82 / 135
〈本編〉
チビとチャシロとチロ《将来の話と〈人の国〉の話》
しおりを挟む
チビとチャシロとチロは一緒に遊んでいたのですが、ニセイとクロが話をしているのに、大きな声がたびたび出るので、気になっていました。3人は集まって、何を話しているのか、ボソボソと話し合いました。
「ねえ、ねえ、チャシロちゃん。ニセイ兄ちゃん達、何話してるのかな。わかる?」
「そうだねぇ、チビちゃんは何話してると思う?」
「全然わかんないから聞いてるのに!」
「ゴメン、ゴメン」
「チャシロ兄ちゃん。兄ちゃんはわかるの?」
「そうだよ。チャシロちゃん、わかるの?」
「いや、僕も分からないよ」
「なあんだ!やっぱりチャシロちゃんにも分からないんだ」
「本当にわからないの、兄ちゃん?」
「う~ん、なんとなく、そうじゃあないかな~、って思うのがあるけどね」
「ええ、それってどんなことなの?チャシロちゃん」
「兄ちゃん、僕も聞きたい」
チャシロはニセイとクロが話している事を何となくわかったように思いました。もうそろそろ、兄達は独立する事を知っていたからです。だから、その事をチビとチロに話をする事にしました。
「あのね、兄ちゃん達だけどね、もう少ししたら独立しないといけないんだよね。それで、独立したら家を出る事になるんだけど、お仕事とか住む家とかの話をしてるんじゃあないかと思ったんだよ」
「え、ニセイ兄ちゃん達、家を出て行っちゃうの?」
「そうなの?…兄ちゃん」
「家を出て行くかは分からないよ。でもさ、ブチさんやミケさんは家を出てるでしょう!」
「あ、そうだ!ブチ兄ちゃん達、家を出てる!」
「ええと、ブチさんとミケさんって誰?」
チロはブチとミケが分からなくて、チャシロとチビに誰の事か聞きます。チロもブチとミケにあった事はあるのですが、小さかったので覚えていないようです。仕方なくチャシロがチロに教える事にしました。
「チロ、ブチさんとミケさんにはあった事、あるはずだけど覚えてない?ほら、一度クロ兄ちゃんとチビちゃん達と一緒に行って遊んで貰っただろう?」
「そうだよ、チロちゃん。ブチ兄ちゃんとは少ししか遊べなかったけど、ミケ兄ちゃんとはいっぱい遊んだよ!」
「そうだったかな?……う~ん、もしかして、ブチさんってチビと同じ様なブチ柄の人?」
「そうそう、その人とミケ柄の人だよ。チロ」
「な~んだ。チロちゃん、覚えてるじゃん!」
「そっか~。あの人達か!」
やっとチロもブチとミケの事を思い出したので、チャシロは話を続ける事にしました。
「ブチさんとミケさんはここにはいなかっただろう?独立してある一定期間、修行をするみたいだよ」
「じゃあさ、その修行が終わればこっちに帰ってこれるって事だよね。チャシロちゃん!」
「そうだね。帰ってくる気があるなら、帰ってくるよ。でも、帰ってこない人もいるみたいだよ」
「え、帰ってこない人もいるの、兄ちゃん?」
「そうなんだ。帰ってこない人は、みんな《人の国》に行った人らしいよ」
「そんな人いるの、ねえチャシロちゃん?」
「うん、いるみたいだね。クロ兄ちゃんが今《人の国》の事を調べてるから、クロ兄ちゃんから聞いたんだよ」
「そっか~。もし家族が《人の国》に行っちゃったら寂しくなっちゃうね。…サム兄ちゃんやニセイ兄ちゃんがいなくなっちゃうなんて、なんだかヤダな~」
「僕もクロ兄ちゃんやチャシロ兄ちゃんがいなくなったらヤダ!」
「でも僕達も何れは、独立する事になるんだよ。チビちゃんもチロもね」
「イ・ヤ・だ、僕はみんなと一緒にいたいよ。なんで一緒にいちゃダメなの。兄ちゃん」
「仕方ないよ。それがこの国で暮らす者のルールだからね」
「もう、誰がそんな事、決めたの?」
「昔からの決まりなんだから、しょうがないでしょうが!チビちゃんもチロも駄々を捏ねないの!」
「そんな~!兄ちゃんはそれでいいの?」
「だから仕方ないって言ってるだろう!そんなに言うなら僕じゃあなくて母さんに聞けよ!」
「わかったよ。母さんに聞いてみる」
「そうだね。チャシロちゃんでも分からない事もあるもんね。アゴ母さんに聞いてみるね」
こうして、ちびっ子3人は、ニセイとクロの話から独立する事についてチャシロがわかる範囲で話をしていました。最後はチビとチロが納得できなくて、チャシロに駄々を捏ねてしまいましたが、それぞれの母親に話を聞く事で決着しました。
「ねえ、ねえ、チャシロちゃん。ニセイ兄ちゃん達、何話してるのかな。わかる?」
「そうだねぇ、チビちゃんは何話してると思う?」
「全然わかんないから聞いてるのに!」
「ゴメン、ゴメン」
「チャシロ兄ちゃん。兄ちゃんはわかるの?」
「そうだよ。チャシロちゃん、わかるの?」
「いや、僕も分からないよ」
「なあんだ!やっぱりチャシロちゃんにも分からないんだ」
「本当にわからないの、兄ちゃん?」
「う~ん、なんとなく、そうじゃあないかな~、って思うのがあるけどね」
「ええ、それってどんなことなの?チャシロちゃん」
「兄ちゃん、僕も聞きたい」
