ってくる。じっくりじっくり熟れた肉壁を掻き分けながら奥へ。
もうムリもうムリと思いながらも待ち侘びた彼のモノをやっともらえた喜びにドロリとまた何かが溢れる。そこはきゅううっと締め付けて大好きな彼を逃さないように捕まえた。

「あぁっ全部入った」

恍惚とした彼の表情はとてつもなくセクシーだ。

「うぁ……、はぁ……、これ…気持ちイイよおぉ。クライスも……きもちいぃ?」
「ああ、気持ちがいい。お前の中は温かくて柔らかくて、ずっとこうしていたいくらいだ」
「いいよ、ずっといれてて……いっぱいちょうだい、ずうっとちょうだい。ね、おねがい」

それからドロドロぐちゃぐちゃの溺れるようなセックスが始まった。意識は常に朦朧としていて幸福感に満ちている。彼が与えてくれるものを全部もらい、まだまだ足りないもっともっとって、ずっとねだっていた。食糧がきたとかなんとかで彼がちょっとでも離れそうになると泣いた。

「ふぇええええん、なに? なんでやめるの!?」
「すまない、続けるから泣くな」

キスをいっぱいして、胸にもちゅうっとキスをして、抱きしめてもらうと彼の匂いで頭がいっぱいで涙が止まる。

「キルナ、愛してる。ずっとずっと好きだった」

そんな彼の言葉が頭の奥で繰り返されていた。





一週間、そんな感じで(どんなかんじはあんまり覚えてないから説明できないのだけど)あっという間に過ぎていった。やっとヒートから抜け出し、僕は久しぶりに服を身につけて彼と一緒に朝ごはんを食べている。

僕は勇気を出して究極の秘密を打ち明けることにした。

「あのね、僕、ほんとはオメガなの」

思った通り、彼は驚いてはいない。バレバレだったんだろう。一週間もあんなふうになるなんて、ヒートだって誰だって気づく。僕は話を続けた。

「僕の両親、とくにお母様は、オメガがとても嫌いなの。だから絶対オメガは嫌だって思っていたのに……」

診断結果はオメガだった。

「アルファは無理でもせめてベータになりたくて、ずっとみんなに…嘘をついていたの」
「そうか」
「弟は両親の希望通りアルファでね……」

今まで一人で抱えてきた秘密を打ち明けるのは、もっと怖いことだと思っていたのに。彼はきちんと聞いてくれるのだろうと思うと、ちょっとずつ溜めていた言葉を吐き出すことができた。

「大変だったんだな。でもキルナ、お前がオメガであることが俺は嬉しい」
「なん…で?」
「お前と番になりたいからだ。ずっとずっと好きだった」

僕のことが好きだなんて、変な男だな、と思ったけれどなんだかこそばゆい。
「好き」って言われることが、こんなに胸をドキドキさせるなんて。

「俺と番になってくれ」
「あ。えと、番ってどうやってなるのだっけ?」

ろくにオメガのことを勉強してこなかったせいで、何をしたらいいのかわからない。ベータとして一生一人で生きていく覚悟をしていたからあえてそういう知識を避けて生きてきたのだ。

でも彼はそんな僕に優しく微笑み、チュッとうなじにキスをした。

「俺に任せてくれればいい。次の発情期が来たら」


ーー番になって結婚しよう。


壁ドンされながら言われたセリフをもう一度言われるなんて、おもしろっ! と思いながら僕は頷いた。

              

                       🐰オメガバース(おしまい?)
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