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第5章
第245話 クライスSIDE 魔王と悪役令息※
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…………ちゅ
目を瞑った俺の唇に、彼は小さくキスをした。
時間をかけた割には、なんとも可愛いもので、キルナらしいと笑ってしまう。満足した俺は、さぁ寝ようと彼を促した。
テアの看病をはじめてから、彼はよく眠れていないようだった。いつも目の下にクマを作り眠そうにしている。今日はゆっくり休ませてやりたい。俺もそういえばパーティーの後処理で最近寝不足だしな、とあくびをしそうになっていると、キルナが急に驚くべき行動に出た。
「さっきのは練習! ほんとはもっとすごい大人のキス、できるよ」
顔を真っ赤にして宣言したと思うと、勢いよく唇を重ねてくる。
(え? なんでまたキスを?)
訳がわからず成り行きに任せていると、温かく小さな舌が歯の隙間をくぐって潜り込んできて、俺の舌をくすぐった。恥ずかしがり屋のキルナがこんなことをするなんて……。
予想外の動きに戸惑っていると、彼の舌が迷子のように口の中をうろうろし始めた。この後どうしてよいかわからなくなっているようだ。
(大人のキスだと? そんなもの、どこで覚えてきたんだ?)
考えはまとまらないが、せっかく彼から仕掛けてきたのだからと悪戯な舌に応え、絡ませ吸い上げ彼の口を堪能することにした。次第に深くなっていくキスは、相変わらずしっとりと甘くて病みつきになる味だ。
(この味を知っているのは俺だけのはず、だよな?)
不意に不安に襲われる。誰か他の人間と、大人のキスをしたのだとしたら?
「ひっ…ん…も、離してくれないと、…んあ、き、気持ち良くなっちゃう……」
「いいぞ、気持ち良くなれ」
キルナの蕩けるような顔をみていると我慢できなくなり、さっきから太ももにピタピタと当たっている彼のペニスに触れた。
「んぁ? んむ!!」
幼くフワフワとした彼のペニスは揉めば少しずつ硬くなる。余程気持ちが良いのか、「んぅ~~…」とくぐもった声をあげているが、俺の口の中にその叫び声はほとんど吸い取られている。
目を見開いて、過ぎた快感に涙を零す彼をみると、この手でもっと気持ち良くしてやりたいという征服欲がムクムクと湧いてくる。手の中にすっぽりと収まってしまうサイズの彼を優しく丁寧に可愛がると、ピクンピクンと手の中で脈打っていた。
自分のモノと一緒に合わせて擦ると……ブルブルブルっとキルナの体が大きく震え、まだ出せはしないが達しているのだとわかった。出さずに達するというのはどういう感覚なのだろうかと疑問に思うが、どうやら長々と快感が続くらしく、喘ぎ声は一層艶やかになっている。
「……もっとか?」
「あ…あ゛!!いあぁ……。も、もっとして!」
可愛いおねだりに心が満たされ、先ほど感じた不安が薄まる。「気持ちいい」を繰り返す彼の素直さに愛しさが込み上げた。ずっとこうして抱きしめていたい。離れたくない。
ーーどこもかしこも自分より小さく柔らかな体。
それはとても頼りなく見えるのに。
「こんな小さい手なのにな……キルナ、お前はこの手でテアの命を守ったんだな。頑張ったな」
身を挺して自殺を図ったテアを救ったのだと聞いた。鋭い水の短剣を目にして臆することなく手を伸ばすなんて、簡単にできることではない。その優しい心根と勇気にますますどうしようもないほどに惹かれる。
だがその反面無茶をしないでくれ、と縋りつきたくなる。
彼は自分のように回復術は使えない。魔法で身を守る術も持たない。そしてその華奢な体は、一緒に暮らしてきた学友達と比べてもダントツでか弱く脆い。
「もっと自分の体を大切にしてくれ」
祈るように完治したばかりの右手の甲にキスをして。そのままもう半分眠りかけている彼とともに、ゆっくりと休むはずだった。
あの衝撃的な言葉を聞くまでは。
目を瞑った俺の唇に、彼は小さくキスをした。
時間をかけた割には、なんとも可愛いもので、キルナらしいと笑ってしまう。満足した俺は、さぁ寝ようと彼を促した。
テアの看病をはじめてから、彼はよく眠れていないようだった。いつも目の下にクマを作り眠そうにしている。今日はゆっくり休ませてやりたい。俺もそういえばパーティーの後処理で最近寝不足だしな、とあくびをしそうになっていると、キルナが急に驚くべき行動に出た。
「さっきのは練習! ほんとはもっとすごい大人のキス、できるよ」
顔を真っ赤にして宣言したと思うと、勢いよく唇を重ねてくる。
(え? なんでまたキスを?)
