にゃんこの居場所【完結】

榊咲

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【トトの章】

オレの遊び場①

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 オス!オレ、トトの遊び場を紹介するぞーぃ。オレの遊び場は近くにあるハウスだ!!!いろいろ部屋があって面白いんだぜ。でも、油断するとハウスに閉じ込められるけどな。まあ閉じ込められてたのは、オレがこの家に来てすぐの頃だったけどな!まだ着たばかりで、ハウスになにがあるかわからなかったからだもんな。今はそんなことないぜ!へへへへ!

 そうそう、ハウスにはホント、いろいろなモンがあって、楽しいんだよな、これが~!いつも遊びに行く部屋には、昔使ってたダンボールやハウスの材料のビニールとかがあったんだ。その中に入って、隠れんぼをしたりしてたんだ!オレもまだ子どもだったんで、『おお~、ドアが開いてる~』って思って、喜び勇んで入って遊んでたんだよな~。そしたら、いつの間にかドアが閉まってて、焦った!

 まあな、いそいそと入って遊んだまでは良かったんだ!そう良かったんだよ……。そこで遊び疲れて寝こけなければな!!!冬場でちょうど日差しがあって、ポカポカしてたのも、敗因だ。……気が付いた時には、もう真っ暗になってた。『ワワワワ、やばい!!』って思ってドアの所に行ったら、もうすでに出られなくなってた。

 もう仕方ないから、「んにゃ~ん、んにゃーん(助けて~~~)」と叫んだぜ!!でも、シ~~ンと、静かなモンだ!!!!もう一回、「んにゃーん、んにゃーん(助けて~~~)」と叫んだぜ。それでもシ~~ン……。これには、いくら能天気なオレも焦った。『#ヤバイ__・__#、』って思って、呆然としたんだ。

 そうオレは家に帰れなくて、呆然としたんだよ!!!一応、帰れないか出口を探したさ。でも無かった。ホントに無くって、泣けてきた……そんな時にさよちゃんの声が聞こえて来たんだ。「トト~、トト~」ってね。オレはすぐに返事をしたよ。「にゃーん、にゃーん(オレはここだよ!)」ってな。

 暗くなってたから、懐中電灯で当たりを照らしながら、オレの名前を呼んでた。でもハウスの材料置き場の部屋の前まで来てくれたのに、ドアを開けて来ないんだ。『どうして、どうして来てくれないいんだ』と絶望した。今ならどうして入って来てくれなかったかがわかるけどな。ハウスは他の人の物だから、ちゃんと話をしないと、ドロボウになっちゃうだろ!だからさ。

 さよちゃんはオレの声はするけど、出て来ないから、と思ったらしい。すぐに『資材置き場に入っていい』かハウスの持ち主に連絡してくれたんだ。さよちゃんが持ち主に連絡してすぐに、持ち主さんが来てくれて、出られたんだよな。さよちゃんだけでなく、お父さんにも怒られちゃった。ハハハハ、ハァー、もう笑うしかないよね。

 このハウス資材置き場閉じ込め事件をその後も起こして、メチャクチャ怒られた。ウウウ、反省してますって!オレだって閉じ込められるのは、であるし……。まあ、大人になってからは、流石にやらなくなりましたとも。怒られるのなんて、だもんな!!!!
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