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〈本編〉
サム、《人の国》へ行くまでの日々⑦
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クロやニセイ達に《人の国》へ行く時間を話してから、サムはよくブチと話をする様になりました。たまにアゴ母さんも入って3人で話をする事もあります。
「ブチ兄ちゃん、僕が《人の国》に行ったら、チビの事、お願いしてもいい?」
「なんだ、サム。そんなにチビが心配か?」
「……うん。……ニセイもいるからいいとは思うんだけどね……」
「まあな、ニセイはちょっと沸点が高いからなぁ~」
「そうなんだよねぇ。もうちょっと冷静になってくれるといいんだけど……」
「まあ、ニセイはまだお子様だからな~」
「ブチ兄ちゃん、それを言ったら僕もなんだけど!」
「ハハハッハ、サムは落ち着いてるからなぁ。ニセイと同じ歳だとは思えないぞ~」
「もう、からかわないでよ、ブチ兄ちゃん。仕方ないじゃないか、ニセイがあんなんなんだもの……」
サムはブチが揶揄って来るのを、頬を膨らませて怒ります。そんなサムをみて、ブチはますます揶揄ってしまうのです。サムは揶揄われるのがイヤで、話を変える事にしました。
「ねぇ、ブチ兄ちゃん。チビはこれから大丈夫かな?」
「なんだ?どう言う事だ」
「えぇと、上手く言えないんだけど……。チビって、僕が《人の国》に行くって言ったら混乱して、僕の後をついて離れなくなったでしょう?」
「そういえば、そんな事も言ってたなぁ」
「そなんだよね。……アゴ母さんは時間が解決してくれるって言ってたけど、ブチ兄ちゃんはどう思う?」
「う~ん。オレはアゴ母さんの言う事もアリだと思うなぁ」
「……ブチ兄ちゃんも、アゴ母さんと同じ考えなんだね」
「まあな。まだチビがサムから離れない所は、オレが帰って来た時しか見てないからな~」
「あ、そっか。ブチ兄ちゃんは見てなかったっけ?」
「そうそう、オレは見てないから、チビがどうしたらいいかは、なんとも言えないなぁ」
ブチはチビの問題行動を見たのは、家に帰って来たときに見ただけで、それ以外は見た事が無かったのです。それをサムは思い出して、『しまった!』と思い、すぐに謝ります。
「ゴメンなさい。ブチ兄ちゃん!」
「イヤ、いいぞ、サム。それだけチビの事が心配だったんだろう」
「でも……、ブチ兄ちゃんは知らなかったのに……」
「それでもサムがオレに相談してくれたのは、嬉しかったぞ!」
「う、嬉しかったの?」
「ああ、サムはなんでも自分で解決しようとするだろう?」
「そんなの、当たり前でしょう?」
「じゃぁ、サム。ニセイはどうだ?……そんな事ないだろう?」
「……そうかなぁ?う~ん、……わかんないよ。ブチ兄ちゃん」
「サムは近くに居すぎて、わからないのかもなぁ!」
「そんなものなの?」
「そんなものなのさ、サム」
サムはブチが言う事がよくわかりません。ブチの言う事を何回も口の中で繰り返しますが、やっぱりわかりません。ブチはそれでいいと言うので、サムは考える事を辞めました。
サムはブチだけでなく、クロにも聞いてみようと思い、ブチに相談しても大丈夫か聞きます。
「ねぇ、ブチ兄ちゃん。この事をクロちゃんにも聞いてみようと思うんだけど、やめた方がいいかなぁ?」
「なんだ、オレだけじゃ心配か?……う~ん、そうだなぁ、クロはチビの事を知ってるのか?」
「うん。えぇとね、少しだけね……」
「そうか。……あまり他人に聞かない方がいいんだがな……」
「やっぱり聞かない方がいい?」
「まあ、クロならいいだろう。チビの事もよく知ってるしな……」
「じゃぁ、クロちゃんに聞いてみるね」
「ああ。サム、クロに聞いたらオレにも教えてくれよ」
「うん。分かったよ、ブチ兄ちゃん」
◆◆◆◆◆
サムはブチからクロに聞いてもいいと言われたので、クロにチビの事を相談する事にしました。その為にいつもの様に公園に来ました。公園にはクロ達の他にも散歩している大人もいましたが、クロに話しかけました。
「クロちゃん、チャシロちゃん、チロちゃん!」
「あれ、サムちゃん。……ニセイちゃんやチビちゃんは?」
