【完結】ねこの国のサム

榊咲

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〈本編〉

チビの初めての予防接種②

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 受付で予防接種の受付をしてしばらくすると、先生が来ました。そして予防接種についてチビ達ちびっ子にわかり易く説明をしました。

「こんにちは。今から予防接種について言います。よく聞いてください」
「はい「「にゃい」」」
「予防接種は病気にならない様にする為、病気になっても酷くならない為にやります。毎年、受けないと効果が出ない事があります。ですから、毎年必ず受けましょう。わかったかな?」
「「「う~ん、むじゅかしい」」」

「わからなかったら、お母さんに聞いてください」
「はい「「にゃい」」」
「それじゃあ、予防接種に移ります。誰からかな?」

 先生はチビ達に最初は誰からやるのか聞きました。これには、アゴ母さん達が返事をしました。

「先生、私のところのチビからお願いします」
「チビちゃんからね。チビちゃん」
「にゃい」
「さあ、腕を出して。ちょっとチックッとするから、我慢してよ」
「にゃい」

 チビの腕に注射をしました。チビは初めての注射の感触にビックリするのと痛いのとで涙が出てきました。でも先生に『我慢して』と言われたのでグッと我慢しました。

「チビちゃんは泣かなくて偉いね」

と先生に褒められて、チビは嬉しくなりました。アゴ母さんもチビが泣かないか心配していましたが、杞憂に終わりホットしました。

 次はチャシロとチロの番です。チビが泣かないで終わったので、チャシロもチロも絶対に痛くても泣かないと意気込んで予防接種に挑みました。

「じゃあ次はチャシロちゃんかな。こっちに来て。腕を出して、ちょっとチックっとするからね。痛くても我慢してね」
「はい」
 チャシロにも注射をしました。『痛くても泣かない』と決意していたのでチャシロも我慢して泣きませんでした。

「チャシロちゃんも泣かなくて偉いね」

と先生は褒めました。チィもチャシロが予防接種が初めてなので泣かないか心配していましたが、先にチビが受けていたのが良かったのか我慢した様でよかったと思いました。

「最後はチロちゃんだね。こっちに来てね。じゃあ腕を出して、ちょっとチックっとするからね。我慢してね」
「にゃい」
 チロは『痛くても泣かないもん』と思っていましたが、思っていたよりも痛くて泣いてしまいました。

「チロちゃん、頑張って我慢したけど、やっぱり痛かったね。大丈夫だよ、お兄ちゃんになっても怖くて泣いちゃう子もいるからね。チロちゃんは頑張ったよ」

 とニセイやクロの話を名前を出さずにチロに話しました。チロは自分よりお兄ちゃんでも泣いちゃうんだと納得しました。チィはチロはチビより一つ下なので泣いてしまっても仕方ないと思いました。

 チビ、チャシロ、チロの予防接種も無事終わり、アゴ母さんもチィも何事もなく終わってホットしました。特にアゴ母さんはニセイの事があったのでチビも逃げ出したりしないか心配していました。

「ではこれで予防接種は終わりました。今回が最初なので一週間後にまた来てください」
と先生が言いました。
 それにアゴ母さんとチィは「「わかりました。ありがとうございました」」と言いました」

 取り敢えず、今回は終わりましたが、二度目はどうなるか分かりません。最初に予防接種の事を先生が教えてくれたのがよかった様で、先生には感謝しかありません。アゴ母さんとチィは『今度も一緒に来ませんか?』とお互いに思い、言ってみました。

「思う事は一緒ね。チィさん」
「そうね。アゴさん。来週もよろしくお願いします」
「いえいえ、こちらこそお願いします」

 来週の予防接種の件もお互いに確認して家に帰りました。
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