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第5章
第240話 大人のキス※
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裸で腕枕のまま寝るしかないのか……。寝れるかな? と頭を悩ませていると、クライスが僕の下唇を親指でさらりと撫でた。
「こんな時は何をしたらいいか、前に教えたはずだが覚えているか?」
「え?」
そう言って彼はスッと目を瞑った。眠った訳ではなさそうだ。僕の答えを待っているのかもしれない。“心配かけた時何をするか”あまり記憶力の良くない脳みそをフル回転させ、ようやく閃いた。
「もしかして…心配かけてごめんなさいのキスをする…とか?」
彼はぱちっと目を開き、えらいえらいよく覚えていたな、と枕じゃない方の手で僕の頭を撫で、もう一度目を瞑る。
「……」
ってことは、これは寝てるんじゃなくてキスを待ってるってこと?
「えと……ほんとにしなきゃ駄目?」
彼は目を瞑ったままこくんと頷いた。やるしかないらしい。
唇を合わせるなんて、魔力の受け渡しで何度もやったはず。簡単なことだ。頑張れ僕、と勇気を奮い立たせようとするけど、なかなかできない。
最近学校を休んでテアの看病をしているせいで、クライスと一緒にいる時間が短い。寝る前の魔法操作の練習もしていないから、余計にハードルが高くなっている。しかも自分からのキスとは!!
「早く」
「う…うん」
やるしかない!
……………ちゅ
やっとの思いでひとつキスをした。
「キルナらしいキスだな」
ふっと笑って彼は僕の頭をいつものようにポフポフと撫で、「さぁ寝よう」と言う。
え? 僕らしいってどういう意味だろう。クライスは満足そうに目を瞑ったままだけど……。
もしかして、子どもっぽいキスだったってこと?『なんだ、こんなのしかできないのか。まだまだお子様だな』って馬鹿にされてる!? 実は(中身は)僕の方が年上なのに!?
「さっきのは練習! ほんとはもっとすごい大人のキス、できるよ」
声を張り上げて宣言し、そのまま僕は挑むように彼に口付けた。「え?」とびっくりして固まっている彼の舌を思い切ってレロレロと舐める。すると次第に彼の舌も動き出し、くちゅ、ぐちゅっと激しい音を立てて舌が絡まり合った。
舌を擦られ、逃げようとすると追いかけられて捕まって、じゅるっと吸い上げられる。じゅぼじゅぼと舌を扱かれ、喉の奥深くまで舐められ息が詰まりそうになった。
(何これ。全然思ってたキスじゃなくなってきてる。)
「ふあ、んぅ…ぐ…んぐ…、はぁ、深すぎ…ん………、はっぁん」
歯列をなぞられ上顎も舐められ、どんどん口の中が敏感になっていく。
「ひっ…ん…も、離してくれないと、…んあ、き、気持ち良くなっちゃう……」
「いいぞ、気持ち良くなれ」
ぐち、くち、くちゅ……
溺れるようなキスと共に彼の魔力も伝わってくる。ああ、久しぶりだ、ぽかぽかして温かいこのかんじ。トロトロと流れ込んでくるものがすごく心地よくて、はぁはぁと呼吸を荒くしながら快感に悶えてしまう。
「んぁ? んむ!!」
突然大切なトコを掴まれびくんと体が揺れる。キスしてなかったら叫び声が響いたに違いない。彼の手が僕のペニスをやわやわと揉みしだき始めた。
「んぅ~~…(それはやばすぎる~)」
キスしているせいで声が出ないから。目を開いてムリムリムリ、と伝える。今できる精一杯のジェスチャー、アイコンタクトを試みる。だけど、伝わらず。陰嚢部分も優しく手の内で転がされ……。ペニスを上下に擦られ、仕上げに先っぽを親指でくるくるされ……。
「んむぅ~。(も、ダメだよぉ)」
これ以上は気持ち良すぎて声が抑えられない。
硬く大きいクライスのと一緒に擦られると…ブルブルブルっと体が意志に関係なく震えた。
「……もっとか?」
「あ…あ゛!!いあぁ……。も、もっとして!(って何言ってんの僕)」
うう、だってだって気持ちいい。最近一緒にお風呂も入ってないから彼に触れられること自体が久しぶりで、全部気持ちいいの。
「気持ちいいか?」
「ああ…気持ちいいよぉ。気持ちいぃ……」
馬鹿みたいに気持ちいいを繰り返しながら愛撫されるのを期待して腰を揺らした。
「こんな小さい手なのにな……」
彼の低めの声が耳をくすぐる。
「キルナ、お前はこの手でテアの命を守ったんだな。頑張ったな」
右手を労わるように撫でられ。それも気持ち良くてうっとりと目を瞑った。もう意識が飛びそうだけど、クライスがまだ話をしているから聞かなくっちゃ。
「お前はすぐに無茶をするから心配なんだ……。何かあれば、すぐに俺に言え」
「ん、わかった」
「俺はお前の婚約者なんだから、もっと俺を頼ってほしい」
「ん、わかった」
「もっと自分の体を大切にしてくれ」
「ありがと、クライス」
祈るように右手の甲にキスをされ、僕は幸せで幸せで。うっかり呟いた。
「ふふっ、これってなんだか僕がテアにしたキスとよく似てる……」と。
「こんな時は何をしたらいいか、前に教えたはずだが覚えているか?」
「え?」
そう言って彼はスッと目を瞑った。眠った訳ではなさそうだ。僕の答えを待っているのかもしれない。“心配かけた時何をするか”あまり記憶力の良くない脳みそをフル回転させ、ようやく閃いた。
「もしかして…心配かけてごめんなさいのキスをする…とか?」
彼はぱちっと目を開き、えらいえらいよく覚えていたな、と枕じゃない方の手で僕の頭を撫で、もう一度目を瞑る。
「……」
ってことは、これは寝てるんじゃなくてキスを待ってるってこと?