チャシロはニセイとクロが話している事を何となくわかったように思いました。もうそろそろ、兄達は独立する事を知っていたからです。だから、その事をチビとチロに話をする事にしました。
「あのね、兄ちゃん達だけどね、もう少ししたら独立しないといけないんだよね。それで、独立したら家を出る事になるんだけど、お仕事とか住む家とかの話をしてるんじゃあないかと思ったんだよ」
「え、ニセイ兄ちゃん達、家を出て行っちゃうの?」
「そうなの?…兄ちゃん」
「家を出て行くかは分からないよ。でもさ、ブチさんやミケさんは家を出てるでしょう!」
「あ、そうだ!ブチ兄ちゃん達、家を出てる!」
「ええと、ブチさんとミケさんって誰?」
チロはブチとミケが分からなくて、チャシロとチビに誰の事か聞きます。チロもブチとミケにあった事はあるのですが、小さかったので覚えていないようです。仕方なくチャシロがチロに教える事にしました。
「チロ、ブチさんとミケさんにはあった事、あるはずだけど覚えてない?ほら、一度クロ兄ちゃんとチビちゃん達と一緒に行って遊んで貰っただろう?」
「そうだよ、チロちゃん。ブチ兄ちゃんとは少ししか遊べなかったけど、ミケ兄ちゃんとはいっぱい遊んだよ!」
「そうだったかな?……う~ん、もしかして、ブチさんってチビと同じ様なブチ柄の人?」
「そうそう、その人とミケ柄の人だよ。チロ」
「な~んだ。チロちゃん、覚えてるじゃん!」
「そっか~。あの人達か!」
やっとチロもブチとミケの事を思い出したので、チャシロは話を続ける事にしました。
「ブチさんとミケさんはここにはいなかっただろう?独立してある一定期間、修行をするみたいだよ」
「じゃあさ、その修行が終わればこっちに帰ってこれるって事だよね。チャシロちゃん!」
「そうだね。帰ってくる気があるなら、帰ってくるよ。でも、帰ってこない人もいるみたいだよ」
「え、帰ってこない人もいるの、兄ちゃん?」
「そうなんだ。帰ってこない人は、みんな《人の国》に行った人らしいよ」
「そんな人いるの、ねえチャシロちゃん?」
「うん、いるみたいだね。クロ兄ちゃんが今《人の国》の事を調べてるから、クロ兄ちゃんから聞いたんだよ」
「そっか~。もし家族が《人の国》に行っちゃったら寂しくなっちゃうね。…サム兄ちゃんやニセイ兄ちゃんがいなくなっちゃうなんて、なんだかヤダな~」
「僕もクロ兄ちゃんやチャシロ兄ちゃんがいなくなったらヤダ!」
「でも僕達も何れは、独立する事になるんだよ。チビちゃんもチロもね」
「イ・ヤ・だ、僕はみんなと一緒にいたいよ。なんで一緒にいちゃダメなの。兄ちゃん」
「仕方ないよ。それがこの国で暮らす者のルールだからね」
「もう、誰がそんな事、決めたの?」
「昔からの決まりなんだから、しょうがないでしょうが!チビちゃんもチロも駄々を捏ねないの!」
「そんな~!兄ちゃんはそれでいいの?」
「だから仕方ないって言ってるだろう!そんなに言うなら僕じゃあなくて母さんに聞けよ!」
「わかったよ。母さんに聞いてみる」
「そうだね。チャシロちゃんでも分からない事もあるもんね。アゴ母さんに聞いてみるね」
こうして、ちびっ子3人は、ニセイとクロの話から独立する事についてチャシロがわかる範囲で話をしていました。最後はチビとチロが納得できなくて、チャシロに駄々を捏ねてしまいましたが、それぞれの母親に話を聞く事で決着しました。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
猫スタ募集中!(=^・・^=)
五十鈴りく
ライト文芸
僕には動物と話せるという特技がある。この特技をいかして、猫カフェをオープンすることにした。というわけで、一緒に働いてくれる猫スタッフを募集すると、噂を聞きつけた猫たちが僕のもとにやってくる。僕はそんな猫たちからここへ来た経緯を聞くのだけれど――
※小説家になろう様にも掲載させて頂いております。
錬金術師カレンはもう妥協しません
山梨ネコ
ファンタジー
「おまえとの婚約は破棄させてもらう」
前は病弱だったものの今は現在エリート街道を驀進中の婚約者に捨てられた、Fランク錬金術師のカレン。
病弱な頃、支えてあげたのは誰だと思っているのか。
自棄酒に溺れたカレンは、弾みでとんでもない条件を付けてとある依頼を受けてしまう。
それは『血筋の祝福』という、受け継いだ膨大な魔力によって苦しむ呪いにかかった甥っ子を救ってほしいという貴族からの依頼だった。
依頼内容はともかくとして問題は、報酬は思いのままというその依頼に、達成報酬としてカレンが依頼人との結婚を望んでしまったことだった。
王都で今一番結婚したい男、ユリウス・エーレルト。
前世も今世も妥協して付き合ったはずの男に振られたカレンは、もう妥協はするまいと、美しく強く家柄がいいという、三国一の男を所望してしまったのだった。
ともかくは依頼達成のため、錬金術師としてカレンはポーションを作り出す。
仕事を通じて様々な人々と関わりながら、カレンの心境に変化が訪れていく。
