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〈本編〉
ニセイとアゴ母さん 予防接種へ①
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今日はニセイに予防接種を受けさせに行かなければならないが、これがまた一番苦労する事だとアゴ母さんは思っていました。ニセイはトコトン病院が嫌いで一年に一回の予防接種に行くのを拒み、姿を隠してしまうからです。
ブチがいた頃はブチがニセイを探し出して連れて行ってくれたのでよかったのですが、ブチが修行に出てしまった今、自分で探すほかありません。サムも協力してくれますがニセイの方が身体能力が上なのでなかなか上手く探す事が出来無いのでどうしようかと思っていました。
そこでサムがいい方法を思いつきました。ニセイがチビを可愛がっている事を逆手に取った作戦です。これにアゴ母さんは、なぜ今まで思い付かなかったのか?と思いました。
病院へ行く事を気づかせない様にサムに誘導させてニセイを捕まえる作戦です。
「ニセイ、今日はチビを公園に連れて行かない?」
「そうだなぁ。今日は天気も良いし行こうかサム」
「あ、アゴ母さん、今日はチビを連れて公園に行くね」
サムがアゴ母さんに言うとアゴ母さんはニセイの肩に手を置いてからサムに言いました。
「そうかい、今日は天気も良いから水筒を忘れずに持って行くんだよ。いいね」
「うん、わかった。アゴ母さんも頑張ってね!」
いまだにサムとアゴ母さんの話の意味が分からずニセイはアゴ母さんに肩を掴まれています。ニセイがアゴ母さんに肩を掴まれている理由を聞こうと思った時にフッと思い出した事がありました。
「あのアゴ母さん、俺もサム達と一緒に公園内行ってもいいよね?」
「ダメに決まってるでしょう!ニセイは母さんと一緒に行く所があるんだから」
やっとニセイもサムとアゴ母さんの思惑に気が付きましたが、アゴ母さんに肩を掴まれていては逃げられません。ジタバタとアゴ母さんから逃げようとしますが、アゴ母さんの肩を掴む手に力が入るだけでした。
「ニセイ、ジタバタしないでアゴ母さんと行っておいでよ。チビにいい所を見せようよ」
「ニセイ、サムの言う通りよ。サッサと済ませてチビと遊ぶ方がイイでしょう」
「うー、わかったよ。チビに悪いとこは見せられないもんな!」
やっとニセイも観念しました。サムとアゴ母さんの作戦勝ちです。
アゴ母さんは来年からもこの手で行こうと思いましたが、来年はもう少し手の込んだ作戦を考えないとニセイに『勘付かれてしまうかな』とも思ったのでサムと再検討をしようと思いました。
こうして今年のニセイの予防接種は無事に行く事が出来そうで一安心なアゴ母さんでした。
ブチがいた頃はブチがニセイを探し出して連れて行ってくれたのでよかったのですが、ブチが修行に出てしまった今、自分で探すほかありません。サムも協力してくれますがニセイの方が身体能力が上なのでなかなか上手く探す事が出来無いのでどうしようかと思っていました。
そこでサムがいい方法を思いつきました。ニセイがチビを可愛がっている事を逆手に取った作戦です。これにアゴ母さんは、なぜ今まで思い付かなかったのか?と思いました。
病院へ行く事を気づかせない様にサムに誘導させてニセイを捕まえる作戦です。
「ニセイ、今日はチビを公園に連れて行かない?」
「そうだなぁ。今日は天気も良いし行こうかサム」
「あ、アゴ母さん、今日はチビを連れて公園に行くね」
サムがアゴ母さんに言うとアゴ母さんはニセイの肩に手を置いてからサムに言いました。
「そうかい、今日は天気も良いから水筒を忘れずに持って行くんだよ。いいね」
「うん、わかった。アゴ母さんも頑張ってね!」
いまだにサムとアゴ母さんの話の意味が分からずニセイはアゴ母さんに肩を掴まれています。ニセイがアゴ母さんに肩を掴まれている理由を聞こうと思った時にフッと思い出した事がありました。
「あのアゴ母さん、俺もサム達と一緒に公園内行ってもいいよね?」
「ダメに決まってるでしょう!ニセイは母さんと一緒に行く所があるんだから」
やっとニセイもサムとアゴ母さんの思惑に気が付きましたが、アゴ母さんに肩を掴まれていては逃げられません。ジタバタとアゴ母さんから逃げようとしますが、アゴ母さんの肩を掴む手に力が入るだけでした。
「ニセイ、ジタバタしないでアゴ母さんと行っておいでよ。チビにいい所を見せようよ」
「ニセイ、サムの言う通りよ。サッサと済ませてチビと遊ぶ方がイイでしょう」
「うー、わかったよ。チビに悪いとこは見せられないもんな!」
やっとニセイも観念しました。サムとアゴ母さんの作戦勝ちです。
アゴ母さんは来年からもこの手で行こうと思いましたが、来年はもう少し手の込んだ作戦を考えないとニセイに『勘付かれてしまうかな』とも思ったのでサムと再検討をしようと思いました。
こうして今年のニセイの予防接種は無事に行く事が出来そうで一安心なアゴ母さんでした。
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