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〈本編〉
サム、クロに話をする
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アゴ母さんとニセイとチビに《人の国》へ行く日時を話してから、サムは自分の荷物を片付け始めました。年末にこの国を出て、《人の国》へ行くのだからとサムは一生懸命に掃除をしました。
そんな中、クロが《人の国》の事を教えて欲しいとサムを訪ねてきました。サムは、そういえば長老の家に向かう途中で、クロに会って、《人の国》の事を教えて欲しいと言われていた事を思い出しました。
「サムちゃん、忙しい時にゴメンね。……あのさ~、《人の国》の事、教えてくれる?」
「クロちゃん、別にそんなに忙しいわけじゃぁないよ。《人の国》の事だよね。いいよ。どんな事が知りたいの?」
「あのね、前にサムちゃんと一緒に調べてた時にさ、《人の国》に行ったら帰ってこれないって言ってたよね。どうしてなのか、知ってる?」
「ああ、その事ね。えぇとね、この国から遠くに行くからなんだって」
「へぇ~、そうなんだ~」
「うん、長老様は、《人の国》の養子先の人が連れてきてくれるなら、帰ってこれるんだって言ってたよ」
「う~ん、なかなかハードルが高そうだね」
「そうだね。でもさ~、《人の国》へ行ったら、あっちの暮らしに慣れるまでは来れないよね~」
「そりゃそうだ。あっちの暮らしに慣れないと、オレだったら寂しくって、ホームシックになりそう」
「それにさ、養子先の人と良い関係を作らないとね」
「そうだね。サムちゃんは決心は変わらないんでしょう?」
「うん。もう養子先も決まってるしね……あ、そうだ。クロちゃん、僕さ、年末の12月30日に《人の国》へ行く事になったから」
「えぇ~。本当に!!」
「うん、本当だよ。……あのね、先日長老様のところに行く時、あったよね」
「あ、そういえば……」
「あのね、あの時に長老様に聞いたんだ」
「……そうなんだ。寂しくなるね……」
「そんな事言わないでよ、クロちゃん!」
「だってさ、オレ達兄弟がここにきた頃は、オレは決して良いと言われるようなことはしてなかった。……でもサムちゃんはそんなオレを受け入れてくれたじゃんか。それがどれだけオレの救いになったか……」
「クロちゃん、そんな事ないよ。クロちゃん達は、ここのルールを知らなかったんだから、仕方ないよ」
サムはクロ達が引っ越してきた頃の事を思い出していました。初めて会った時はケンカしたなぁ~っと思っていると、クロも当時の事を思い出しているのか、苦い顔をしていました。
サムはケンカをしたけど、ここのルールを知ってからのクロは穏やかになり、兄弟の面倒をよく見る、大切な友達だと思っています。その事をクロに伝えようと思いました。
「ねぇ、クロちゃん。クロちゃんは僕の大切な友達だよ」
「サムちゃん。オレもサムちゃんは大切な友達だと思ってる」
「じゃぁ、僕たちさ、両思いだね!」
「ふふふ、そうだね。サムちゃん。《人の国》に行くまで、オレと遊んで欲しいな」
「もちろんだよ、クロちゃん。チャシロちゃんやチロちゃんとも一緒に遊ぼうよ」
「それならさ、ニセイちゃんやチビちゃんも一緒だよね。フフフフ」
「そうだね。仲間外れにしたら、ニセイが怒りそう」
「確かに!じゃぁさ、今度、みんなで集まろうよ!」
「そうだね。集合場所はいつもの公園ね!クロちゃん」
「公園が集まるなら、一番いいよね。……そういえば、ブチさんには知らせたの?」
「ブチ兄ちゃんにはアゴ母さんが知らせてくれるって、言ってくれたから、今度のお休みには帰って来てくれると思うんだ」
「そっかぁ。早くブチさん達が帰って来てくれるといいね。サムちゃん」
「うん。今から楽しみなんだ。……そういえば、クロちゃん。質問はこれだけなの?」
「そうだね。今思いつく質問はこれだけだよ」
「ふ~ん、そうなんだ。もしさ、僕が《人の国》に行ってから、教えて欲しい事が出来たらさ、長老様に聞けばいいと思うよ」
「え、いいのかな?」
「大丈夫だと思うよ。……ただね、最初はお母さんに長老様に聞いて貰った方がいいと思うけだね」
「じゃぁ、お母さんと相談して、長老様に聞いてみるよ。アドバイスありがとう、サムちゃん」
「大した事じゃぁないよ。クロちゃん」
