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〈番外編〉
アゴ母さんと子ども達〜その後〜②
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ブチが家に帰って来てから、ニセイとチビも帰って来たので、丁度いいと居間で話をする事にしたアゴ母さんは、長い話になると思い、お茶とお菓子を居間のテーブルに置いて、子ども達が席に着くのをまちました。
「じゃぁ、さっきの話の続きをしようじゃないか。ニセイ、チビ、いいな!」
「わかったよ、ブチ兄ちゃん」
「うん、チビもわかった」
ブチが席に着くと、ニセイとチビに話し掛けました。そして、念を押すように宣言し、、2人に確認をしました。何を言われるのか、何となくわかった2人は、ブチに返事を返しました。それを静かに見守るアゴ母さん。
「ニセイ、チビ、俺が言いたい事はわかるよな」
「え~、何のことかなぁ。チビ、わかんない?」
「オレもわからないよ。ブチ兄ちゃん」
ニセイもチビも、自分自身の事です。わからない訳がありませんが、シラを切ります。それに対して、ブチは額の血管が浮き出る程の怒りが湧いています。ブチの怒りの形相を見て、ニセイとチビは『マズイ』と思いました。が、後の祭りで自分達が言い放った言葉を撤回出来ずにブルブルと震えていました。
「ほう、お前達はわからないのか?」
「……だから、何が?」
「……そうだよ、ブチ兄ちゃん。俺たちが何したんだよ」
怒りマックスのブチの低い声に震えながら、ニセイとチビは震える声で言い返しました。よせばいいのに言い返したモノだから、ブチの怒りは益々冴え渡って来ました。
「ニセイ、チビ、本当にわからないのか?ん、どうなんだ!!」
「……ゴメンなさい!!チビが悪かったです~う」
「オレもゴメンなさい。ブチ兄ちゃん、許して~」
あまりにも怖い形相でニセイとチビを睨んでくるブチに、ニセイとチビはビッビッて、泣きながらブチに謝ります。それを見たアゴ母さんが、ブチに声を掛けて怒りを抑えるように言います。
「ブチ、少し怒りを抑えなさい。これでは話が出来ないわよ」
「あ、ゴメン。アゴ母さん」
「ほら、ニセイもチビも、泣き止みなさい」
「「ゴメンなさい」」
「ああ、俺も悪かったな。ゴメン」
「さあ、お互いに謝ったんだから、これで話が出来るでしょう?」
アゴ母さんの仲裁でブチ達兄妹は、やっと話が出来る状況になりました。
「じゃぁ、改めて、ニセイもチビも、何が悪かったか、わかるよな?」
「うん、チビがアゴ母さんにワガママ言いました」
「オレはチビのワガママを、アゴ母さんに押し付けてました」
「わかっていればいい。だが、ニセイ、お前はチビを嗜めないといけなかったな。わかってるよな!」
「うん、ブチ兄ちゃん。……アゴ母さん、ゴメンなさい」
「ニセイ、わかってくれたのね、嬉しいわ」
「チビもワガママ言うのは、今のアゴ母さんには辛いんだってわかってるんだよな?」
「ええ、そうなの?アゴ母さん。チビ、全然わからなかった。ゴメンなさい」
「なんだ、チビはわかって無かったのか?……アゴ母さんが一番辛いんだぞ。それぐらい分かれよ」
「ブチ、いいのよ。分からなくて当たり前なんだから……」
「でもアゴ母さん。いくら小さいと言っても、もう分かってもいい頃だと思うよ、俺は」
「いいのよ、これで。ブチが言う事もわかるけどね……」
「はぁ~、わかったよ。アゴ母さんがそう言うんなら、もう俺からは言わないよ」
「心配してくれたのに、御免なさいね、ブチ」
