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第5章
第258話 我慢できない悪役令息①※
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迷惑をかけたくないから、今日は我慢するのだと決めた。なのに、
(なんだろう、この悶々とするかんじ……)
こういう時は数術の難しい問題とかを考えて頭を切り替えよう。4ガレ8ルムのポポの実と……はぁ…はぁ…149ガレの折り畳み傘。どっちが…何倍高いでしょう……。どっちが…はぁはぁ……。
「真っ赤だぞ? 苦しいのか?」
ふるふると首を振る。ムラムラはしてるけど、まだ理性は保ってる。大丈夫、大丈夫。とりあえず数術は効果がないみたいだから他の方法を考えよう。
眠れない時は、あれだ。前世から有名な、あの動物の数を数えるやつをやってみよう。頭の中で白いふわふわの毛を纏いスヤスヤと眠る動物を思い浮かべると、いいかんじにリラックスできてうまくいきそうな気がしたのだけど……。
(……ののんが156匹、ののんが157匹、ののんが…158匹、ッ…ののンが…………んと何匹だっけ?)
いくら考えても思い出せず、眠くもならず、この方法も諦めることにした。そもそもまだ夕食前。眠るには早すぎる時間だ。これ以上頑張っても寝るのは難しそうだった。
僕はついに決意を固め、彼の胸元に顔を埋めながら目を開いた。
(仕方がない。ちょっとだけ…触ろ。少し触って満足したらマシになるかも)
クライスに気づかれないように注意しながら、そろそろと右手を伸ばし、大事なところに服の上から触れてみた。こっそりこんなことをして、すごくイケナイことをしている気分。
「ア……んむ」
声を出さないように左手で口を覆った。やわやわとそこを触ると待ち侘びていた刺激に夢中になり、気が逸れるどころかますます強い刺激が欲しくなって、腰を動かしそうになる。
さっきは落ち着くと思っていた彼の匂いが、今では興奮材料になって僕の脳内をピンクに染めた。彼の手はいつもどんな風に触ってくれたかしら。
(たしかこの辺…が…気持ちよくて……ああ、もっと……)
調子に乗っているうちに動かしていた手が彼のお腹に当たってしまった。まずい!
「ん? キルナ、何をモゾモゾしてるんだ?」
これ以上はダメ! バレちゃう! と思ってぎゅっとソコを握った。痛みでこの煩悩炸裂状態から逃れることができたなら。でもその行為は思ったよりも危険だった。そこは男の急所。ぐにゃりとした感触とともに死ぬほどの痛みが襲う。
「いあァっ……!!!!!!!」
ビクリと弾けるように体が跳ね、思考と呼吸が一時停止した。
「どうした!? って、おい、なんで泣いてる?」
「カハッ……あ……クライスぅ……い、痛すぎ……て」
「痛いだと? 怪我をしているのか?」
「えと、怪我は……ないのだ…けど……」
自分の馬鹿すぎる行動を説明するのは憚られ、もにょもにょ言っているうちにさっきの痛みは薄れてきて、またまたそこに熱が集まってくる。痛みにすら快感を感じ、高まる体。うぅ、僕はどうやら変態だったらしい。
こんなのどうしろっていうの? 頭がぐるぐるする。もう、ダメだ。自分ではどうしようもない。心と体が限界を迎え、気づくと僕は叫んでいた。
「ふああああん。やっぱダメぇ! が、我慢できないよぅ。触って!!!」
(なんだろう、この悶々とするかんじ……)
こういう時は数術の難しい問題とかを考えて頭を切り替えよう。4ガレ8ルムのポポの実と……はぁ…はぁ…149ガレの折り畳み傘。どっちが…何倍高いでしょう……。どっちが…はぁはぁ……。
「真っ赤だぞ? 苦しいのか?」
ふるふると首を振る。ムラムラはしてるけど、まだ理性は保ってる。大丈夫、大丈夫。とりあえず数術は効果がないみたいだから他の方法を考えよう。
眠れない時は、あれだ。前世から有名な、あの動物の数を数えるやつをやってみよう。頭の中で白いふわふわの毛を纏いスヤスヤと眠る動物を思い浮かべると、いいかんじにリラックスできてうまくいきそうな気がしたのだけど……。
(……ののんが156匹、ののんが157匹、ののんが…158匹、ッ…ののンが…………んと何匹だっけ?)
いくら考えても思い出せず、眠くもならず、この方法も諦めることにした。そもそもまだ夕食前。眠るには早すぎる時間だ。これ以上頑張っても寝るのは難しそうだった。
僕はついに決意を固め、彼の胸元に顔を埋めながら目を開いた。
(仕方がない。ちょっとだけ…触ろ。少し触って満足したらマシになるかも)
クライスに気づかれないように注意しながら、そろそろと右手を伸ばし、大事なところに服の上から触れてみた。こっそりこんなことをして、すごくイケナイことをしている気分。
「ア……んむ」
声を出さないように左手で口を覆った。やわやわとそこを触ると待ち侘びていた刺激に夢中になり、気が逸れるどころかますます強い刺激が欲しくなって、腰を動かしそうになる。
さっきは落ち着くと思っていた彼の匂いが、今では興奮材料になって僕の脳内をピンクに染めた。彼の手はいつもどんな風に触ってくれたかしら。
(たしかこの辺…が…気持ちよくて……ああ、もっと……)
調子に乗っているうちに動かしていた手が彼のお腹に当たってしまった。まずい!
「ん? キルナ、何をモゾモゾしてるんだ?」
これ以上はダメ! バレちゃう! と思ってぎゅっとソコを握った。痛みでこの煩悩炸裂状態から逃れることができたなら。でもその行為は思ったよりも危険だった。そこは男の急所。ぐにゃりとした感触とともに死ぬほどの痛みが襲う。
「いあァっ……!!!!!!!」
ビクリと弾けるように体が跳ね、思考と呼吸が一時停止した。
「どうした!? って、おい、なんで泣いてる?」
「カハッ……あ……クライスぅ……い、痛すぎ……て」
「痛いだと? 怪我をしているのか?」
「えと、怪我は……ないのだ…けど……」
自分の馬鹿すぎる行動を説明するのは憚られ、もにょもにょ言っているうちにさっきの痛みは薄れてきて、またまたそこに熱が集まってくる。痛みにすら快感を感じ、高まる体。うぅ、僕はどうやら変態だったらしい。
こんなのどうしろっていうの? 頭がぐるぐるする。もう、ダメだ。自分ではどうしようもない。心と体が限界を迎え、気づくと僕は叫んでいた。
「ふああああん。やっぱダメぇ! が、我慢できないよぅ。触って!!!」
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