【完結】ねこの国のサム

榊咲

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〈本編〉

ブチとミケの独立後初めての帰省2

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 家に入りご飯を食べ始めました。アゴ母さんがブチの近況を聞きます。

「ブチ、ミケちゃんも一緒に帰って来たのかい」
「うん、一緒に来たよ。今日はハナおばさんのご飯が食べられる!って言ってた」
「そう、やっぱりハナさんの味に飢えてるんだねぇ」
「俺も飢えてるよ。やっぱりアゴ母さんの味が最高だ!」
「嬉しいこと言ってくれるねぇ。たくさん食べてね。サムもニセイもたくさん食べなさい」
「「は~い」」

 サムとニセイも返事をして食べます。でもサムはブチと話がしたくて気もそぞろで食事に集中出来ません。チラチラとブチの顔を見てしまいます。それに気がついたブチがサムにどうしたのか聞きました。

「サム、ご飯に集中出来てないみたいだけどどうしたんだ」
「う~んと、ブチ兄ちゃんと話がしたくて」
「じゃぁ、ご飯を食べたら話を聞くから集中して食べよう」
「うん、いっぱい話すことがあるんだ。約束だよ」
「わかったわかった」

 サムもブチと話が出来ることになり、ニコニコ顔でご飯を食べ始めました。アゴ母さんはこの1か月程でサムがブチに頼らずに色々なり事が出来ていた事を思い出し『うふふ』と笑顔になりました。
 
 サムに続きニセイもブチに話しかけました。

「ブチ兄ちゃん、あっちの生活はどうなの?ミケ兄ちゃんとも仲良くしてるの」
「ああ、今のところ順調かな。ミケとはまぁ腐れ縁みたいな感じだな。ああ、そうだ明日、ミケが遊びに来るって言ってたぞ」
「ええ、本当!じゃぁ明日はみんなで公園に行こうよ!ねぇ」サムは興奮して、言い募りました。

「そうねぇ、ニセイもチビも一緒行って遊んでもらうのもいいわねぇ」アゴ母さんも賛成しました。

「じゃぁ、明日はみんなで公園まで散歩だな。ミケにも連絡しておくよ、アゴ母さん。母さんもハナおばさんと話をしてきたらどう」
「じゃぁ、そうさせて貰うわ。よろしくね、ブチ。さぁ、ご飯を食べたらしまいましょう」
「「「は~い「にゃ~い」」」」

 明日の話もできたので、みんな食事に集中し、食後の近況報告へと移っていきました。

~~~~~~~~

 食事も終わりお茶を飲みながらサムがブチに話しかけました。

「ブチ兄ちゃん、サムねぇ今までブチ兄ちゃんに手伝って貰ってた事が1人で出来る様になったんだ」
「そうか、よかったな。どうな事が出来る様になったんだ」
「う~んと、外でコテンコテンする事とか、後ろ足で土を掘ったり、木の上に登ったり出来る様になったよ」
「偉いいな~」
「サムもだけどニセイも出来る様になったのよね。ニセイはチビの面倒をよく見てくれるし。サムもお手伝い、頑張ってるものね」

 アゴ母さんがブチに2人がそれぞれやってきた事を補足しました。それを聞いてブチは弟達の成長が嬉しくなりました。またアゴ母さんの助言にしたがって、少し遠い所に行ってよかったと思いました。
 近くに居ればすぐに手伝ってしまっていたかも知れません。遠くに行き、手伝って貰えないからこそ弟達が成長出来たと実感出来たからです。

 色々ありましたがブチもサムもニセイも成長出来た一か月間になりました。
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