97 / 135
〈本編〉
サムとアゴ母さんと長老【《人の国》の事】1
しおりを挟む
サムはクロと別れると家に帰る道すがら、《人の国》への養子に行くにはどうしたら良いのか、誰に聞けば良いのか、いくら考えても思いつきません。仕方ないので、アゴ母さんに相談する事にしました。
「アゴ母さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」
「なあに、サム」
「あのね、《人の国》へ養子に行くにはどうしたらいいの?僕、調べたんだけど、わからなかったんだ」
「ああ、その事ね。そうね、資料としては無いはずよ」
「ええ、どうしてなの、アゴ母さん」
「それだけ難しいってことよ」
「アゴ母さん、何とかならないの?」
「う~ん、そうねえ、少し待ってくれる?サム」
「わかったよ、アゴ母さん。……お願いします」
サムはアゴ母さんに聞けば、すぐに分かると思っていたので、ちょっと期待外れで落胆してしまいました。でも、アゴ母さんは解らないとは言わなかったので、大人しく待つ事にしました。
◆◆◆◆◆
サムがアゴ母さんに《人の国》への養子に行くにはどうしたらいいか聞いてから、数日経ちました。約束通りアゴ母さんはサムに回答を持ってきました。そして、アゴ母さんはサムを呼びました。
「アゴ母さん、わかったの?」
「えぇ、もちろんよ。でもね、ここでは話せないわ。ゴメンね、サム」
「そんな事ないよ!アゴ母さんはちゃんと調べてくれたじゃぁないか」
「それでね、サム。今から行く所で話をしたいけどいいかしら?」
「うん、いいよ。どこに行くの?」
「ええとね、ここでは行くところも話せないの。行きながら話すからついて来て」
「うん、わかった。じゃぁ、行こうよ」
サムはアゴ母さんの言う事を聞いてついていく事にしました。
「サム、今から行くのは、長老の家よ」
「えぇ、長老の?」
「そうよ。サムの聞きたかった事は長老から話して貰えるわ」
サムはアゴ母さんの話にビックリしてしまいました。まさか、長老から話を聞く事になるとは思って居なかったからです。
「アゴ母さん、どうして長老から話を聞くの?」
「あまり、養子のことは大っぴらには、話せない事なのよ」
「え、どうして?」
「それは、長老から聞いて頂戴ね」
「でも、アゴ母さん。僕が長老に直接聞いてもいいの?」
「ええ、大丈夫よ。母さんから長老にはサムが話を聞きたいと話してあるから」
「そうなんだね。わかったよ、アゴ母さん。無理言ってゴメンね」
「何言ってるの。そんな事で謝らなくていいの!親なんだから当たり前のことをしてるのよ。わかった、サム」
「うん、ありがとう、アゴ母さん」
サムはアゴ母さんが長老にちゃんと話を通してくれた事に素直に感謝しました。
「アゴ母さん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」
「なあに、サム」
「あのね、《人の国》へ養子に行くにはどうしたらいいの?僕、調べたんだけど、わからなかったんだ」
「ああ、その事ね。そうね、資料としては無いはずよ」
「ええ、どうしてなの、アゴ母さん」
「それだけ難しいってことよ」
「アゴ母さん、何とかならないの?」
「う~ん、そうねえ、少し待ってくれる?サム」
「わかったよ、アゴ母さん。……お願いします」
サムはアゴ母さんに聞けば、すぐに分かると思っていたので、ちょっと期待外れで落胆してしまいました。でも、アゴ母さんは解らないとは言わなかったので、大人しく待つ事にしました。
◆◆◆◆◆
サムがアゴ母さんに《人の国》への養子に行くにはどうしたらいいか聞いてから、数日経ちました。約束通りアゴ母さんはサムに回答を持ってきました。そして、アゴ母さんはサムを呼びました。
「アゴ母さん、わかったの?」
「えぇ、もちろんよ。でもね、ここでは話せないわ。ゴメンね、サム」
「そんな事ないよ!アゴ母さんはちゃんと調べてくれたじゃぁないか」
「それでね、サム。今から行く所で話をしたいけどいいかしら?」
「うん、いいよ。どこに行くの?」
「ええとね、ここでは行くところも話せないの。行きながら話すからついて来て」
「うん、わかった。じゃぁ、行こうよ」
サムはアゴ母さんの言う事を聞いてついていく事にしました。
「サム、今から行くのは、長老の家よ」
「えぇ、長老の?」
「そうよ。サムの聞きたかった事は長老から話して貰えるわ」
サムはアゴ母さんの話にビックリしてしまいました。まさか、長老から話を聞く事になるとは思って居なかったからです。
「アゴ母さん、どうして長老から話を聞くの?」
「あまり、養子のことは大っぴらには、話せない事なのよ」
「え、どうして?」
「それは、長老から聞いて頂戴ね」
「でも、アゴ母さん。僕が長老に直接聞いてもいいの?」
「ええ、大丈夫よ。母さんから長老にはサムが話を聞きたいと話してあるから」
「そうなんだね。わかったよ、アゴ母さん。無理言ってゴメンね」
「何言ってるの。そんな事で謝らなくていいの!親なんだから当たり前のことをしてるのよ。わかった、サム」
「うん、ありがとう、アゴ母さん」
サムはアゴ母さんが長老にちゃんと話を通してくれた事に素直に感謝しました。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜
桐生桜月姫
恋愛
シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。
だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎
本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎
〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜
夕方6時に毎日予約更新です。
1話あたり超短いです。
毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。
魔法使いの国で無能だった少年は、魔物使いとして世界を救う旅に出る
ムーン
ファンタジー
完結しました!
