【完結】ねこの国のサム

〈本編〉

サムとチビ《将来の話》２

　アゴ母さんはサムとチビの顔を見ながら、どうしようかしらっと思いました。チビには簡単にサムの将来について話をしてあったからです。その話を聞いて、サムに話を聞きたいと言ったのなら、サムから聞かない事には、チビは受け入れないだろうと思いました。仕方ないので、サムに話をして貰うしかないか、とも思いました。

「サム、チビから話して欲しいって言われたのね」
「そうだよ。アゴ母さん。《人の国》にどうして行くの？って聞かれたんだ」
「そう。……ご飯を食べてから、話をしましょうか？」

「そうだね。その方がいいと思うよ、アゴ母さん」
「チビも、賛成！」
「じゃぁ、そうしましょう」

　アゴ母さんはご飯の準備をします。それをサムとチビが手伝って行きました。そこへニセイが来ました。サムとチビがご飯の準備を手伝っているのを見て、手伝い始めました。みんなで準備をしたので、ご飯の準備が早く終わり、すぐにご飯を食べ始めました。そしてご飯を食べ始めると、ニセイがサムに話掛けました。

「サム、チビと話は終わったのか？」
「なに？チビが話をしたいって言ったのは、ニセイが言い出した事なのか」
「イヤ、チビがサムの将来の事を聞いてきたから、サムに聞いた方がいいって言っただけだ」

「なに、ニセイが原因だったの？チビ」
「違うよ、アゴ母さん。チビがサム兄ちゃんに聞きたいと思ったの」
「そうだよ！アゴ母さん。俺はチビに本人から聞いた方がいいと思ったから、言っただけだってば！」
「そうなの、アゴ母さん。ニセイ兄ちゃんは関係ないの！」

「わかったわ。だから、ニセイもチビもご飯を食べましょうね」
「「は～い」」

　サムにニセイが話しかけていたのに、いつの間にか、ニセイとチビとアゴ母さんが話す形になってしまいました。話をする事で、ハシもう止まってしまったニセイとチビにアゴ母さんが早く食べる様に促しました。サムはモクモクと話に入らずに食べていました。

　やっとご飯を食べ終わって、片付けも終わると、ニセイはチビに遊びに行こうと誘いましたが、チビはこの後、サムから話を聞くから行かないと言って、断りました。それを聞いたニセイは肩を落としながら、居間を出て行きました。

「さあ、ご飯も食べ終わったし、話をしましょうか。サム、チビ」
「そうだね。じゃぁ、チビもいい？」
「うん、サム兄ちゃん」

「じゃぁ、話すね。アゴ母さん、補足をよろしく！」
「わかったわ、サム」
「お願いします。サム兄ちゃん」