【完結】ねこの国のサム

〈本編〉

チビとサムとアゴ母さん《将来の話》

　サムの将来の話を聞いたチビは、アゴ母さんとサムに自分の将来についても話をしようと思いました。

「アゴ母さん、チビもこの家を出ないといけないのかな？」
「そうね、チビは女の子だから、この家にいてもいいと思うわ」
「あ、そうか。チビは女の子だからこのままでいいんだね。アゴ母さん」

「そう、別に修行に出なくても、家を出る必要もないわね」
「そうなの？チビ、出て行かなくてもいいの？」
「いいじゃぁないか！チビ。ここでアゴ母さんといられるよ」

「でも、サム兄ちゃん達は出て行くんでしょう？」
「そうだけど、コレはこの国の掟オキテだから仕方ないのよ、チビ」
「でも、でも、チビもお兄ちゃん達みたいに外に出てみたいよ～！」

　アゴ母さんがチビを説得しようとしますが、チビは兄達と違う事が我慢ならないと言って、アゴ母さんを困らせます。そこにサムが、チビに代替え案を言いました。

「チビ、今度さ、クロちゃん達とブチ兄ちゃん達に話を聞きに行ったらどうかな？……ねぇ、アゴ母さん、どうかな？」
「そうねぇ。……ブチに行ってもいいか聞いてみないと分からないけど、いい案だと思うわ。チビはブチと話をしてみたいかしら？どうなの？」

「チビ、ブチ兄ちゃんと話、してみたい！」
「じゃぁ、決まりね。でも、ブチの予定次第だから、いつになるか分からないわよ。それで、いいのね、チビ」
「うん、いいよ。ブチ兄ちゃんと会えるなら、チビ、いつまでも待つよ！」

「チビ、そんなに待たなくても大丈夫だと思うよ、ねぇ、アゴ母さん」
「そうねぇ、ブチもみんなに会いたいと思ってると思うから、少し待つくらいでいいと思うわよ」
「わぁぃ、ブチ兄ちゃんに会えるんだ！嬉しいな！」

「そうだね。僕も嬉しいよ。チビはブチ兄ちゃんにどんな事、聞くの？」
「うんとね、チビ、ブチ兄ちゃんのどんな生活をしてるか聞いてみたい！」
「そうなの？じゃぁ、ブチにその事を話しておくわね。チビ」
「アゴ母さん、本当！約束だよ」

　アゴ母さんはチビの要望を聞いて、ブチに話を通しておく事を約束しました。

「じゃぁ、チビ。僕の話はもういいよね？」
「あ、サム兄ちゃん、うん。ありがとう！」
「サムもチビもお疲れ様。じゃぁ、今日はここまでね。次はブチが帰るか、ブチの所に行った時にね」
「「は～～い」」

　チビによるサムの将来の話とチビの将来の話については、ブチの所に行った時かブチが帰った時まで話をするのは延期になりました。チビはブチに会えるのが凄く嬉しくなり、話が聞けることも楽しみになりました。