魔法使いの国に生まれた少年には、魔法を扱う才能がなかった。
無能と蔑まれ、両親にも愛されず、優秀な兄を頼りに何年も引きこもっていた。
そんなある日、国が魔物の襲撃を受け、少年の魔物を操る能力も目覚める。
能力に呼応し現れた狼は少年だけを助けた。狼は少年を息子のように愛し、少年も狼を母のように慕った。
滅びた故郷を去り、一人と一匹は様々な国を渡り歩く。
悪魔の家畜として扱われる人間、退廃的な生活を送る天使、人との共存を望む悪魔、地の底に封印された堕天使──残酷な呪いを知り、凄惨な日常を知り、少年は自らの能力を平和のために使うと決意する。
悪魔との契約や邪神との接触により少年は人間から離れていく。対価のように精神がすり減り、壊れかけた少年に狼は寄り添い続けた。次第に一人と一匹の絆は親子のようなものから夫婦のようなものに変化する。
狂いかけた少年の精神は狼によって繋ぎ止められる。
やがて少年は数多の天使を取り込んで上位存在へと変転し、出生も狼との出会いもこれまでの旅路も……全てを仕組んだ邪神と対決する。
蒼いクジラとネジ巻き人間
JEDI_tkms1984
ファンタジー
荒廃した世界。
困窮にあえぐ人々が見上げるは、巨大な蒼いクジラ。
クジラは人々に恵みの雨を降らせる。
穀物、果実、種子、ガラスに金属片――。
施しをくださる天上の存在を、彼らは畏敬を込めて「クジラ様」と呼んだ。
命を危険に晒しながら、地上を這う彼らはその恩恵にあずかろうと奪い合いを繰り返す。
技師であるカイロウは、あるとき娘をクジラに拐われてしまう。
クジラ様に招かれた者はこの世の楽園に住まうことが許される――それがこの世界の掟だった。
人々は幸運の子と喜び、クジラに選ばれた彼女を祝福した。
だが彼は娘を奪ったクジラを恨み、彼女を連れ戻そうとした妻を処刑した政府を憎んだ。
「必ず取り戻す……」
復讐の炎を静かにたぎらせながら、彼は娘を連れ戻すべくクジラに挑む。
はぐれ聖女 ジルの冒険 ~その聖女、意外と純情派につき~
タツダノキイチ
ファンタジー
少し変わった聖女もの。
冒険者兼聖女の主人公ジルが冒険と出会いを通し、成長して行く物語。
聖魔法の素養がありつつも教会に属さず、幼いころからの夢であった冒険者として生きていくことを選んだ主人公、ジル。
しかし、教会から懇願され、時折聖女として各地の地脈の浄化という仕事も請け負うことに。
そこから教会に属さない聖女=「はぐれ聖女」兼冒険者としての日々が始まる。
最初はいやいやだったものの、ある日をきっかけに聖女としての責任を自覚するように。
冒険者や他の様々な人達との出会いを通して、自分の未熟さを自覚し、しかし、人生を前向きに生きて行こうとする若い女性の物語。
ちょっと「吞兵衛」な女子、主人公ジルが、冒険者として、はぐれ聖女として、そして人として成長していく過程をお楽しみいただければ幸いです。
カクヨム・小説家になろうにも掲載
先行掲載はカクヨム
大魔女アナスタシアの悪戯 ~運命の矢が刺さったらしいのですが、これ、間違いなんです!~
三沢ケイ
恋愛
大魔女アナスタシアは考えた。このつまらない日常に何か楽しい余興はないものか。
そして犠牲となったのは三十路OLの日下舞花。口車に乗せられて連れてこられた異世界で渡された恋に効く弓矢が誤発射し、刺さった相手はやたら怖そうな強面の軍人だった。
待ってください。これ、間違いなんです!
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる