【完結】ねこの国のサム

榊咲

文字の大きさ
上 下
12 / 135
〈本編〉

ある日の遊び1

しおりを挟む
 サムとニセイは2人で遊ぶ事がほとんどですが、ブチやミケが遊んでくれる事もあります。サムとニセイが2人で遊ぶとどうしてもサムが負けてしまいます。同じ様にご飯を食べているのに体格が違っているからです。この違いは食事量が関係していました。前まで、ニセイがサムのご飯を寄越せと言わんばかりに食べていたからです。

 この問題はブチが気がつきアゴ母さんに報告して解決しました。やっとサムもニセイと同じくらいの体格になってきましたが、まだまだニセイの方が大きいのです。見かねたブチとミケが一緒に遊ぶ様になるのに時間は掛かりませんでした。

「サム、ニセイ、庭で遊ぼう!」ブチが呼びに来ました。
「「にゃ~い」」
「ミケにぃニャンは?」サムが聞きます。
「もうじき来るよ」ブチもすぐに答えます。

 ブチが答え終わる前にミケが着ました。

「ブチ、おはよう。遊びに来たよ」
「ミケ、おはよう!」
「ミケにぃニャン、「おはにょうごじゃいましゅ」」

 サムとニセイはミケにあいさつをしました。

「シャム、今日はブチにぃにゃんとおててちゅなぐ」
「お、俺とサムは手を繋ぐか」
「じゃあ、ニセイは俺とでいいか?」
「‥‥‥‥‥‥」

 いつもはサムはミケと手を繋いで散歩に行くのですが、今日はブチと手を繋ぎたくてリクエストしました。それに対してブチとミケはサムとニセイに確認を取ります。しかし、ミケがニセイに聞くと黙ってしまいました。ミケはもう一度ニセイに聞きます。

「ニセイ、俺とでいいか?どうする?」
「にぃシェイもブチにぃにゃんがいい!!」

 ニセイもブチと手を繋ぎたいと言います。これにはブチとミケは困ってしまいました。

「ニセイ、たまにはミケと手を繋いでもいいんじゃないか。サムは聞き分けよくいつもはミケと手を繋いでるんだから。わがままいわないの」
「いやいや!!」
 ニセイは足を踏ん張って嫌がります。最後には泣いてしまいました。

「じゃあさ、行く時はサムとブチで手を繋いで、帰りはニセイがブチと手を繋いだらどう?」

 泣き出したニセイが可哀想になり、ミケが提案しました。

「そうだな。サム、いいか?」
「シャム、いいよ」
「ニセイもこれならいいだろ」
「うん」

 ブチがミケの提案をサムとニセイに確認しました。サムもニセイも了解しました。
 ミケはサムとニセイが了承したので一安心しました。

「じゃあ、公園まで遊びに行こうか。ブチ」
「ああ、そうだな。さあ、手を繋ごう」
「「あい」」

 こうして4人は公園まで手を繋いで、いつものように歌いながら行きました。
 
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

大魔女アナスタシアの悪戯 ~運命の矢が刺さったらしいのですが、これ、間違いなんです!~

三沢ケイ
恋愛
大魔女アナスタシアは考えた。このつまらない日常に何か楽しい余興はないものか。 そして犠牲となったのは三十路OLの日下舞花。口車に乗せられて連れてこられた異世界で渡された恋に効く弓矢が誤発射し、刺さった相手はやたら怖そうな強面の軍人だった。 待ってください。これ、間違いなんです!

家ごと異世界ライフ

ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!

[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜

桐生桜月姫
恋愛
 シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。  だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎  本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎ 〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜 夕方6時に毎日予約更新です。 1話あたり超短いです。 毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。

こちらの異世界で頑張ります

kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で 魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。 様々の事が起こり解決していく

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい

梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。

異世界で家族と新たな生活?!〜ドラゴンの無敵執事も加わり、ニューライフを楽しみます〜

藤*鳳
ファンタジー
 楽しく親子4人で生活していたある日、交通事故にあい命を落とした...はずなんだけど...?? 神様の御好意により新たな世界で新たな人生を歩むことに!!! 冒険あり、魔法あり、魔物や獣人、エルフ、ドワーフなどの多種多様な人達がいる世界で親子4人とその親子を護り生活する世界最強のドラゴン達とのお話です。

処理中です...