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第5章

第246話 クライスSIDE 魔王と悪役令息のその後※

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ベッドに座り込んだまま、プルプルと生まれたてのメフメフのように震えているのは、可愛い可愛い俺の婚約者。

「僕、おもらし……。おもらししちゃった……」

一人ブツブツと呟いている彼は、羞恥に顔を赤らめ目に涙を溜めている。その姿を見てお仕置きとはいえ、さすがにやりすぎたと反省した俺は、「綺麗にしておいたから大丈夫、気にしなくていい。俺が悪かったから、キルナのせいじゃないから」と謝り続けた。

「うぅ…ふぇ……うく……」

想像以上にショックを受けたらしい。泣き顔も可愛いが……このままでは嫌われかねない。なんとかしなければ。


「キルナ、テアが落ち着いてきたら、一緒に湖でも見に行かないか?」
「湖?」

やっと顔を上げてくれた。

「昔ブックカフェで植物図鑑を見ながら話をしたことがあっただろう? ヒカリビソウのたくさん自生している湖だ。少し遠いが転移魔法で行けばすぐだし、南で温暖な気候だから、昼は泳ぐこともできるし、夜になれば幻想的な風景が楽しめる」

「い、行きたい。あ、でも僕、泳げないけど……」

「ははっ知ってる。大丈夫、俺が泳ぎを教えてやるから。水面に光が反射して、とても綺麗なんだ。きっと気に入る」

「そんな場所なら妖精もたくさんいるかもしれないね」

無邪気にはしゃぐキルナはまた一段と可愛い。笑顔がみられてよかった。

俺はホッと胸を撫で下ろし、残っている仕事を一刻も早く終わらせて、最高のデートプランを立てようと心に決めた。
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