おばあちゃんと猫のチィ

榊咲

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 おばあちゃんには戦争中に亡くなった子どもがいました。その子は一歳を迎える前に病気で亡くなってしまいました。

 猫のチィはおばあちゃんによく懐いたので、その子の生まれ変わりだとおばあちゃんが思う様になるのにそんなに時間は掛かりませんでした。

 おばあちゃんは畑に行くにも、お隣に回覧板を持って行くにもチィを呼んで一緒に行きました。

 ある時、お隣に回覧板を持っていく事になり、おばあちゃんはチィと一緒に行きました。

 回覧板を持って行くとお隣さんが、おばあちゃんと一緒に来るチィに「いい子だね」と言って褒めてくれます。

 褒められるチィを見ておばあちゃんは嬉しそうに笑っています。

 そしておばあちゃんにお隣さんが「よく懐いているね。ここまで懐いていたら可愛いよね」と聞いて来ました。

 聞かれたおばあちゃんは「この子は娘の生まれ変わりだからね。そりゃ、可愛いよ」と答えます。

 するとお隣さんは「生まれ変わりなんだ。じゃぁ、可愛いね」と相槌を打ちました。

 お隣さんはおばあちゃんの境遇も知っていたので、おばあちゃんが「娘の生まれ変わり」と言うのに、相槌を打ったのです。

 それでおばあちゃんが喜ぶと思ったからです。

 そんな雑談を終わらせると、おばあちゃんとチィは家に帰りました。


 
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