【完結】ねこの国のサム

榊咲

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〈本編〉

サム、ニセイとチビと話をする

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 サムはアゴ母さんと話をして、ニセイとチビと話をしてみようと思いました。そこで、夕食の後で話をしてみようと、ニセイとチビに話しかけます。

「ニセイ、チビ、ご飯の後でいいから、僕の話を聞いてくれる?」
「なんだよ、急だなぁ」
「サム兄ちゃん、チビは聞きたいなぁ」

 アゴ母さんは自分が言った事を実行してくれるサムの事が頼もしくも嬉しくなりました。そんな3人を微笑ましく見ていました。

「ニセイは聞いてくれないの?」
「そ、そんな事言ってないだろう!」
「じゃぁ聞いてくれるんだよね」
「おう」
「じゃぁ、子ども部屋に行こうよ」
「「わかった」」

 サム達は、場所を移動して話し合いをすることにして、子ども部屋に向かいました。

「それでサム、話ってど言う事だ?」
「うん。……僕が《人の国》に行きたいって思ってるのは知ってるよね」
「おう、それは教えてくれたから知ってるさ」
「うん、チビも知ってる」

「それでさ、この前、長老様から話を聞かせて貰ったんだ!」
「ええ、どんな事!チビ聞きたい」
「そうだな、俺も聞きたいかな」

「うんとね、長老様が養子先を探してくれるって!」
「え、長老様が探してくれるの?サム兄ちゃん」
「うん、そうなんだ」

「おいサム、もう決まったのかよ?」
「ううん、まだ決まってないよ。ニセイ」
「そうか」

 ニセイはサムの話を聞いて、ちょっと緊張してしまいました。つい、硬い声でサムに養子先が決まったのかを聞きました。ニセイは何故自分が緊張したのかわからず、困惑した顔で、返事をしました。

「ねぇ、サム兄ちゃん。サム兄ちゃんが《人の国》に行った後にチビが《人の国》に行ったら、会えるの?」
「ゴメンな、会う事は出来ないんだよ、チビ」
「ええ、なんで!…サム兄ちゃんに会えなくなるなんてチビ、寂しいよ」

「こら、チビ。これは決まりなんだから、仕方ないだろう。聞き分けろよ」
「ニセイが言った通りなんだよ、チビ。決まりだからね。仕方ないんだよ」
「だって、寂しいんだもん。ニセイ兄ちゃんは寂しくないの?」

「俺だって寂しく思うさ。けど仕方ないだろう!」
「ちょっと、ニセイもチビも、ケンカしないでよ」
「え~、チビケンカしてないもん!」
「そうだぞ、サム。ケンカなんかしてないぞ。……ちょっと口論しただけだぜ」
「本当、2人とも」

「「ああ(うん)」」
「2人がそう言うならいいけど……」
「そういえばサム、養子先がまだ決まって無いって言ってたけど、どうしてだ?」

「ああ、うん、今ね、長老様が候補の中からを選んでくれてるんだよ」
「ふ~ん。そうなんだ」
「ねえねえ、サム兄ちゃん。すぐ決まるの?」

「まだだよ。チビ」
「じゃぁいつ決まるの。サム兄ちゃん」
「それは……、まだわからないんだ。チビ。でもね、長老様がまだ先になるって言ってたんだよ」

「そうなの?じゃぁ今すぐじゃないんだね」
「そうだよ。だから僕が《人の国》に行くまでは一緒に遊ぼうね。チビ」
「うん、チビ、サム兄ちゃんと遊ぶ!」

「おいおい、俺も忘れないでくれよ」
「何、ニセイ。嫉妬してるの?」
「バカ、そんな訳ないだろう!サムはなに言ってんだよ」

「えぇー、嫉妬じゃぁないの~?ニセイ。じゃぁ、どうして?」
「もう、サム。いい加減にしろよ!チビが目を白黒させてるぞ!」
「ああ、ゴメン、ゴメン。チビ、冗談だからね。本気にしないで!」

「えぇ、サム兄ちゃん、冗談なの?」
「うん、冗談だよ。ゴメンね、チビ」
「ほら見ろ、チビが本気にしたらどうしてくれるんだよ。サムのバカ!!」

「良かった。冗談で!」
「ホント、ゴメンね。ニセイ」
「ふん、わかればいいんだよ!」

 サムはまさかチビが本気にするとは思わず、ニセイが嫉妬してる様な発言をしたてしまいました。しかし、チビは信じたようで、複雑な顔をしているのに気が付いたニセイが文句を言ってきた事で気が付きました。

 すぐに、チビに冗談だと言いましたが、チビは疑いの目をニセイに向けていた為に、ニセイはサムに怒りを向けました。その直後にニセイの凄い怒り方で、本当に冗談だと気が付いたチビの言葉でやっとニセイの怒りが収まり、サムはニセイに謝りました。
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