いらない子の悪役令息はラスボスになる前に消えます

日色

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第5章

第197話 番外編:ねことうさぎの物語①(ifのお話)※

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※これはifストーリーです。本編ではありませんのでご注意ください。
クラ×キルではなくリリー🐱×キルナ🐰ですので、「それは絶対許せない~」という方はこのお話は読まないようお願いしますm(_ _)m


「はぁ、はぁ、リリー。も、入れすぎ……駄目だって……」
「いいでしょ、もっといっぱいに……しよ?」
「あぁあああ!! もぉ、やりすぎ! 無理って言ってるのにぃ!!」

リリーがクッキーを作りたいと言うから一緒に作っているのだけど、胡桃やナッツ、ポポの実やマフマフをどんどん追加するもんだから、生地が全然まとまらない。

「もう、リリーったら、欲張りすぎだよ」
「だって、どれもおいしそうで全部いれたかったんだもん。でも、ごめん。僕のせいで失敗しちゃった。メガネのいうことをちゃんと聞けばよかった……」

珍しいことに彼は少ししょげているみたいだ。大好きなクッキーが形にならなくてショックを受けているらしい。

「ふふっ、もういいよ。生地を足すから大丈夫。でももう入れないでね」

いいかんじに継ぎ足して、なんとかクッキーの形に仕上げると、リリーの顔がぱあっと明るくなった。

「クッキー大丈夫なの? よかった!」
「うん、あとは予熱していたオーブンに入れて焼くだけ」

シートに並べたクッキーを入れガチャンとオーブンの扉を閉めるとリリーが背中に抱きついてきた。

「さすがメガネ、好き、すごい好き、大好き」
「えと……」

たまに彼はものすごいデレっぷりをみせる。いつもはツンツンしているだけにその豹変ぶりに僕は驚く。

「あの、ありがと」
「ね、待ってる間にさ、ファッションショーしようよ。メガネに似合うとっておきの服を選んであげるから。ね」
「ん、おねがい」


とお願いしてしまったのは、まぁ…失敗だった。
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