「オレも悪かったんだ!ゴメン、アゴ母さん、ブチ兄ちゃん」
「チビもアゴ母さんの事、全然わかって無かったの!ゴメンなさい」
ブチもニセイ、チビもアゴ母さんの我慢強さに完敗して、兄妹全員がアゴ母さんに謝る事になっていました。それでもブチはアゴ母さんに、余り我慢しない様に言う事にしました。
「アゴ母さん、母さんが我慢強いのはわかったけど、これからは俺に頼ってくれよな」
「ふふふ、ブチ、頼りにしてるわよ」
「ふぅ、本当にもう~。アゴ母さんには、叶わないなぁ」
「そりゃねぇ、年季が違うわよ。ブチ」
「そうだね、俺達兄妹以外にも、兄妹を育ててるんだもんなぁ。……叶わないはずだわ」
「ねぇねぇ、ブチ兄ちゃん。チビ達以外にも兄弟がいるの?」
「あれ、チビは知らなかったか?」
「ニセイ兄ちゃんは、知ってたの?」
「ああ、オレはサムから聞いたんだ。……だから、チビも聞いてるって思ってた」
「え、サム兄ちゃんから?ム~、チビ、聞いてないよ!」
「そうなのか?俺もサムから聞いたなぁ」
「あの子は色々調べてたからね。母さんにも聞いて来たしね……」
「え~、じゃぁチビだけ仲間はずれなの~?」
「そんな事ないわよ、チビ。もう少し大きくなったらサムも教えようと思ってたはずよ。ただ《人の国》に行くのが早かっただけよ……」
「あ、バカ。アゴ母さんにサムの事を思い出させるな!」
「え、ブチ兄ちゃん、ゴメンなさい」
「ブチ、そんな事で怒らないのよ!いいわね」
「ゴメン、アゴ母さん。……チビも悪かったな」
「ううん、チビがサム兄ちゃんから聞いてないって言ったからだし」
「ゴメン、オレが余計な事言ったから……」
「本当に大丈夫よ、ニセイ。そんなに自分のせいだと思わなくてもいいのよ」
アゴ母さんはブチやニセイ、チビが自分の事だけでなく、他人に対しても、優しい気持ちで対処できる事を嬉しく思いました。特にチビは女の子なので、思いやりができる子に育ってくれたのが、嬉しく思いました
「じゃぁ、さっきの話の続きをしようじゃないか。ニセイ、チビ、いいな!」
「わかったよ、ブチ兄ちゃん」
「うん、チビもわかった」
ブチが席に着くと、ニセイとチビに話し掛けました。そして、念を押すように宣言し、、2人に確認をしました。何を言われるのか、何となくわかった2人は、ブチに返事を返しました。それを静かに見守るアゴ母さん。
「ニセイ、チビ、俺が言いたい事はわかるよな」
「え~、何のことかなぁ。チビ、わかんない?」
「オレもわからないよ。ブチ兄ちゃん」
ニセイもチビも、自分自身の事です。わからない訳がありませんが、シラを切ります。それに対して、ブチは額の血管が浮き出る程の怒りが湧いています。ブチの怒りの形相を見て、ニセイとチビは『マズイ』と思いました。が、後の祭りで自分達が言い放った言葉を撤回出来ずにブルブルと震えていました。
「ほう、お前達はわからないのか?」
「……だから、何が?」
「……そうだよ、ブチ兄ちゃん。俺たちが何したんだよ」
怒りマックスのブチの低い声に震えながら、ニセイとチビは震える声で言い返しました。よせばいいのに言い返したモノだから、ブチの怒りは益々冴え渡って来ました。
「ニセイ、チビ、本当にわからないのか?ん、どうなんだ!!」
「……ゴメンなさい!!チビが悪かったです~う」
「オレもゴメンなさい。ブチ兄ちゃん、許して~」
あまりにも怖い形相でニセイとチビを睨んでくるブチに、ニセイとチビはビッビッて、泣きながらブチに謝ります。それを見たアゴ母さんが、ブチに声を掛けて怒りを抑えるように言います。
