【完結】さくら色のねずみ

榊咲

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 長が見た灰色のねずみは、伝承でしか聞いたことが無かった、この桜の森から追放されたねずみの色とそっくりでした。

 長は追放されたとはいえ、同族である事は間違い無いので、倒れている灰色のねずみを看病する様に、一族の者に言いました。

 しかし長が言ったこの桜の森を追放されたと言う言葉に、躊躇ちゅうちょして、灰色のねずみを助ける者は出て来ませんでした。

 それどころか灰色のねずみの周りから、一人また一人と離れて行くものばかりでした。

 そんな中、長の末娘が灰色のねずみの側に向かいました。
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