いらない子の悪役令息はラスボスになる前に消えます

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第5章

第208話 大浴場と汚い悪役令息②※

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ぴちゃぴちゃと耳をふさぎたくなるような音が洗い場に響いている。

「ん…、はぁ…、こんなの…だめだよ…」

視覚効果が凄すぎてやばい。濡れた金髪のせいか上気した肌のせいか、いつも以上に色気をかもし出している王子様が僕の手首を舐めてる……。ぎちっと掴まれているせいでピクリとも動かせない手首は僕のもののはずなのに、もうなんだかクライスのものになっちゃったみたいに彼の自由にされている。

あいつがやったのと同じことをされているはずなのに、なぜか嫌じゃない。ぬめぬめするし、ベタベタするのは同じはずなのに、クライスの赤い舌がっていると思うと、なんだかドキドキして、変な感じ。

彼はぺちゃぺちゃと恥ずかしい音を立てながら、見せつけるように僕の手首をじっくりと余すところなく舐めてしまった。鑑定魔法が使えない僕にはよくわかんないけど、きっと今僕の手首にはクライスの魔力がたっぷり塗り込められているはずだ。美しく輝くアイスブルーの魔力が。

ーーキラキラと大好きな光に包まれる手首、を想像する。

それはちょっとうれしいかもしれない。不思議だけど、本当に汚された手が綺麗になっているような…むしろ…ぽかぽかきらきらして優しい力をまとい、前より綺麗になっているような…。そんなことを思いながらやっと解放された自分の手首をほぅっと眺めていると、クライスが僕の体をぎゅぅっと抱きしめてきた。

「キルナ、お前はどこもかしこもきれいだ。俺がそれを証明してやる。どこだって舐めてやるから。汚いと思うところがあれば言ってみろ」

「んぇ? 何それ。舐めるなんて……恥ずかしいよ。もう充分……ひぁ、何っ!? そ、そんなとこ舐めちゃだめぇ……」

座って僕を抱き締め膝に乗せたまま、彼はなぜか僕の乳首を舐めてきた。手首…ならまだ話はわかるんだけど、うぅなんでそんなとこ?

「ここは、無事だったか? 下着男に変なことされなかったか?」
「ん、ふぅ…、はぁ、はぁ、ここは、ん…、何もされてない」
「そうか。よかった……」

されてないって言ってるのに、彼は舐めるのをやめない。僕の胸に顔を埋めてぺろぺろと乳首を舐めて、しかも時々ちゅうっと吸い上げるものだから……。

「んぁあああ。も、そこは大丈夫だってばぁ!!」

と絶叫するハメになった。ヒリヒリして、同時になんだかむずむずしてきたころ、ようやく彼はそこを解放してくれた。両方の乳首は赤くぷっくりと腫れてしまって、なんだかかわいそうなことになっている。

僕は彼の膝から下りて床のタイルに座ると、これ以上刺激を与えないようにそっと両手で胸を隠して、荒くなった息を整えた。このドキドキしすぎた心臓もどうにかしないと。

「はぁ、はぁ。も、クライス、ちゃんと人の話を聞いてるの? 変態男には手首を舐められただけだからもう上書きする必要は。って、え? 何…してるの? そこ……」

僕の大切なものを咥えてる? え、嘘でしょ? 心臓に意識を集中させている間に、足がパカリと割り広げられ、間に彼が陣取っている。そしてフェラチオをしている。

一旦口を離して「キルナ…ここは何もされてないか?」と真剣な表情で問う彼に、僕はこくこくこくと、あまりの衝撃に何も言葉に出来ないまま何度も頷いていた。クライスはそれを見て、

「そうか」

とわかったような反応をしたくせに、また僕のを口に含み、ころころと転がすように舌でもてあそび始めた。熱くて柔らかな粘膜に包まれ、それだけでもう(まだ無理だけど気持ちは)イってしまいそうになっているのに、彼の動きには容赦がない。じゅぶじゅぶと巧みにこねくり回し快感をこれでもかというほど送り込んでくる。

「うわっぁぁあああああ、はぁああああ、もぉ、んぅ、気持ちいぃ。きもちぃからぁ…。ヨすぎるから…はなれてぇええ!!!」

辺り構わず死ぬほど喘ぐ僕。快感でビクビク、ビクビクっと足が痙攣けいれんしている。

(何これ何これ、とんでもなさすぎる!! 目から星が出そうなくらいチッカチカする。やばい、死ぬ。死んじゃう。助けて!!)

僕の叫びがやっとやっと! 通じたのか、彼はふと顔を上げた。

「ん? キルナ。疲れたのか? 回復魔法をかけてやろう」

じゅっとそこを吸い上げながら回復魔法をかけてくる彼。
ってぇ、とろりと温かい魔力が送り込まれるのはいいんだけど、場所が!! ペニスにそんな魔力を送ったら……。

「うわあ~~~ん、そんなとこで…魔力を…動かさないでぇ、はぁあん。きもちぃ…きもちぃよぉ、ふえぇええん」

とろとろと自分のモノに流れ込んでくる彼の魔力の圧倒的な快感に耐えきれなくなって、僕は泣きながら気を失った。
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