訳がわからず成り行きに任せていると、温かく小さな舌が歯の隙間をくぐって潜り込んできて、俺の舌をくすぐった。恥ずかしがり屋のキルナがこんなことをするなんて……。
予想外の動きに戸惑っていると、彼の舌が迷子のように口の中をうろうろし始めた。この後どうしてよいかわからなくなっているようだ。
(大人のキスだと? そんなもの、どこで覚えてきたんだ?)
考えはまとまらないが、せっかく彼から仕掛けてきたのだからと悪戯な舌に応え、絡ませ吸い上げ彼の口を堪能することにした。次第に深くなっていくキスは、相変わらずしっとりと甘くて病みつきになる味だ。
(この味を知っているのは俺だけのはず、だよな?)
不意に不安に襲われる。誰か他の人間と、大人のキスをしたのだとしたら?
「ひっ…ん…も、離してくれないと、…んあ、き、気持ち良くなっちゃう……」
「いいぞ、気持ち良くなれ」
キルナの蕩けるような顔をみていると我慢できなくなり、さっきから太ももにピタピタと当たっている彼のペニスに触れた。
「んぁ? んむ!!」
幼くフワフワとした彼のペニスは揉めば少しずつ硬くなる。余程気持ちが良いのか、「んぅ~~…」とくぐもった声をあげているが、俺の口の中にその叫び声はほとんど吸い取られている。
目を見開いて、過ぎた快感に涙を零す彼をみると、この手でもっと気持ち良くしてやりたいという征服欲がムクムクと湧いてくる。手の中にすっぽりと収まってしまうサイズの彼を優しく丁寧に可愛がると、ピクンピクンと手の中で脈打っていた。
自分のモノと一緒に合わせて擦ると……ブルブルブルっとキルナの体が大きく震え、まだ出せはしないが達しているのだとわかった。出さずに達するというのはどういう感覚なのだろうかと疑問に思うが、どうやら長々と快感が続くらしく、喘ぎ声は一層艶やかになっている。
「……もっとか?」
「あ…あ゛!!いあぁ……。も、もっとして!」
可愛いおねだりに心が満たされ、先ほど感じた不安が薄まる。「気持ちいい」を繰り返す彼の素直さに愛しさが込み上げた。ずっとこうして抱きしめていたい。離れたくない。
ーーどこもかしこも自分より小さく柔らかな体。
それはとても頼りなく見えるのに。
「こんな小さい手なのにな……キルナ、お前はこの手でテアの命を守ったんだな。頑張ったな」
身を挺して自殺を図ったテアを救ったのだと聞いた。鋭い水の短剣を目にして臆することなく手を伸ばすなんて、簡単にできることではない。その優しい心根と勇気にますますどうしようもないほどに惹かれる。
だがその反面無茶をしないでくれ、と縋りつきたくなる。
彼は自分のように回復術は使えない。魔法で身を守る術も持たない。そしてその華奢な体は、一緒に暮らしてきた学友達と比べてもダントツでか弱く脆い。
「もっと自分の体を大切にしてくれ」
祈るように完治したばかりの右手の甲にキスをして。そのままもう半分眠りかけている彼とともに、ゆっくりと休むはずだった。
あの衝撃的な言葉を聞くまでは。
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