【完結】ねこの国のサム

榊咲

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〈本編〉

サム達の妹2

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 ある日突然、妹が生まれたサムとニセイは妹がはやく見たくてウズウズしていました。ブチとアゴ母さんからもう少し大きくなったら会えるからと言われていますが妹が『ミィミィ』と鳴いていると居てもたっても居られない様子でソワソワしてしまう毎日が続いていました。

「ねえ、ブチにぃにゃん、サムねぇいもうとにあいたいにゃ」
「ニセイもあいたいにゃん」

 今日もブチに聞いてきます。毎日毎日同じ事を聞いてくるので、ブチも少々イラッとする事もしばしばで「アゴ母さんからもう少しって言われてるだろ」と語気が荒くなってしまいます。

「「だっちぇ、あいちゃいだもん」」
「それじゃ、大人しくいい子にしてたら、アゴ母さんに会えるかきてやる。それでいいか?母さんがダメって言ったらもう少し待つんだぞ」

「「わかちゃよ」」

 サムとニセイは妹にはやく会いたい為にブチに言われた通り大人しくしていました。それでも、いつものブチとミケと一緒に行く公園までの散歩ではハメを外しがちでブチとミケに叱られていました。
 そして、やっとアゴ母さんから妹に会ってもいいと言われました。

「ブチ、ミケちゃん、、今までサムとニセイの面倒を見てくれて、ありがとう」
「アゴ母さん、お疲れさま。妹に早く会いたいって煩いぐらい言ってたけど、いい子にしてないと会えないぞって言ったらいい子になったからそんなに苦労しなかったよ」
「アゴおばさん、こんにちは。お疲れさまでした。サムちゃんとニセイちゃんはいい子でしたよ」
「そうだったのね。さぁ、サム、ニセイ、この子が妹よ」

 アゴ母さんが妹を抱き上げてサムとニセイの前に行くと、そっと覗き込みます。妹はブチと同じくブチ柄でした。今はアゴ母さんの腕の中ですやすやと寝ています。

「「ちぃちゃい」」
「サムもニセイもこれくらい小さかったのよ。もちろんブチもね」
「そうだよ。サムとニセイも同じくらいだったよな。ミケ」
「そうだね。ブチ」
「ほんちょ。サムもこんにゃにちぃちゃかちゃの?」
「にぃしぇいもこんにゃにちぃちゃかちゃの?」
「そうよ。母さんも生まれた時は小さかったのよ」

 アゴ母さんが生まれた時は小さかったのだと教えます。

 教えているとブチが妹の名前のことをアゴ母さんに聞いてきました。

「アゴ母さん、この子の名前はなんて言うの?」
「この子はちょっと小さく生まれたから『チビ』にしようと思うの。どうかしら?」
「うん、俺はいいと思う」とブチ。
「そうだね」とミケ。
「「チィビィ」」とサムとニセイ。

 サムとニセイに『チビ』と言うなの妹が出来た瞬間でした。
 そしてサムとニセイは『早く大きくなって遊ぼうね』と思うのでした。

 
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