「あ、うん。ニセイ達は後から来るよ」
「そうなの?で、サムちゃんはどうしたの?」
「あ、そうそう、クロちゃんに聞きたい事があってさ」
「ふ~ん。じゃぁ、ニセイちゃん達が来てからでもいい?」
「うん。大丈夫!」
「じゃぁ、それまで、俺たちは休憩していようかな。……チャシロ、チロ、休憩するよ!」
「「は~い」」
クロは遊んでいた兄弟に休憩する事を言って、木陰に行きました。サムもクロの後ろを着いていきます。すぐにクロの兄弟が集まります。そこへニセイとチビが公園に入ってきました。
「お~い、ニセイ!」
「おう、サム。話は済んだのか?」
「ゴメン。まだなんだ」
「はぁ、まだ?」
「あ、それ、俺が頼んだんだよ。ニセイちゃん」
「なんだクロのせいかよ!」
「ゴメン、ゴメン。丁度、休憩しようと思ってたんだよ。ニセイちゃん」
「まあ休憩は必要だよな」
「そうそう。今からサムちゃんと話すから、チャシロ達と遊んでくれないかな、ニセイちゃん」
「ああいいぞ。じゃぁ、チャシロ、チロ、あっちで遊ぼうぜ!チビもいくぞ!」
「「「は~い」」」
ニセイとチビ達が遊びにいくと、クロが話しかけてきました。それにサムはヒソヒソ声で答えます。
「サムちゃん。話って……」
「うん、あのね、チビの事なんだ」
「チビちゃんの?」
「うん。前に問題行動をするって言ったでしょ?」
「そうだね。聞いたね」
「それでね。もし、もしだよ、チャシロちゃんがチビと同じような事になったら、クロちゃんだったらどうするのかなぁと思って……」
「う~ん。難しいね。……俺だったら、お母さんに相談して、そのままにするかなぁ」
「そっか。えぇとね、ブチ兄ちゃんもアゴ母さんもクロちゃんと同じ様な事言ってた」
「そうなんだね。じゃぁ、サムちゃんもそうしたらいいんじゃぁないの?」
「そうだね。……ゴメンね、クロちゃん。話を聞いてくれてありがとう」
「ううん、そんな事ないよ。……だってね、チャシロ達がチビちゃんみたいになったら、俺だって聞いたと思うしね。お互い様だよ、サムちゃん」
「そうだね、お互い様だね。クロちゃん!じゃぁ、ニセイ達の所に行こうか?クロちゃん」
「うん、行こうよ!サムちゃん」
サムとクロは話終わると、ニセイ達の所に行きました。そして、一緒に遊びました。
「ブチ兄ちゃん、僕が《人の国》に行ったら、チビの事、お願いしてもいい?」
「なんだ、サム。そんなにチビが心配か?」
「……うん。……ニセイもいるからいいとは思うんだけどね……」
「まあな、ニセイはちょっと沸点が高いからなぁ~」
「そうなんだよねぇ。もうちょっと冷静になってくれるといいんだけど……」
「まあ、ニセイはまだお子様だからな~」
「ブチ兄ちゃん、それを言ったら僕もなんだけど!」
「ハハハッハ、サムは落ち着いてるからなぁ。ニセイと同じ歳だとは思えないぞ~」
「もう、からかわないでよ、ブチ兄ちゃん。仕方ないじゃないか、ニセイがあんなんなんだもの……」
サムはブチが揶揄って来るのを、頬を膨らませて怒ります。そんなサムをみて、ブチはますます揶揄ってしまうのです。サムは揶揄われるのがイヤで、話を変える事にしました。
「ねぇ、ブチ兄ちゃん。チビはこれから大丈夫かな?」
「なんだ?どう言う事だ」
「えぇと、上手く言えないんだけど……。チビって、僕が《人の国》に行くって言ったら混乱して、僕の後をついて離れなくなったでしょう?」
「そういえば、そんな事も言ってたなぁ」
「そなんだよね。……アゴ母さんは時間が解決してくれるって言ってたけど、ブチ兄ちゃんはどう思う?」
「う~ん。オレはアゴ母さんの言う事もアリだと思うなぁ」
「……ブチ兄ちゃんも、アゴ母さんと同じ考えなんだね」
「まあな。まだチビがサムから離れない所は、オレが帰って来た時しか見てないからな~」
「あ、そっか。ブチ兄ちゃんは見てなかったっけ?」
「そうそう、オレは見てないから、チビがどうしたらいいかは、なんとも言えないなぁ」
ブチはチビの問題行動を見たのは、家に帰って来たときに見ただけで、それ以外は見た事が無かったのです。それをサムは思い出して、『しまった!』と思い、すぐに謝ります。
「ゴメンなさい。ブチ兄ちゃん!」
「イヤ、いいぞ、サム。それだけチビの事が心配だったんだろう」
