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〈本編〉
サム、《人の国》へ行くまでの日々②
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サムは《人の国》に行くまでに、まだ長老に聞きたい事もあるし、クロ達兄弟とも遊びたいと思っていました。その前にチビの異常行動が元に戻る事を願っていました。アゴ母さんは時間がかかると言っていたので、ニセイだけでなく、クロ達にもチビの症状を話して協力して貰ったらどうかとも思っています。
ニセイとチビと公園で遊んでいる時に考えた事をアゴ母さんに話してみようと思っていると、クロ達が公園に入ってくるのが見えました。
「クロちゃ~ん、こっち、こっち」
「サムちゃん。ニセイちゃん、チビちゃん」
「おお、クロ。一緒に遊ぼうぜ!」
「それはいいけどさ。……(ねぇ、サムちゃん、チビちゃんどうしたの?)」
「(うん、ゴメンね。後で話すよ)」
「(わかった)」
クロはサムに呼ばれて、弟達を連れて側に行くと、チビがサムの後ろににピッタリと張り付いて顔だけをクロ達の方に向けて来たのを見て、いつもと違うチビに戸惑って、サムに理由を聞きました。しかし、サムはクロは耳に口を寄せて、チビに聞こえない様な小さな声で話をしてきました。
これはチビに何か起こっているのだとクロは思い、サムやニセイが話してくれるのを待つ事にして、ニセイが提案してきた通り、一緒に遊ぶ事にしました。
「ニセイちゃん、今、なにしてたんだ」
「今か?俺達だけだったから『カカシ』をやってたんだ。クロ達が一緒なら、かくれんぼでもいいな?」
「そうだねぇ。今までやってたなら『カカシ』でもいいんじゃぁない?」
「そうか?じゃぁ、チャシロは『カカシ』でいいか?」
「うん、僕はそれでいいよ!」
「それじゃぁ、チロはどうだ?」
「ボクもチャシロ兄ちゃんと一緒でいい!」
「そうか、そうか。じゃぁ、チャシロとチロはコマになる石を拾ってこいよ!」
「は~い、ニセイさん。チロ、行こう!」
ニセイがクロ達に今までやっていた遊びでいいか、一人一人に意見を聞いて、今までの遊びで良いと聞いたので、遊びに使う石を探してくる様に言いました。ニセイの言う事を聞いてチャシロとチロは石を探しに向かいました。
ニセイとチャシロ達の話し合いの間も、チビはサムにピッタリとくっ付いて離れようとしません。ますます、クロはチビの異常行動にビックリするのでした。
「チビちゃん、オレ達とも遊ぼうか?……サムちゃんにくっ付いてたら遊べないよ?」
「いいの!!チビはサム兄ちゃんと一緒にいるの!!」
「コラ、チビ!……ゴメンね、クロちゃん。チビなんだけどね、この頃、僕から離れないんだ」
「え、そうなの?」
「うん、(僕が年末に《人の国》に行くって言ったらこうなっちゃったんだ)」
「そ、そっか~。(サムちゃんも大変だね~)」
クロはサムからチビの異常行動の理由を小声で聞いて、サムに同情しました。そんな話をしていると、チャシロ達が石を見つけてこちらに来るところでした。
「ニセイさ~ん、これでいいよね」
「おう、いいぞ。それじゃぁ、やるか」
「そういえば、チビちゃんはどうしたの?」
「ああ、あれか。……まあ、ちょっとな。そんな事より遊ぼうぜ!」
「は~い。ニセイさんにもチロにも負けないよ!」
「ふん、返り討ちだ!二人とも覚悟しろよ!」
「ええニセイさん、ちょっとは手加減してよ!」
「なに言ってんだよ。負けたら年上の威厳に関わるわ~」
「ふえ~ん。ニセイ兄ちゃんが怖い~」
「おいチロ、なんで俺が怖いんだよ。ホントによ~」
「ニセイ、その顔が怖いんだろう!」
「なに言いやがる、サム。俺ほど優しい奴はいないぜ~」
「ニセイ、自分で言ってて虚しくないの?」
「うるせ~、ちょっと虚しいわ!」
「やっぱりね。ニセイは口が悪いから、優しさが人に伝わりにくいんだよ。もうちょっと、お上品に喋りなよ」
「そうだね。オレもそう思うよ。ニセイちゃん」
「そそうだよね~、クロちゃん。ほら、クロちゃんもそう言ってるじゃん」
「ヘイヘイ、わかったよ……、ハァ」