クロはサムにいいアドバイスを貰ったと思いました。クロでは長老に話を聞くなんて思いつきもしなかったからです。サムもクロには色々な選択肢があるって事を知って欲しかったので、教える事ができて良かったと思いました。
そんな中、クロが《人の国》の事を教えて欲しいとサムを訪ねてきました。サムは、そういえば長老の家に向かう途中で、クロに会って、《人の国》の事を教えて欲しいと言われていた事を思い出しました。
「サムちゃん、忙しい時にゴメンね。……あのさ~、《人の国》の事、教えてくれる?」
「クロちゃん、別にそんなに忙しいわけじゃぁないよ。《人の国》の事だよね。いいよ。どんな事が知りたいの?」
「あのね、前にサムちゃんと一緒に調べてた時にさ、《人の国》に行ったら帰ってこれないって言ってたよね。どうしてなのか、知ってる?」
「ああ、その事ね。えぇとね、この国から遠くに行くからなんだって」
「へぇ~、そうなんだ~」
「うん、長老様は、《人の国》の養子先の人が連れてきてくれるなら、帰ってこれるんだって言ってたよ」
「う~ん、なかなかハードルが高そうだね」
「そうだね。でもさ~、《人の国》へ行ったら、あっちの暮らしに慣れるまでは来れないよね~」
「そりゃそうだ。あっちの暮らしに慣れないと、オレだったら寂しくって、ホームシックになりそう」
「それにさ、養子先の人と良い関係を作らないとね」
「そうだね。サムちゃんは決心は変わらないんでしょう?」
「うん。もう養子先も決まってるしね……あ、そうだ。クロちゃん、僕さ、年末の12月30日に《人の国》へ行く事になったから」
「えぇ~。本当に!!」
「うん、本当だよ。……あのね、先日長老様のところに行く時、あったよね」
「あ、そういえば……」
「あのね、あの時に長老様に聞いたんだ」
「……そうなんだ。寂しくなるね……」
「そんな事言わないでよ、クロちゃん!」
「だってさ、オレ達兄弟がここにきた頃は、オレは決して良いと言われるようなことはしてなかった。……でもサムちゃんはそんなオレを受け入れてくれたじゃんか。それがどれだけオレの救いになったか……」
「クロちゃん、そんな事ないよ。クロちゃん達は、ここのルールを知らなかったんだから、仕方ないよ」
サムはクロ達が引っ越してきた頃の事を思い出していました。初めて会った時はケンカしたなぁ~っと思っていると、クロも当時の事を思い出しているのか、苦い顔をしていました。
サムはケンカをしたけど、ここのルールを知ってからのクロは穏やかになり、兄弟の面倒をよく見る、大切な友達だと思っています。その事をクロに伝えようと思いました。
「ねぇ、クロちゃん。クロちゃんは僕の大切な友達だよ」
「サムちゃん。オレもサムちゃんは大切な友達だと思ってる」
「じゃぁ、僕たちさ、両思いだね!」
「ふふふ、そうだね。サムちゃん。《人の国》に行くまで、オレと遊んで欲しいな」
「もちろんだよ、クロちゃん。チャシロちゃんやチロちゃんとも一緒に遊ぼうよ」
「それならさ、ニセイちゃんやチビちゃんも一緒だよね。フフフフ」
「そうだね。仲間外れにしたら、ニセイが怒りそう」
「確かに!じゃぁさ、今度、みんなで集まろうよ!」
「そうだね。集合場所はいつもの公園ね!クロちゃん」
「公園が集まるなら、一番いいよね。……そういえば、ブチさんには知らせたの?」
「ブチ兄ちゃんにはアゴ母さんが知らせてくれるって、言ってくれたから、今度のお休みには帰って来てくれると思うんだ」
「そっかぁ。早くブチさん達が帰って来てくれるといいね。サムちゃん」
「うん。今から楽しみなんだ。……そういえば、クロちゃん。質問はこれだけなの?」
「そうだね。今思いつく質問はこれだけだよ」
「ふ~ん、そうなんだ。もしさ、僕が《人の国》に行ってから、教えて欲しい事が出来たらさ、長老様に聞けばいいと思うよ」
「え、いいのかな?」
「大丈夫だと思うよ。……ただね、最初はお母さんに長老様に聞いて貰った方がいいと思うけだね」
「じゃぁ、お母さんと相談して、長老様に聞いてみるよ。アドバイスありがとう、サムちゃん」
「大した事じゃぁないよ。クロちゃん」
クロはサムにいいアドバイスを貰ったと思いました。クロでは長老に話を聞くなんて思いつきもしなかったからです。サムもクロには色々な選択肢があるって事を知って欲しかったので、教える事ができて良かったと思いました。
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