「でも……、ブチ兄ちゃんは知らなかったのに……」
「それでもサムがオレに相談してくれたのは、嬉しかったぞ!」
「う、嬉しかったの?」
「ああ、サムはなんでも自分で解決しようとするだろう?」
「そんなの、当たり前でしょう?」
「じゃぁ、サム。ニセイはどうだ?……そんな事ないだろう?」
「……そうかなぁ?う~ん、……わかんないよ。ブチ兄ちゃん」
「サムは近くに居すぎて、わからないのかもなぁ!」
「そんなものなの?」
「そんなものなのさ、サム」
サムはブチが言う事がよくわかりません。ブチの言う事を何回も口の中で繰り返しますが、やっぱりわかりません。ブチはそれでいいと言うので、サムは考える事を辞めました。
サムはブチだけでなく、クロにも聞いてみようと思い、ブチに相談しても大丈夫か聞きます。
「ねぇ、ブチ兄ちゃん。この事をクロちゃんにも聞いてみようと思うんだけど、やめた方がいいかなぁ?」
「なんだ、オレだけじゃ心配か?……う~ん、そうだなぁ、クロはチビの事を知ってるのか?」
「うん。えぇとね、少しだけね……」
「そうか。……あまり他人に聞かない方がいいんだがな……」
「やっぱり聞かない方がいい?」
「まあ、クロならいいだろう。チビの事もよく知ってるしな……」
「じゃぁ、クロちゃんに聞いてみるね」
「ああ。サム、クロに聞いたらオレにも教えてくれよ」
「うん。分かったよ、ブチ兄ちゃん」
◆◆◆◆◆
サムはブチからクロに聞いてもいいと言われたので、クロにチビの事を相談する事にしました。その為にいつもの様に公園に来ました。公園にはクロ達の他にも散歩している大人もいましたが、クロに話しかけました。
「クロちゃん、チャシロちゃん、チロちゃん!」
「あれ、サムちゃん。……ニセイちゃんやチビちゃんは?」
「あ、うん。ニセイ達は後から来るよ」
「そうなの?で、サムちゃんはどうしたの?」
「あ、そうそう、クロちゃんに聞きたい事があってさ」
「ふ~ん。じゃぁ、ニセイちゃん達が来てからでもいい?」
「うん。大丈夫!」
「じゃぁ、それまで、俺たちは休憩していようかな。……チャシロ、チロ、休憩するよ!」
「「は~い」」
クロは遊んでいた兄弟に休憩する事を言って、木陰に行きました。サムもクロの後ろを着いていきます。すぐにクロの兄弟が集まります。そこへニセイとチビが公園に入ってきました。
「お~い、ニセイ!」
「おう、サム。話は済んだのか?」
「ゴメン。まだなんだ」
「はぁ、まだ?」
「あ、それ、俺が頼んだんだよ。ニセイちゃん」
「なんだクロのせいかよ!」
「ゴメン、ゴメン。丁度、休憩しようと思ってたんだよ。ニセイちゃん」
「まあ休憩は必要だよな」
「そうそう。今からサムちゃんと話すから、チャシロ達と遊んでくれないかな、ニセイちゃん」
「ああいいぞ。じゃぁ、チャシロ、チロ、あっちで遊ぼうぜ!チビもいくぞ!」
「「「は~い」」」
ニセイとチビ達が遊びにいくと、クロが話しかけてきました。それにサムはヒソヒソ声で答えます。
「サムちゃん。話って……」
「うん、あのね、チビの事なんだ」
「チビちゃんの?」
「うん。前に問題行動をするって言ったでしょ?」
「そうだね。聞いたね」
「それでね。もし、もしだよ、チャシロちゃんがチビと同じような事になったら、クロちゃんだったらどうするのかなぁと思って……」
「う~ん。難しいね。……俺だったら、お母さんに相談して、そのままにするかなぁ」
「そっか。えぇとね、ブチ兄ちゃんもアゴ母さんもクロちゃんと同じ様な事言ってた」
「そうなんだね。じゃぁ、サムちゃんもそうしたらいいんじゃぁないの?」
「そうだね。……ゴメンね、クロちゃん。話を聞いてくれてありがとう」
「ううん、そんな事ないよ。……だってね、チャシロ達がチビちゃんみたいになったら、俺だって聞いたと思うしね。お互い様だよ、サムちゃん」
「そうだね、お互い様だね。クロちゃん!じゃぁ、ニセイ達の所に行こうか?クロちゃん」
「うん、行こうよ!サムちゃん」
サムとクロは話終わると、ニセイ達の所に行きました。そして、一緒に遊びました。
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