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77. 魔王のダンジョン
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「リーナ」
「嫌です」
「まだ、何も言ってないけど」
「こんな恐れ多い名前の加護なんて貰ったらどうなるのか、どうなるんでしょう?」
「わからないけど、その宝玉は明らかにリーナが貰ったモノだ」
「まさか、『女神の加護』で女神様の依り代になるとか女神様の力が使えるようになるとか?」
「女神様の力って何?」
「わかりません」
「とりあえず、リーナが持っていて、如何しようもなくなった時とかにパクッと」
「お兄様の口に入れるのね」
「イヤ、リーナ、殿下にしよう。殿下は聖女になれるのだから」
「アーク! 俺はなるとしたら聖人だ」
「あー、ハイ。そうでした」
アルファント殿下は私の代わりに聖女、いえ、聖人になってくださるつもりはあるみたいで、時々聖女の杖にご機嫌伺いをしているけど、聖女の杖にはソッポを向かれている。
ノヴァ神官が言うには、嫌いではないけど、聖女にはしたくないという気持ちが流れてくるそうだ。
誰も、私に聖女になれ! とは言わない。
聖女に成らなくても氷魔法で何とかなる、から大丈夫とも言われる。聖女の杖からも側にいるだけで、という気持ちが伝わってくる。
皆が優しい。
まだまだ時間があって、ひょっとしたら20年、30年と時間的猶予があるかもしれない、学校卒業してからゆっくり考えようと問題を先送りにしてきたけど、アッと言う間に問題が目の前に来てしまった。
何があるか分からないから、大事な事は先送りにしてはいけない、のかも。
タウンハウスの居間で私達はおでんを食べていた。
この世界にも豆腐はあったけど、せっかく『液体の加護』で豆乳が出せるので、にがりを手に入れて手作り豆腐を作ってみた。
豆腐を厚めにスライスしてお揚げを作る。
それをただ、炙ってお醤油をかけてご飯と一緒に食べても美味しいけど、広げて、お餅を入れて餅巾着にしてお出し汁にいれてコトコトと煮る。
お魚のすり身を揚げたのと、ゆで卵と貝に大根、魔獣のすじ肉。何だか、転生してから食べる事に凄く頑張っている気がするけど、美味しいモノは生きる目的になるからいいと思う。人は生きる為に食べる、だから食べる為に生きよう、何て、ね。
「お兄様、どうしよう」
「うーん。餅巾着が美味い。この油揚げはリーナの豆乳から作ったせいか絶品だな。この間、食べた狐うどんも美味かった。つまり、なるようにしかならない。ケ・セラ・セラだよ。もう、あきらめて聖女に成ってしまえばいいんじゃないか」
「私が聖女に……」
「聖女って言っても実質三位一体なんだから、聖女代表がリーナってことで」
「その代表がイヤなの。でも、魔王が封印、じゃなくて……魔王、小太郎さんの今回は封印じゃなくて解放だとしたら、解放されたら封印はどうなるの?」
「わからないけど、予言で解放って言っていたから何とかなるよ。平民枠の二人を連れてきたら殿下と顔合わせをして、それから直ぐに魔王のダンジョンに行くらしいけど取り合えず、魔王のダンジョン攻略中に何とか考えよう」
「先送り……」
「そう、先送り」
「でも、その先が今回は凄く短いわ」
「そうなんだよな。で、ケ・セラ・セラ」
「ケ・セラ・セラ……」
「悩んでも、悩まなくても問題は目の前にやって来るんだから、イザという時に備えて頭を空っぽにして体力温存してその時に備えよう。大丈夫。どうしようもなくなれば逃げよう」
「ずっと、逃げようと思っていたわ」
「うん。殿下連れて逃げちゃえ! 次元の先に逃げてもリーナと殿下がいれば何とかなるような気がするし」
「ドラゴンもいるし?」
「ドラゴンに乗ってどこまでも逃げる逃避行。リーナと殿下、プラス俺、お邪魔?」
「ううん。お兄様は大切な家族ですもの」
「よし、いざとなれば逃げる。で、少しは気が楽になった?」
「そうね。悩んでも変わらないなら悩むだけ損ね」
悩んでも、体力、気力を消耗するだけなので頭を空っぽにして、ダンジョン攻略のための料理のストックを沢山つくり、そして休むことにした。
お兄様と一緒に餅つきをしたせいか、疲れてしまって朝までぐっすりと寝る事が出来たので、次の朝はスッキリと起きる事が出来た。確かに、悩んで寝られないよりはこちらのほうがいいかもしれない。
そして、魔王のダンジョンはまさかのアプリコット辺境伯家の森。
ここはお兄様が露天風呂を作っていた、あの洞窟ではありませんか。ピンクさんが聖女の杖を手に入れたのも多分ここ。
嵐の夜にがけ崩れで入り口が塞がってしまったと報告を受けていた場所だけど、もう既に元のように洞窟になっていた。
山のふもとにぽっかりと開いた穴は仄かに明るくずっと遠くまで続いているように見えた。
ここにはいつものダンジョン攻略メンバーと、茶ピンクさんの主張する通りに平民であるブラックさんとグリーンさん、それにラクアート様を加えてのメンバーがいる。
最初、茶ピンクさんが要請したガーヤ・ジートリス様は戦闘経験もないし、突然魔王のダンジョン攻略をと言われても困ると辞退された。物凄く困惑した顔をされていたそうだ。ラクアート様は戦闘経験などないはずなのに「従います」と言葉少なに承諾をしたそうだ。
そう言えば、茶ピンクさんと一緒にいるラクアート様は以前に比べて生気がないような気がする。口数も少なくなった。
殿下は「ラクアートはまるで別人のように大人しくなったが、茶ピンクに生気を吸い取られているんじゃないか。茶ピンクは魔女というよりは吸血鬼かもしれない」と言っていたけど、確かにラクアート様は茶ピンクさんの眷属化しているようにも見える。
ブラックさんとグリーンさんは高位の冒険者で王都にいるところを指名依頼として召集したそうだ。依頼を受諾したところで魔王のダンジョン攻略と明かしたそうだが、かなり乗り気になっていたそうだ。
そして、魔王復活の報はまだ、抑えられている。世間的にも、高位貴族に対しても。
口が軽そうな神殿長は女神像棄損の罪で軟禁中。流石に女神像に対しての不敬は申し開きができないようで大人しくしているとの事。
茶ピンクさんからはドラゴンの件と魔王攻略についての情報をできるだけ得なくてはならない。だので、アルファント殿下が二つのパーティーの連絡役となった。
殿下は「茶ピンクと接すると吐きそうだ」って言っていたけど、他の人だと茶ピンクさんが高圧的に出るので仕方がないと、この人選になった。
でもね、私としてもすごく不本意。
本当は殿下に近寄らないで! と言いたい。
「嫌です」
「まだ、何も言ってないけど」
「こんな恐れ多い名前の加護なんて貰ったらどうなるのか、どうなるんでしょう?」
「わからないけど、その宝玉は明らかにリーナが貰ったモノだ」
「まさか、『女神の加護』で女神様の依り代になるとか女神様の力が使えるようになるとか?」
「女神様の力って何?」
「わかりません」
「とりあえず、リーナが持っていて、如何しようもなくなった時とかにパクッと」
「お兄様の口に入れるのね」
「イヤ、リーナ、殿下にしよう。殿下は聖女になれるのだから」
「アーク! 俺はなるとしたら聖人だ」
「あー、ハイ。そうでした」
アルファント殿下は私の代わりに聖女、いえ、聖人になってくださるつもりはあるみたいで、時々聖女の杖にご機嫌伺いをしているけど、聖女の杖にはソッポを向かれている。
ノヴァ神官が言うには、嫌いではないけど、聖女にはしたくないという気持ちが流れてくるそうだ。
誰も、私に聖女になれ! とは言わない。
聖女に成らなくても氷魔法で何とかなる、から大丈夫とも言われる。聖女の杖からも側にいるだけで、という気持ちが伝わってくる。
皆が優しい。
まだまだ時間があって、ひょっとしたら20年、30年と時間的猶予があるかもしれない、学校卒業してからゆっくり考えようと問題を先送りにしてきたけど、アッと言う間に問題が目の前に来てしまった。
何があるか分からないから、大事な事は先送りにしてはいけない、のかも。
タウンハウスの居間で私達はおでんを食べていた。
この世界にも豆腐はあったけど、せっかく『液体の加護』で豆乳が出せるので、にがりを手に入れて手作り豆腐を作ってみた。
豆腐を厚めにスライスしてお揚げを作る。
それをただ、炙ってお醤油をかけてご飯と一緒に食べても美味しいけど、広げて、お餅を入れて餅巾着にしてお出し汁にいれてコトコトと煮る。
お魚のすり身を揚げたのと、ゆで卵と貝に大根、魔獣のすじ肉。何だか、転生してから食べる事に凄く頑張っている気がするけど、美味しいモノは生きる目的になるからいいと思う。人は生きる為に食べる、だから食べる為に生きよう、何て、ね。
