【完結】さくら色のねずみ

榊咲

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 長は少し焦っていました。

 ここで時間を浪費する事は灰色のねずみの命にも関わるのです。

 長は疑問符を頭に浮かべる灰色のねずみに説明をしてやりたい心を鬼にして、先を促す様に三女に目配せしました。

 三女は長の心情を慮って、灰色のねずみを促して荷物を持って、別棟の裏口を目指しました。

 長は別棟の玄関から外に出て、二人が森の奥に行くのを誰にも見られない様に見張りました。

 その甲斐あって母屋から別棟に来る次女とその取り巻きを、取り押さえる事に成功しました。

 三女と灰色のねずみは長の機転のお陰で、誰にも知られずに森の奥に向かう事が出来ました。
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