おばあちゃんと猫のチィ

⑤

　信頼するおばあちゃんがコタツに入っているので、チィもおばあちゃんの側で、コタツに入っています。

　おばあちゃんにはチィを連れてきた孫の他に２人います。

　孫の母親は病気で亡くなっているので、おばあちゃんが母親代わりで、色々な事をやっていました。

　その日も、翌日の朝ごはんとお弁当の為に、お芋をコタツに入りながら剥いていました。

　チィはおばあちゃんの側で何時も、朝ごはんやお弁当に使う野菜を剥いているのを見ていますが、時には「おばあちゃん、遊んでよ！」とおばあちゃんの手をチョイチョイと撫ぜます。

　チィが手を撫ぜると、おばあちゃんがチィを見て、「チィ、あと少しだで、待っとってな」と言って、チィの頭を撫ぜました。

　チィは首を傾げて、「うん、待ってるからね」と言うように『ニャン』とおばあちゃんの顔を見て鳴きました。