錬金術師カレンの新しい人生が幕を開ける。
※小説家になろうにも投稿中。
ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~
にくなまず
ファンタジー
今年から冒険者生活を開始した主人公で【ソロ】と言う適正のノア(15才)。
その適正の為、戦闘・日々の行動を基本的に1人で行わなければなりません。
そこで元上級冒険者の両親と猛特訓を行い、チート級の戦闘力と数々のスキルを持つ事になります。
『悠々自適にぶらり旅』
を目指す″つもり″の彼でしたが、開始早々から波乱に満ちた冒険者生活が待っていました。
婚活パーティーで、国一番の美貌の持ち主と両想いだと発覚したのだが、なにかの間違いか?
ぽんちゃん
BL
日本から異世界に落っこちた流星。
その時に助けてくれた美丈夫に、三年間片思いをしていた。
学園の卒業を目前に控え、商会を営む両親に頼み込み、婚活パーティーを開いてもらうことを決意した。
二十八でも独身のシュヴァリエ様に会うためだ。
お話出来るだけでも満足だと思っていたのに、カップル希望に流星の名前を書いてくれていて……!?
公爵家の嫡男であるシュヴァリエ様との身分差に悩む流星。
一方、シュヴァリエは、生涯独り身だと幼い頃より結婚は諦めていた。
大商会の美人で有名な息子であり、密かな想い人からのアプローチに、戸惑いの連続。
公爵夫人の座が欲しくて擦り寄って来ていると思っていたが、会話が噛み合わない。
天然なのだと思っていたが、なにかがおかしいと気付く。
容姿にコンプレックスを持つ人々が、異世界人に愛される物語。
女性は三割に満たない世界。
同性婚が当たり前。
美人な異世界人は妊娠できます。
ご都合主義。
元喪女に王太子は重責過ぎやしませんかね?
紅葉ももな(くれはももな)
ファンタジー
魔法が存在しない異世界へ赤子として転生を果たした地球産の元喪女が、羞恥プレイを乗り越えて突き付けられたのは、男としての新たな人生だった。
転生によって特別な力など与えられず、弱小国家の王太子と言う重責を背負い生まれ変わった彼女は、群雄割拠の時勢にさらされる愛する祖国を守ると堅く決意する。
動乱に揺れる大陸で祖国を守り、今度こそ大往生できるのか?
二度目の人生が今始まる。
女神の代わりに異世界漫遊 ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~
大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。
麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。
使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。
厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒!
忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪
13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください!
最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^
※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!
(なかなかお返事書けなくてごめんなさい)
※小説家になろう様にも投稿しています
美しくも残酷な世界に花嫁(仮)として召喚されたようです~酒好きアラサーは食糧難の世界で庭を育てて煩悩のままに生活する
くみたろう
ファンタジー
いつもと変わらない日常が一変するのをただの会社員である芽依はその身をもって知った。
世界が違った、価値観が違った、常識が違った、何もかもが違った。
意味がわからなかったが悲観はしなかった。
花嫁だと言われ、その甘い香りが人外者を狂わすと言われても、芽依の周りは優しさに包まれている。
そばに居るのは巨大な蟻で、いつも優しく格好良く守ってくれる。
奴隷となった大好きな二人は本心から芽依を愛して側にいてくれる。
麗しい領主やその周りの人外者達も、話を聞いてくれる。
周りは酷く残酷な世界だけれども、芽依はたまにセクハラをして齧りつきながら穏やかに心を育み生きていく。
それはこの美しく清廉で、残酷でいておぞましい御伽噺の世界の中でも慈しみ育む人外者達や異世界の人間が芽依を育て守ってくれる。
お互いの常識や考えを擦り合わせ歩み寄り、等価交換を基盤とした世界の中で、優しさを育てて自分の居場所作りに励む。
全ては幸せな気持ちで大好きなお酒を飲む為であり、素敵な酒のつまみを開発する日々を送るためだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる