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72. 桜が!?
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「お兄様、どう思う? なんだか凄く疲れてしまったわ」
「いや、ほんと。あいつらの頭の中はどうなっているんだ。この世界は現実なのにピンク頭と茶ピンクにとってはゲームの世界で、多分、俺たちはゲームの中のどうでも動かせる駒だと思っている、のかな」
「そうね。そして、私は彼女たちにとって都合のいい女、扱い」
「リーナから『水魔法の加護』を譲られるのがゲーム攻略の一つのカギ、しかし、リーナの加護は『水魔法の加護』じゃない」
「そこなのよね。確かに魔王封印には氷の魔法が必要みたいだけど、特に『水魔法の加護』でなくても氷の魔法は使えるし、歴代聖女も皆が『水魔法の加護』を持っていたわけではないし」
「まぁ、何か裏技的なモノを使われてもまさか加護が『液体の加護』とは思わないだろうから、そこはしっかり黙って置こう」
「アルファント殿下に内緒にしているのは心苦しいんだけど」
「名称が違うだけで中身はたいして違わないじゃないか。敵を騙すにはまず味方からというから、今まで通りで良いと思う」
「でもね、お兄様、大神殿の本水晶にはウソは通じないのよ。これまでは簡易の水晶だったから良かったけど」
「ああ、王族の結婚式は大神殿か! 加護もレベルもバレてしまう!」
「やっぱり、私、逃げなくちゃ」
「いや、待て。リーナの隠蔽のレベルのほうが大神殿に勝つかもしれないだろ」
「そんな都合のいい事……」
「リーナ、問題は先送りだ。まだまだ時間はある。乙女ゲームのほうは待ったなしだけど」
「そうよ、ゲームは始まっているの。ピンクさんは休場しているけど、茶ピンクさんは魔王討伐って言っているから封印の解き方を知っているのかもしれないわ! それに殿下は攻略対象なのよ!」
「まぁ、落ち着いて。リーナ、羊羹でも食べて。ムッ、この羊羹美味いな」
「この間、もち米と一緒に寒天が届いたの。お兄様も見ていたでしょう?」
「そうだっけ。イヤ、これ栗が入ってて美味い。あっちの大陸にも一度、行ってみたいな。他にも何か良いモノがありそうだ」
私達はリビングで栗羊羹とミルク入り麦茶を頂いていた。朝食を食べた後だけど何だか甘いモノが食べたくなったから。お兄様が好きなせいで最近はミルク入り麦茶をすぐ出してしまう。とりあえず麦茶で後からゆっくり他のモノをいただくけど、次は何を出そう?
「お兄様、何か飲みたいものある?」
「そうだな。久しぶりにコーラでも」
「炭酸はさっぱりするものね」
コーラを出そうとしていると、アルファント殿下からご連絡鳥が飛んできた。
「アーク、リーナ、大変だ。桜が枯れそうだ」
「えっ? 桜が!」
「まさか、桜が?」
私達は慌てて支度をすると王宮の神殿へ駆けつけた。
昨日まで元気に咲き誇っていた桜の花が今日は全体的にしんなりと下を向いていて、胴咲き桜のうち、5つほどが茶色く変色、というか花びらが枯れていた。
枝から咲いている花も所どころ茶色のシミができている。
アルファント殿下とノヴァ神官が神妙な顔をしている。
「うわーっ、ウソ! 花が枯れてる? 何があったんですか」
「今朝、神官が見に来たらこの状態になっていたそうだ」
「それで、神官が言うには昨夜、神殿長が茶ピンクを連れて桜の木を見に来たらしくて。で、歌声が聞こえたので急いで駆けつけてみると、神殿長が立ち会ってラクアート様とキミカ・タチワルーイ嬢が儀式を行っていたそうです」
「まさか、儀式を行ったのですか? 黙って!」
「どうして、そんな勝手な真似を」
「普通は国王陛下もしくは王家の代表者と神殿の代表者、立ち合いの元で儀式を行うのだが……、今の神殿長は前国王の王弟なんだ。つまり、王家と神殿の代表であるとこじつけたらしい」
「ノヴァ神官は?」
「私は昨夜、神官長と一緒に王宮の禁書室で聖女の儀式に付いて調べていました。神殿長は地方に出かけていて、2日後に帰る予定だったのです。ですから油断していました」
「昨夜のうちに茶ピンクと神殿長が会って、直ぐに桜の木の下で勝手に儀式を行ったという事か」
「神殿長は桜の花が満開だからすぐに儀式を行わなくてはいけなかった、と言っております。すでにアルファント殿下との顔合わせも済んで後は神殿長待ちだったそうなので、急いで義務を果たしたと」
「それで、歌を歌って虹色の宝玉は落ちてきたのですか?」
「神官の話によると、虹色ではなくマーブル模様であったとの事です。しかも、本来3日に分けて歌を歌うはずなのに一度に3回、歌を歌って3個のマーブル模様の宝玉を手に入れたそうです。そして、直ぐに口に入れて、ラクアート様と力を合わせて氷の塊を出したそうです」
「ラクアート様と?」
「はい。そして、桜の木から枝を折って葉を千切り、桜の花を氷の塊二つに飾り付けて聖女の杖を手に入れました」
「聖女の杖が出てきたのですか?!」
「はい。杖の先に丸い透明な水晶が付いたスティックだそうです」
「ピンク頭と同じじゃないですか! 加護はどうだったんです?」
神官の話によると、茶ピンクさんは
「加護と聖女の杖を手に入れたわ。私が聖女よ! 桜の花も満開! もう魔王の封印も解けているし、仲間を集めなくちゃいけません。神殿長、お約束どおり、協力してくださいね」
と大声で笑い、大神殿に戻って行ったそうだ。本来、王宮の神殿には許可を得た者しか入れないが、許可を与える立場にある神殿長が案内してきたので、そのまますんなりと桜の元に行けたらしい。
そして、夜、遅かったせいか茶ピンクさんはまだ寝ているそうだ。
神殿長はその出自から責任ある立場についているが、実際にはお飾りで普段は何もしないのに、王家の複雑な事情にはちょっかいを出してくる扱いずらい人でもあるらしい。
「これはまずいなぁ」
「桜の花が枯れたことなんて一度もなかったのに、一体、茶ピンクは何をしたんだ」
「何か、生命力を吸い取るような事をしたのかもしれません。それに本来の聖女の杖はキラキラと輝きますが、タチワルーイ嬢のスティックは輝かなかったそうですから」
「それにしても、桜の花がこんな状態になったのは歴史上、初めてだ。神殿長は何と言っている?」
「昨夜、儀式を行った時には何ともなかったし、もう、桜はその役割を果たしたから枯れていくんだろう、と」
それにしても、桜の花は七分咲きのまま枯れてしまう? それとも枯れた状態で全開になる?
昨日までの美しい桜の花はもう、見る影もなかった。
何だか、見ていると悲しくなってくる。
「いや、ほんと。あいつらの頭の中はどうなっているんだ。この世界は現実なのにピンク頭と茶ピンクにとってはゲームの世界で、多分、俺たちはゲームの中のどうでも動かせる駒だと思っている、のかな」
「そうね。そして、私は彼女たちにとって都合のいい女、扱い」
「リーナから『水魔法の加護』を譲られるのがゲーム攻略の一つのカギ、しかし、リーナの加護は『水魔法の加護』じゃない」
「そこなのよね。確かに魔王封印には氷の魔法が必要みたいだけど、特に『水魔法の加護』でなくても氷の魔法は使えるし、歴代聖女も皆が『水魔法の加護』を持っていたわけではないし」
「まぁ、何か裏技的なモノを使われてもまさか加護が『液体の加護』とは思わないだろうから、そこはしっかり黙って置こう」
「アルファント殿下に内緒にしているのは心苦しいんだけど」
「名称が違うだけで中身はたいして違わないじゃないか。敵を騙すにはまず味方からというから、今まで通りで良いと思う」
「でもね、お兄様、大神殿の本水晶にはウソは通じないのよ。これまでは簡易の水晶だったから良かったけど」
「ああ、王族の結婚式は大神殿か! 加護もレベルもバレてしまう!」
「やっぱり、私、逃げなくちゃ」
「いや、待て。リーナの隠蔽のレベルのほうが大神殿に勝つかもしれないだろ」
「そんな都合のいい事……」
「リーナ、問題は先送りだ。まだまだ時間はある。乙女ゲームのほうは待ったなしだけど」
「そうよ、ゲームは始まっているの。ピンクさんは休場しているけど、茶ピンクさんは魔王討伐って言っているから封印の解き方を知っているのかもしれないわ! それに殿下は攻略対象なのよ!」
「まぁ、落ち着いて。リーナ、羊羹でも食べて。ムッ、この羊羹美味いな」
「この間、もち米と一緒に寒天が届いたの。お兄様も見ていたでしょう?」
「そうだっけ。イヤ、これ栗が入ってて美味い。あっちの大陸にも一度、行ってみたいな。他にも何か良いモノがありそうだ」
私達はリビングで栗羊羹とミルク入り麦茶を頂いていた。朝食を食べた後だけど何だか甘いモノが食べたくなったから。お兄様が好きなせいで最近はミルク入り麦茶をすぐ出してしまう。とりあえず麦茶で後からゆっくり他のモノをいただくけど、次は何を出そう?
「お兄様、何か飲みたいものある?」
「そうだな。久しぶりにコーラでも」
「炭酸はさっぱりするものね」
コーラを出そうとしていると、アルファント殿下からご連絡鳥が飛んできた。
「アーク、リーナ、大変だ。桜が枯れそうだ」
「えっ? 桜が!」
「まさか、桜が?」
私達は慌てて支度をすると王宮の神殿へ駆けつけた。
昨日まで元気に咲き誇っていた桜の花が今日は全体的にしんなりと下を向いていて、胴咲き桜のうち、5つほどが茶色く変色、というか花びらが枯れていた。
枝から咲いている花も所どころ茶色のシミができている。
アルファント殿下とノヴァ神官が神妙な顔をしている。
「うわーっ、ウソ! 花が枯れてる? 何があったんですか」
「今朝、神官が見に来たらこの状態になっていたそうだ」
「それで、神官が言うには昨夜、神殿長が茶ピンクを連れて桜の木を見に来たらしくて。で、歌声が聞こえたので急いで駆けつけてみると、神殿長が立ち会ってラクアート様とキミカ・タチワルーイ嬢が儀式を行っていたそうです」
「まさか、儀式を行ったのですか? 黙って!」
「どうして、そんな勝手な真似を」
「普通は国王陛下もしくは王家の代表者と神殿の代表者、立ち合いの元で儀式を行うのだが……、今の神殿長は前国王の王弟なんだ。つまり、王家と神殿の代表であるとこじつけたらしい」
「ノヴァ神官は?」
「私は昨夜、神官長と一緒に王宮の禁書室で聖女の儀式に付いて調べていました。神殿長は地方に出かけていて、2日後に帰る予定だったのです。ですから油断していました」
「昨夜のうちに茶ピンクと神殿長が会って、直ぐに桜の木の下で勝手に儀式を行ったという事か」
「神殿長は桜の花が満開だからすぐに儀式を行わなくてはいけなかった、と言っております。すでにアルファント殿下との顔合わせも済んで後は神殿長待ちだったそうなので、急いで義務を果たしたと」
「それで、歌を歌って虹色の宝玉は落ちてきたのですか?」
「神官の話によると、虹色ではなくマーブル模様であったとの事です。しかも、本来3日に分けて歌を歌うはずなのに一度に3回、歌を歌って3個のマーブル模様の宝玉を手に入れたそうです。そして、直ぐに口に入れて、ラクアート様と力を合わせて氷の塊を出したそうです」
「ラクアート様と?」
「はい。そして、桜の木から枝を折って葉を千切り、桜の花を氷の塊二つに飾り付けて聖女の杖を手に入れました」
「聖女の杖が出てきたのですか?!」
「はい。杖の先に丸い透明な水晶が付いたスティックだそうです」
「ピンク頭と同じじゃないですか! 加護はどうだったんです?」
神官の話によると、茶ピンクさんは
「加護と聖女の杖を手に入れたわ。私が聖女よ! 桜の花も満開! もう魔王の封印も解けているし、仲間を集めなくちゃいけません。神殿長、お約束どおり、協力してくださいね」
と大声で笑い、大神殿に戻って行ったそうだ。本来、王宮の神殿には許可を得た者しか入れないが、許可を与える立場にある神殿長が案内してきたので、そのまますんなりと桜の元に行けたらしい。
そして、夜、遅かったせいか茶ピンクさんはまだ寝ているそうだ。
神殿長はその出自から責任ある立場についているが、実際にはお飾りで普段は何もしないのに、王家の複雑な事情にはちょっかいを出してくる扱いずらい人でもあるらしい。
「これはまずいなぁ」
「桜の花が枯れたことなんて一度もなかったのに、一体、茶ピンクは何をしたんだ」
「何か、生命力を吸い取るような事をしたのかもしれません。それに本来の聖女の杖はキラキラと輝きますが、タチワルーイ嬢のスティックは輝かなかったそうですから」
「それにしても、桜の花がこんな状態になったのは歴史上、初めてだ。神殿長は何と言っている?」
「昨夜、儀式を行った時には何ともなかったし、もう、桜はその役割を果たしたから枯れていくんだろう、と」
それにしても、桜の花は七分咲きのまま枯れてしまう? それとも枯れた状態で全開になる?
昨日までの美しい桜の花はもう、見る影もなかった。
何だか、見ていると悲しくなってくる。
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