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【ムサシの章】
俺と優しいおばあちゃん
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ケガをしてから、家のみんなが過保護になった様だ。俺は強いんだから、そんな心配しなくてもいいのにさ。俺の強さを見せつけなくっちゃいけないな!
………………………… ………………………… ………………………… …………………………
この家に来て数年経った頃かな、俺も歳を取ってネズミはなんとか取ってるが、ケンカは滅法弱くなっちまったて、家の外に出る事もメッキリ減っちまった。特に冬は寒いからコタツから出られなくなっちまう。
この頃、身体も動かなくなって来た。昔の農家だった家は二階建てでネズミは二階によくいたな。二階に行く事もメッキリ減っちまった。まあ、若い頃からずっとネズミを取っていたから、この頃はあんま、ネズミを見なかったがな。身体が鈍るから、少しは動くか。
コタツから出て、風呂場に向かう。途中でおばあちゃんが心配そうに、俺をみている。「うにゃーん(心配ないぜ)」と言って前を歩いて行く。風呂場は閉まっていたが、おばあちゃんが気がつい、開けてくれた。「ニャンニャン(ありがと)」と言って入って行って、トイレを済ませる。
ここの所のトイレは風呂場になった。トイレを済ますとおばあちゃんが臭いが籠らない様に水を流してくれるんだ。おばあちゃんは『ムサは偉いな!よそでトイレをしないで、ここでして』と言ってくれた。褒めてくれてるようだ。俺はおばあちゃんの手を煩わせたくないんだ!何時も優しくしてくれたからな!そうそう『ムサ』って言うのは『ムサシ』を縮めた呼び方。ムサシだと呼びにくいからな。仕方ないぜ!
でももうそろそろ、おばあちゃんの手を煩わせそうだ。自分の寿命がどれだけ残っているのか?絶対におばあちゃんの手を煩わせたくないんだよ!でも、身体が動かなくなってきているのもわかるんだ!どうしようか?
本当は寿命までには、家を出なければならないのに、ここが居心地がよくて、おばあちゃんが優しいから出て行くのが寂しくて、なかなか決心がつかない。昔の俺なら、即決即断だったのによう、今は未練がましく迷ってる。おばあちゃんにサヨナラするのが辛いよ!今日は寒いしコタツで暖まってから、いつ出て行くか考えるかな。
はあ、暖かい。もう朝かな。あ、おばあちゃんだだ、「ニャンニャンニャン(おはよう、おばあちゃん)」おばあちゃんも「ムサ、おはよう」とあいさつしてくれた。いつものように風呂場でトイレを済ましてコタツに入る。今日はなんだかいつもより眠いぞ。段々、おばあちゃん達の声も聞こえなくなってきた。そうか、今日でおばあちゃん達とお別れなんだ。お別れのあいさつが出来なかったなあ!ここの家にきて良かったよ、ありがとう、おばあちゃん。
おばあちゃんがコタツの中を掃除しようと中を見ると《ムサシ》が眠っていた。いつもなら掃除機の音で起き上がるのに起きない。不思議に思い触ってみると、冷くなっていた。おばあちゃんはああ、死んでしまったんだなぁと思った。
この子はトイレも風呂場でやって、粗相をしない子で良い子だったなと思いながら、亡骸を箱に入れてお寺に行き、お参りして貰ってから火葬場に連れて行って貰った。ムサ、居てくれてありがとう。安らかに眠ってね、とおばあちゃん達は思いました。
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この家に来て数年経った頃かな、俺も歳を取ってネズミはなんとか取ってるが、ケンカは滅法弱くなっちまったて、家の外に出る事もメッキリ減っちまった。特に冬は寒いからコタツから出られなくなっちまう。
この頃、身体も動かなくなって来た。昔の農家だった家は二階建てでネズミは二階によくいたな。二階に行く事もメッキリ減っちまった。まあ、若い頃からずっとネズミを取っていたから、この頃はあんま、ネズミを見なかったがな。身体が鈍るから、少しは動くか。
コタツから出て、風呂場に向かう。途中でおばあちゃんが心配そうに、俺をみている。「うにゃーん(心配ないぜ)」と言って前を歩いて行く。風呂場は閉まっていたが、おばあちゃんが気がつい、開けてくれた。「ニャンニャン(ありがと)」と言って入って行って、トイレを済ませる。
ここの所のトイレは風呂場になった。トイレを済ますとおばあちゃんが臭いが籠らない様に水を流してくれるんだ。おばあちゃんは『ムサは偉いな!よそでトイレをしないで、ここでして』と言ってくれた。褒めてくれてるようだ。俺はおばあちゃんの手を煩わせたくないんだ!何時も優しくしてくれたからな!そうそう『ムサ』って言うのは『ムサシ』を縮めた呼び方。ムサシだと呼びにくいからな。仕方ないぜ!
でももうそろそろ、おばあちゃんの手を煩わせそうだ。自分の寿命がどれだけ残っているのか?絶対におばあちゃんの手を煩わせたくないんだよ!でも、身体が動かなくなってきているのもわかるんだ!どうしようか?
本当は寿命までには、家を出なければならないのに、ここが居心地がよくて、おばあちゃんが優しいから出て行くのが寂しくて、なかなか決心がつかない。昔の俺なら、即決即断だったのによう、今は未練がましく迷ってる。おばあちゃんにサヨナラするのが辛いよ!今日は寒いしコタツで暖まってから、いつ出て行くか考えるかな。
はあ、暖かい。もう朝かな。あ、おばあちゃんだだ、「ニャンニャンニャン(おはよう、おばあちゃん)」おばあちゃんも「ムサ、おはよう」とあいさつしてくれた。いつものように風呂場でトイレを済ましてコタツに入る。今日はなんだかいつもより眠いぞ。段々、おばあちゃん達の声も聞こえなくなってきた。そうか、今日でおばあちゃん達とお別れなんだ。お別れのあいさつが出来なかったなあ!ここの家にきて良かったよ、ありがとう、おばあちゃん。
おばあちゃんがコタツの中を掃除しようと中を見ると《ムサシ》が眠っていた。いつもなら掃除機の音で起き上がるのに起きない。不思議に思い触ってみると、冷くなっていた。おばあちゃんはああ、死んでしまったんだなぁと思った。
この子はトイレも風呂場でやって、粗相をしない子で良い子だったなと思いながら、亡骸を箱に入れてお寺に行き、お参りして貰ってから火葬場に連れて行って貰った。ムサ、居てくれてありがとう。安らかに眠ってね、とおばあちゃん達は思いました。
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