「えと……ほんとにしなきゃ駄目?」
彼は目を瞑ったままこくんと頷いた。やるしかないらしい。
唇を合わせるなんて、魔力の受け渡しで何度もやったはず。簡単なことだ。頑張れ僕、と勇気を奮い立たせようとするけど、なかなかできない。
最近学校を休んでテアの看病をしているせいで、クライスと一緒にいる時間が短い。寝る前の魔法操作の練習もしていないから、余計にハードルが高くなっている。しかも自分からのキスとは!!
「早く」
「う…うん」
やるしかない!
……………ちゅ
やっとの思いでひとつキスをした。
「キルナらしいキスだな」
ふっと笑って彼は僕の頭をいつものようにポフポフと撫で、「さぁ寝よう」と言う。
え? 僕らしいってどういう意味だろう。クライスは満足そうに目を瞑ったままだけど……。
もしかして、子どもっぽいキスだったってこと?『なんだ、こんなのしかできないのか。まだまだお子様だな』って馬鹿にされてる!? 実は(中身は)僕の方が年上なのに!?
「さっきのは練習! ほんとはもっとすごい大人のキス、できるよ」
声を張り上げて宣言し、そのまま僕は挑むように彼に口付けた。「え?」とびっくりして固まっている彼の舌を思い切ってレロレロと舐める。すると次第に彼の舌も動き出し、くちゅ、ぐちゅっと激しい音を立てて舌が絡まり合った。
舌を擦られ、逃げようとすると追いかけられて捕まって、じゅるっと吸い上げられる。じゅぼじゅぼと舌を扱かれ、喉の奥深くまで舐められ息が詰まりそうになった。
(何これ。全然思ってたキスじゃなくなってきてる。)
「ふあ、んぅ…ぐ…んぐ…、はぁ、深すぎ…ん………、はっぁん」
歯列をなぞられ上顎も舐められ、どんどん口の中が敏感になっていく。
「ひっ…ん…も、離してくれないと、…んあ、き、気持ち良くなっちゃう……」
「いいぞ、気持ち良くなれ」
ぐち、くち、くちゅ……
溺れるようなキスと共に彼の魔力も伝わってくる。ああ、久しぶりだ、ぽかぽかして温かいこのかんじ。トロトロと流れ込んでくるものがすごく心地よくて、はぁはぁと呼吸を荒くしながら快感に悶えてしまう。
「んぁ? んむ!!」
突然大切なトコを掴まれびくんと体が揺れる。キスしてなかったら叫び声が響いたに違いない。彼の手が僕のペニスをやわやわと揉みしだき始めた。
「んぅ~~…(それはやばすぎる~)」
キスしているせいで声が出ないから。目を開いてムリムリムリ、と伝える。今できる精一杯のジェスチャー、アイコンタクトを試みる。だけど、伝わらず。陰嚢部分も優しく手の内で転がされ……。ペニスを上下に擦られ、仕上げに先っぽを親指でくるくるされ……。
「んむぅ~。(も、ダメだよぉ)」
これ以上は気持ち良すぎて声が抑えられない。
硬く大きいクライスのと一緒に擦られると…ブルブルブルっと体が意志に関係なく震えた。
「……もっとか?」
「あ…あ゛!!いあぁ……。も、もっとして!(って何言ってんの僕)」
うう、だってだって気持ちいい。最近一緒にお風呂も入ってないから彼に触れられること自体が久しぶりで、全部気持ちいいの。
「気持ちいいか?」
「ああ…気持ちいいよぉ。気持ちいぃ……」
馬鹿みたいに気持ちいいを繰り返しながら愛撫されるのを期待して腰を揺らした。
「こんな小さい手なのにな……」
彼の低めの声が耳をくすぐる。
「キルナ、お前はこの手でテアの命を守ったんだな。頑張ったな」
右手を労わるように撫でられ。それも気持ち良くてうっとりと目を瞑った。もう意識が飛びそうだけど、クライスがまだ話をしているから聞かなくっちゃ。
「お前はすぐに無茶をするから心配なんだ……。何かあれば、すぐに俺に言え」
「ん、わかった」
「俺はお前の婚約者なんだから、もっと俺を頼ってほしい」
「ん、わかった」
「もっと自分の体を大切にしてくれ」
「ありがと、クライス」
祈るように右手の甲にキスをされ、僕は幸せで幸せで。うっかり呟いた。
「ふふっ、これってなんだか僕がテアにしたキスとよく似てる……」と。
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