【完結】ねこの国のサム

榊咲

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〈本編〉

サムとニセイの食事事情

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 サムとニセイは同じ日に生まれた兄弟。ニセイはヤンチャでよく食べ、よく動き、よく寝る子どもでした。反対にサムは大人しい子どもで、どうしてもニセイに負けてしまっていました。その為、小さい頃は体も小さくよくニセイにご飯を横取りされていました。

 ニセイはそんなサムには気づかずマイペースにアゴ母さんに甘えていました。アゴ母さんはサムが小さい身体で一生懸命にニセイに負けまいとしている事は知っていましたが、何も言わずに2人の様子を見ていました。流石に2人の体格が倍以上に違ってくるとニセイに注意するようになりました。

 サムには「さあ、ニセイに取られないように食べなさい」と、内緒でご飯を食べさせてくれる様になりました。それをみたニセイは「なんでサムには、余分に食べさせるの?」と不満をアゴ母さんにぶつけます。そして、サムが貰ったご飯を横取りしようとします。その行動にアゴ母さんは「ニセイ、あんたはさっき、沢山食べたでしょ!」とゲンコツ付きで叱ります。

 そこへブチが見回りから帰ってきました。
「どうしたの、アゴ母さん」と聞きます。
「それがね~。ニセイがサムのご飯を食べてしまうの」とアゴ母さんはニセイを睨みながら言います。
「本当に困った子ね!ブチもなんとか言って!」
「どうして横取りするんだ」とブチが聞きます。
「だって、美味しそうなんだもん」とニセイは言い訳を言います。

 それを聞いたアゴ母さんは頭を抱えてしまいます。ブチもどうしたもんかと頭をひねります。そして一つの提案をニセイとサム、アゴ母さんに言いました。

「ニセイ、自分のご飯を食べたら直ぐにサムのご飯を横取りしようとしないで、サムが食べ終わった時に残していたらサムに食べてもいいか聞いてから食べる様にしたらどうだ。又は食べる前にサムに残すなら頂戴と聞いたらどうだ」と言いました。
 これにはアゴ母さんも「そうね」と相づちをうちます。

「聞いたら、残ってるご飯食べてもいい?」とアゴ母さんにニセイは聞きます。
「ちゃんと聞いてからならいいわよ」とアゴ母さん。そしてサムにも確認をします。
「サムもちゃんと言えるわね?」
「うん、わかった」とサムもアゴ母さんに返事をします。

 ブチの提案にアゴ母さんもニセイとサムも受け入れました。
 
 その後、サムはニセイにご飯を横取りされることが無くなり、体も大きくなってきました。アゴ母さんとブチはやれやれと安堵しました。
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