ニセイはチャシロとチロに怖いと言われて、ショックでした。それでサムに顔が怖いとか口調が怖いとか言われて、不貞腐れてしまいます。そこにクロがサムの言う事が正しいと後押しをしてしまった為にニセイは開き直る事にしました。
ニセイとチビと公園で遊んでいる時に考えた事をアゴ母さんに話してみようと思っていると、クロ達が公園に入ってくるのが見えました。
「クロちゃ~ん、こっち、こっち」
「サムちゃん。ニセイちゃん、チビちゃん」
「おお、クロ。一緒に遊ぼうぜ!」
「それはいいけどさ。……(ねぇ、サムちゃん、チビちゃんどうしたの?)」
「(うん、ゴメンね。後で話すよ)」
「(わかった)」
クロはサムに呼ばれて、弟達を連れて側に行くと、チビがサムの後ろににピッタリと張り付いて顔だけをクロ達の方に向けて来たのを見て、いつもと違うチビに戸惑って、サムに理由を聞きました。しかし、サムはクロは耳に口を寄せて、チビに聞こえない様な小さな声で話をしてきました。
これはチビに何か起こっているのだとクロは思い、サムやニセイが話してくれるのを待つ事にして、ニセイが提案してきた通り、一緒に遊ぶ事にしました。
「ニセイちゃん、今、なにしてたんだ」
「今か?俺達だけだったから『カカシ』をやってたんだ。クロ達が一緒なら、かくれんぼでもいいな?」
「そうだねぇ。今までやってたなら『カカシ』でもいいんじゃぁない?」
「そうか?じゃぁ、チャシロは『カカシ』でいいか?」
「うん、僕はそれでいいよ!」
「それじゃぁ、チロはどうだ?」
「ボクもチャシロ兄ちゃんと一緒でいい!」
「そうか、そうか。じゃぁ、チャシロとチロはコマになる石を拾ってこいよ!」
「は~い、ニセイさん。チロ、行こう!」
ニセイがクロ達に今までやっていた遊びでいいか、一人一人に意見を聞いて、今までの遊びで良いと聞いたので、遊びに使う石を探してくる様に言いました。ニセイの言う事を聞いてチャシロとチロは石を探しに向かいました。
ニセイとチャシロ達の話し合いの間も、チビはサムにピッタリとくっ付いて離れようとしません。ますます、クロはチビの異常行動にビックリするのでした。
「チビちゃん、オレ達とも遊ぼうか?……サムちゃんにくっ付いてたら遊べないよ?」
「いいの!!チビはサム兄ちゃんと一緒にいるの!!」
「コラ、チビ!……ゴメンね、クロちゃん。チビなんだけどね、この頃、僕から離れないんだ」
「え、そうなの?」
「うん、(僕が年末に《人の国》に行くって言ったらこうなっちゃったんだ)」
「そ、そっか~。(サムちゃんも大変だね~)」
クロはサムからチビの異常行動の理由を小声で聞いて、サムに同情しました。そんな話をしていると、チャシロ達が石を見つけてこちらに来るところでした。
「ニセイさ~ん、これでいいよね」
「おう、いいぞ。それじゃぁ、やるか」
「そういえば、チビちゃんはどうしたの?」
「ああ、あれか。……まあ、ちょっとな。そんな事より遊ぼうぜ!」
「は~い。ニセイさんにもチロにも負けないよ!」
「ふん、返り討ちだ!二人とも覚悟しろよ!」
「ええニセイさん、ちょっとは手加減してよ!」
「なに言ってんだよ。負けたら年上の威厳に関わるわ~」
「ふえ~ん。ニセイ兄ちゃんが怖い~」
「おいチロ、なんで俺が怖いんだよ。ホントによ~」
「ニセイ、その顔が怖いんだろう!」
「なに言いやがる、サム。俺ほど優しい奴はいないぜ~」
「ニセイ、自分で言ってて虚しくないの?」
「うるせ~、ちょっと虚しいわ!」
「やっぱりね。ニセイは口が悪いから、優しさが人に伝わりにくいんだよ。もうちょっと、お上品に喋りなよ」
「そうだね。オレもそう思うよ。ニセイちゃん」
「そそうだよね~、クロちゃん。ほら、クロちゃんもそう言ってるじゃん」
「ヘイヘイ、わかったよ……、ハァ」
ニセイはチャシロとチロに怖いと言われて、ショックでした。それでサムに顔が怖いとか口調が怖いとか言われて、不貞腐れてしまいます。そこにクロがサムの言う事が正しいと後押しをしてしまった為にニセイは開き直る事にしました。
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