「ブチ、少し怒りを抑えなさい。これでは話が出来ないわよ」
「あ、ゴメン。アゴ母さん」
「ほら、ニセイもチビも、泣き止みなさい」
「「ゴメンなさい」」
「ああ、俺も悪かったな。ゴメン」
「さあ、お互いに謝ったんだから、これで話が出来るでしょう?」
アゴ母さんの仲裁でブチ達兄妹は、やっと話が出来る状況になりました。
「じゃぁ、改めて、ニセイもチビも、何が悪かったか、わかるよな?」
「うん、チビがアゴ母さんにワガママ言いました」
「オレはチビのワガママを、アゴ母さんに押し付けてました」
「わかっていればいい。だが、ニセイ、お前はチビを嗜めないといけなかったな。わかってるよな!」
「うん、ブチ兄ちゃん。……アゴ母さん、ゴメンなさい」
「ニセイ、わかってくれたのね、嬉しいわ」
「チビもワガママ言うのは、今のアゴ母さんには辛いんだってわかってるんだよな?」
「ええ、そうなの?アゴ母さん。チビ、全然わからなかった。ゴメンなさい」
「なんだ、チビはわかって無かったのか?……アゴ母さんが一番辛いんだぞ。それぐらい分かれよ」
「ブチ、いいのよ。分からなくて当たり前なんだから……」
「でもアゴ母さん。いくら小さいと言っても、もう分かってもいい頃だと思うよ、俺は」
「いいのよ、これで。ブチが言う事もわかるけどね……」
「はぁ~、わかったよ。アゴ母さんがそう言うんなら、もう俺からは言わないよ」
「心配してくれたのに、御免なさいね、ブチ」
「オレも悪かったんだ!ゴメン、アゴ母さん、ブチ兄ちゃん」
「チビもアゴ母さんの事、全然わかって無かったの!ゴメンなさい」
ブチもニセイ、チビもアゴ母さんの我慢強さに完敗して、兄妹全員がアゴ母さんに謝る事になっていました。それでもブチはアゴ母さんに、余り我慢しない様に言う事にしました。
「アゴ母さん、母さんが我慢強いのはわかったけど、これからは俺に頼ってくれよな」
「ふふふ、ブチ、頼りにしてるわよ」
「ふぅ、本当にもう~。アゴ母さんには、叶わないなぁ」
「そりゃねぇ、年季が違うわよ。ブチ」
「そうだね、俺達兄妹以外にも、兄妹を育ててるんだもんなぁ。……叶わないはずだわ」
「ねぇねぇ、ブチ兄ちゃん。チビ達以外にも兄弟がいるの?」
「あれ、チビは知らなかったか?」
「ニセイ兄ちゃんは、知ってたの?」
「ああ、オレはサムから聞いたんだ。……だから、チビも聞いてるって思ってた」
「え、サム兄ちゃんから?ム~、チビ、聞いてないよ!」
「そうなのか?俺もサムから聞いたなぁ」
「あの子は色々調べてたからね。母さんにも聞いて来たしね……」
「え~、じゃぁチビだけ仲間はずれなの~?」
「そんな事ないわよ、チビ。もう少し大きくなったらサムも教えようと思ってたはずよ。ただ《人の国》に行くのが早かっただけよ……」
「あ、バカ。アゴ母さんにサムの事を思い出させるな!」
「え、ブチ兄ちゃん、ゴメンなさい」
「ブチ、そんな事で怒らないのよ!いいわね」
「ゴメン、アゴ母さん。……チビも悪かったな」
「ううん、チビがサム兄ちゃんから聞いてないって言ったからだし」
「ゴメン、オレが余計な事言ったから……」
「本当に大丈夫よ、ニセイ。そんなに自分のせいだと思わなくてもいいのよ」
アゴ母さんはブチやニセイ、チビが自分の事だけでなく、他人に対しても、優しい気持ちで対処できる事を嬉しく思いました。特にチビは女の子なので、思いやりができる子に育ってくれたのが、嬉しく思いました
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