「お兄様、どうしよう」
「うーん。餅巾着が美味い。この油揚げはリーナの豆乳から作ったせいか絶品だな。この間、食べた狐うどんも美味かった。つまり、なるようにしかならない。ケ・セラ・セラだよ。もう、あきらめて聖女に成ってしまえばいいんじゃないか」
「私が聖女に……」
「聖女って言っても実質三位一体なんだから、聖女代表がリーナってことで」
「その代表がイヤなの。でも、魔王が封印、じゃなくて……魔王、小太郎さんの今回は封印じゃなくて解放だとしたら、解放されたら封印はどうなるの?」
「わからないけど、予言で解放って言っていたから何とかなるよ。平民枠の二人を連れてきたら殿下と顔合わせをして、それから直ぐに魔王のダンジョンに行くらしいけど取り合えず、魔王のダンジョン攻略中に何とか考えよう」
「先送り……」
「そう、先送り」
「でも、その先が今回は凄く短いわ」
「そうなんだよな。で、ケ・セラ・セラ」
「ケ・セラ・セラ……」
「悩んでも、悩まなくても問題は目の前にやって来るんだから、イザという時に備えて頭を空っぽにして体力温存してその時に備えよう。大丈夫。どうしようもなくなれば逃げよう」
「ずっと、逃げようと思っていたわ」
「うん。殿下連れて逃げちゃえ! 次元の先に逃げてもリーナと殿下がいれば何とかなるような気がするし」
「ドラゴンもいるし?」
「ドラゴンに乗ってどこまでも逃げる逃避行。リーナと殿下、プラス俺、お邪魔?」
「ううん。お兄様は大切な家族ですもの」
「よし、いざとなれば逃げる。で、少しは気が楽になった?」
「そうね。悩んでも変わらないなら悩むだけ損ね」
悩んでも、体力、気力を消耗するだけなので頭を空っぽにして、ダンジョン攻略のための料理のストックを沢山つくり、そして休むことにした。
お兄様と一緒に餅つきをしたせいか、疲れてしまって朝までぐっすりと寝る事が出来たので、次の朝はスッキリと起きる事が出来た。確かに、悩んで寝られないよりはこちらのほうがいいかもしれない。
そして、魔王のダンジョンはまさかのアプリコット辺境伯家の森。
ここはお兄様が露天風呂を作っていた、あの洞窟ではありませんか。ピンクさんが聖女の杖を手に入れたのも多分ここ。
嵐の夜にがけ崩れで入り口が塞がってしまったと報告を受けていた場所だけど、もう既に元のように洞窟になっていた。
山のふもとにぽっかりと開いた穴は仄かに明るくずっと遠くまで続いているように見えた。
ここにはいつものダンジョン攻略メンバーと、茶ピンクさんの主張する通りに平民であるブラックさんとグリーンさん、それにラクアート様を加えてのメンバーがいる。
最初、茶ピンクさんが要請したガーヤ・ジートリス様は戦闘経験もないし、突然魔王のダンジョン攻略をと言われても困ると辞退された。物凄く困惑した顔をされていたそうだ。ラクアート様は戦闘経験などないはずなのに「従います」と言葉少なに承諾をしたそうだ。
そう言えば、茶ピンクさんと一緒にいるラクアート様は以前に比べて生気がないような気がする。口数も少なくなった。
殿下は「ラクアートはまるで別人のように大人しくなったが、茶ピンクに生気を吸い取られているんじゃないか。茶ピンクは魔女というよりは吸血鬼かもしれない」と言っていたけど、確かにラクアート様は茶ピンクさんの眷属化しているようにも見える。
ブラックさんとグリーンさんは高位の冒険者で王都にいるところを指名依頼として召集したそうだ。依頼を受諾したところで魔王のダンジョン攻略と明かしたそうだが、かなり乗り気になっていたそうだ。
そして、魔王復活の報はまだ、抑えられている。世間的にも、高位貴族に対しても。
口が軽そうな神殿長は女神像棄損の罪で軟禁中。流石に女神像に対しての不敬は申し開きができないようで大人しくしているとの事。
茶ピンクさんからはドラゴンの件と魔王攻略についての情報をできるだけ得なくてはならない。だので、アルファント殿下が二つのパーティーの連絡役となった。
殿下は「茶ピンクと接すると吐きそうだ」って言っていたけど、他の人だと茶ピンクさんが高圧的に出るので仕方がないと、この人選になった。
でもね、私としてもすごく不本意。
本当は殿下に近寄らないで! と言いたい。
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